十二夜!? ・・・もう、どうにでもして【劇団そとばこまち×ドナ研プロデュース】140227
2014年02月27日 十三Black Boxx (100分)
こんなに面白いとは・・・
面白過ぎて感動する作品だった。
この作品は原作での設定を奇抜にしているが、話の筋は全く変えていないという。
いつものごとく、原作に関しては知らないので、Wikiで調べただけの知識となるのだが、本当にそのままだ。
ということは、いくら、作・演の川上大洋さん、そして弾けた楽しい役者さん方の手に掛かったとはいえ、きっと原作も面白いのだろう。
こんなことなら、きちんと原作そのままの作品も観ておくのだった。
昨年、学生劇団などを含めて、覚えているだけで2回、観る機会があったのに。
シェイクスピアって、面白いって言っても、ちょっと感覚が違うこと多いしなあなんて思って、足を運ぶ気になれなかったのだ。
もったいないことをした。
観ていれば、もっともっと面白く感じたかもしれない。
それよりも、けっこう衝撃を受けるくらいの、楽しく面白い作品だったので、シェクスピアの十二夜と言えば、この作品をベースにするように頭に刻まれてしまったことが心配だ。
これから、原作を観ても、ヴァイオラってもっと可愛いんじゃないの、オーシーノーは気弱な人のいい渋さを漂わす王なんだけど、オリヴィアってもっと熱い人だよ、執事はちょっとおかしなところがあるはず、アンドルーはコミカルな狂気や執着を見せないと、妖艶やイカシテるダンサーとかはいないの・・・みたいに、まだまだこの作品の魅力を越えてこないなあといった感覚になってしまうのではないだろうか。
銀河系で有名なアイドル歌手、ヴァイオラの乗った宇宙船。
放浪癖のある双子の兄、セバスチャンと久しぶりの再会を果たすも、宇宙船にトラブル発生。
ヴァイオラは船長と共に、イリリア星に不時着。兄は宇宙船に取り残され、消息不明に。
不時着したイリリア星は、王であるオーシーノーの命により、音楽が禁じられている。
オーシーノーが恋するロック歌手、オリヴィアが自分のコンサートの日に兄が事故死したため、音楽を憎み、兄の喪に服して屋敷に閉じこもる姿を見て、そんな法律を発布したらしい。
歌ったり、リズムをとったりするだけでも、逮捕。最悪、死刑にだってなり得る。
今日も、いかがわしい警察署長と上っ面だけ従順なオリヴィアの従兄弟である警官が街を巡察している。
歌手であるヴァイオラにとっては、身の危険がある最悪の星である。
船長は、事故の責任として、ヴァイオラを男装させ、オーシーノーに仕えさせる。
オーシーノーは、男装してシザーリオと名乗るヴァイオラをとても気に入る。
そして、自分と全く会ってくれないオリヴィアに自分の想いを伝えに行くように命を下す。
オーシーノーの不器用だけど純粋で真摯な人を愛する姿に、シザーリオは恋心を抱くが、自分の立場を考え、その命に従う。
しかし、オリヴィアは、そんなシザーリオに恋をしてしまう。
一方、シザーリオの双子の兄、セバスチャンは、宇宙船からアントーニオという男に救出されており、このイリリア星にやって来ていた。
オリヴィアはそんな何も知らないセバスチャンと出会って、愛するシザーリオと勘違いをし・・・
王の命など全く無視して、踊り子として日々、音楽を楽しむ、オーシーノーに仕える生意気な侍女たち。
オリヴィアに仕え、彼女に近づく者を厳しく排除しているが、実はちょっとアイドルオタクで、すぐ騙されるおバカなところがある執事。
オリヴィアのいとこである警官と密通しているオリヴィアの侍女。
オリヴィアが音楽を辞めても、自分たちのロック魂は全く捨てずに、日々、ノリノリのラップを刻むバックダンサーたち。
オリヴィアのおもちゃとして仕える、ひどいリズム感で音楽才能は全く無い道化。
オリヴィアの大ファンである警察署長。
セバスチャンに友達以上の想いを抱くアントーニオ。
数々の想いが交錯する中、最後に結ばれるのは・・・
ドタバタだけど、テンポがよく、流れるような展開で、話が進む。
有名戯曲だけあって、やっぱり質のいい喜劇なんだろうなあ。
キャラは相当、際立っているので、ドタバタ感が残りそうだが、綺麗過ぎるくらいに上手くまとまっている。
ただただ、普通に楽しみまくってしまった。
ただ、ハッピーエンドの中に、思い起こすと、悲しい結末を持つ人がたくさんいる。それも、勘違い、スレ違いのせいでは済まされないような不条理なものだ。
そこに視点を移せば、けっこうな悲劇。それも、何かよく分からず結ばれた人がいて、幸せそうな空気の中に潜んでいるところが面白い。
あっけらかんと空を舞う幸せ、こびりつくように存在する悲しみといったところか。
不思議な魅力を持つ作品である。
この日のゲストは腹筋善之介(Piper)さん。
初めて、間近であのパワーマイムを拝見した。
凄い。これが、あの有名な・・・
こちらも、作品と同じく感動である。
徳島出張の疲れた帰り道、そのまま、観劇に向かったのだが、こんなにいいことがあるとは。
| 固定リンク
「演劇」カテゴリの記事
- 【決定】2016年 観劇作品ベスト10 その3(2016.12.31)
- 2016年度 観劇作品ベスト10 その2(2016.12.30)
- 2016年度 観劇作品ベスト10 その1(2016.12.30)
- メビウス【劇団ショウダウン】161209(2016.12.09)
- イヤホンマン【ピンク地底人】161130(2016.12.01)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント