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2014年1月26日 (日)

Bar あの夜Ⅱ【真紅組】140125

2014年01月25日 インディペンデントシアター1st (110分)

昨年も拝見して、その面白さは間違い無し。
http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2013/04/post-13.html
今度は誰が出るのかななんて、楽しみに劇場に向かう。

女三人寄ればなんとやらで、まあやかましいけど、小気味のいい掛け合いが繰り広げられ、笑いながら楽しい時間を過ごす。
そんな女三人の会話が面白いのはもちろん、バーの店の人たちのユーモラスな雰囲気も楽しく、魅力的な空間が出来上がっている。

前回同様、いじられキャラで頼りない姿が愛らしいケンヤと、たかこと名乗るメイドが開店前に何やらやりとりをしている。
確か、前回はメイドさんはイヨとかいう可愛らしい感じの子で、実は卑弥呼の跡継ぎなんだったかな。さすがは女帝だけあって、厳しく口うるさくケンヤは随分といじめられていた。今は、修行かなんかで何処かに行っているらしい。
たかこは新しく入ってきた女の子だが、その綺麗な風貌を活かして、なかなか裏表のある巧妙な言動で、バーの貫禄ある謎めいたママやダンディーなマスターを完全に味方につけている。
損をするのは、いつもケンヤだ。この人は生前の業が深いのだろうか。まだまだ、苦難の道は続きそうである。まあ、本人はお気楽で今を楽しんでいるみたいだが。
そして、このバーのメイドとして採用されるからには、恐らくは名のある人なのだろう。たかこの正体は。もちろん、この時点で誰かを想像出来るほどの歴史的な知識は私には無い。

開店。
いきなり、賑やかな人がやって来る。
何処かの仮装パレードから紛れ込んできたような風貌に、もう既に2、3杯ひっかけてきたかのようなテンションだ。
この店はいつも賑やかだ。
三人は、前回同様、歴史上人物の奥さんみたい。
初。京極家に嫁ぐものの、お家が没落し、徳川家に嫁いだ妹、江を影で支えるような人だったかな。浅井三姉妹としては、あまり目立たない存在だったためか、こちらではド派手。カーニバルみたいな衣装を身に纏い、元気いっぱい。カルアミルクを一気飲みでガンガンやっている。
千代。山内一豊の奥さん。良妻賢母で知られている人だ。夫のために立派な馬を買い、それが織田信長に認められるきっかけになったとかいうエピソードは聞いたことがある。ここでは、すっかり自分を楽しむ時間を過ごしているようだが、しっとりと落ち着いた姿は健在みたいだ。リンデマンズとかいうフルーツビールの各種フルーツを平然とコンプリートしている。さすがは高知だけに酒が強そう。
まつ。前田利家の奥さん。この人無くして、利家の活躍はなかったというくらいの賢女。男顔負けの文武両道を誇る能力の高さを、そして戦国の世に新しいものを取り入れた利家の考えを踏襲するかのような、西洋の洗練されたご立派なドレス姿。飲むものもブラッディーマリーといかしている。
こんな三人の、生前を振り返った女子トークが繰り広げられる。と言っても、ノリはなぜか昭和のおばちゃんトークだが。

さんざん、騒いで、ようやく帰ったみたいだ。
静かになった。
ここで、一旦閉店。
休憩に入る。
休憩中は、ケンヤとメイドが将棋で遊んでいる。
メイドはルールも知らなかったくせに、ケンヤにボロ勝ち。恐らくは見た目とは異なり、能力に秀でた女性なのだろう。
マスターの将棋の発祥豆知識聞いたり、ゲストのちんどんお多福宣伝社の珍しい、ちんどん屋の音楽を聴きながらゆったりと過ごす。
そして、また開店。

今度はどこの高貴な人なのか、高級そうな着物姿に、貫禄を滲ませた女性が来店。
瀧山。徳川家定、家茂時代の大奥で2番目に偉かった人らしく、立派なお召し物も当然といったところか。自尊心は高そうで、生前はきっときつい人だったのだろう。でも、ここではそんな角も取れて、お茶目な感じだ。カルヴァドスを美しく煽っている。
続いて客がやって来る。
栄。葛飾北斎の娘。てやんでえ調のチャキチャキ娘。浮世絵のことだけを考えるような、いわゆる芸術肌の人だったみたいだ。ズケズケと物言うこの気性では旦那も苦労したことだろう。離縁されてバツイチだったみたいだ。破天荒な生き方だったのだろう。飲む酒もウォッカの一気飲み。
婉。40歳まで幽閉され、そんな中でも文通によって医学を学び、釈放後に女医として活躍した人らしい。恥ずかしながら、全く知らなかった。何とまあ、立派な。芯が通った強い覚悟を感じさせる姿。生前の数々の苦難、そして常人には想像できない努力。そんな気苦労からようやく解放されたように楽しく奄美すもも酒を飲んでいる。
最初の三人の客と違って、性格も生まれも全然異なる三人。
これだけ個性的な面々がまともに会話なんか出来るのかといったところだが、酒の力もあってか、何か調子よく盛り上がっている。

閉店。
後片付けはもちろんケンヤの仕事だ。
メイドは手伝わない。だって、このたかこ、孝謙天皇、称徳天皇と二回皇位に就いた女系天皇らしい。やはり高貴な生まれなのだ。
何となく聞いたことあるなあ。道鏡の話とかも。
まあ、数々の修羅場をくぐり抜けて生きてきた人なのだろう。
バーにやって来る歴史上人物と対等に振る舞えるだけの人生経験は豊富そうだ。

ここにやって来る人たち。
時代も時代で、生まれた立場などのために様々な制約の中で生きなくてはいけなかったのかもしれない。
別にこんな歴史上の人物に限らず、自分の真の姿をそのまま出して、生きている人なんてきっと少ないだろう。何かしら人は仮面を被って社会の中で生きているはずだ。
そんな生前のしがらみを一切無くし、酒の力も借りながら、自分の言葉で喋り、自分の本当の姿を映し出す。
あの世の一歩手前のここで、初めて、生きているなんてことを感じているのかもしれない。死んでるんだけどね。
そして、本当の自分をしっかり受け止めてから、あの世へ向かい、次の新たな人生へと旅立つのかな。

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