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2013年11月16日 (土)

ボンジュール日本【かのうとおっさん】131116

2013年11月16日 インディペンデントシアター1st

困ったなあ。
面白かったですとしか感想が書けない。
実は、開演前から既にちょっと面白いです。正確には面白い人がいてます。
まあ、実際に足を運んで確かめてください。

6作品のコント公演。
お二人の掛け合いの妙を存分に楽しめる作品たちが勢揃い。
チラシには90分と書かれていますが、実際は120分ぐらい。
そのうちの8割ぐらいは笑った状態になるので、笑い疲れする公演です。

<以下、読んでもあまり意味は無く、実際に足を運んで楽しまないといけない公演でしょう。この面白さは文章で伝えるのは、多分無理です。一応、公演終了まで白字にはしておきますが。公演は月曜日まで>

まあ、あまり内容を書いても仕方ないのだが、覚書として。

・田中の異常なダブルス

天才で金持ちで何でも出来る田中君。
クラスの連中などクズばかりだ。
そんな中、何も出来ないのにやたら自信満々な、ある男には一目置いている。
田中君は、そんな奴と一緒にアイドルのオーディションを受ける。
そう、ただ一つ、自分に欠けている顔面偏差値の低さを克服するために。
でも、予選で落ちてしまって、得意の洗脳で審査員を惑わして、無理やり合格にしたり、ファンのアイドルの前でビビりまくったりして・・・

このお二人の定番のパターンかな。
かっこつければかっこつけるほど、面白味がじわじわ滲み出てくる有北雅彦さん。そんな有北さんの面白さに絶妙な味付けを加える嘉納みなこさん。
このお二人は本当に名コンビだなあと感じさせられる一作。
しょっぱなから、ほとんど笑いっぱなしの状態に引き込まれる。

・教えてセクシー先生! ~僕の前世編~

クラスの女の子、ミヤワキさんがした前世占いで寺の小坊主と言われて憤慨する男子高校生。
セクシー先生に相談だ。
自分はジョンレノンなはず。
だったら、ヨーコと結婚して、卒業式の日に射殺されないと。
そんなこと出来るわけもなく、メガネでも掛けて、形から入る。
ミヤワキさんは、他の子にも前世占いをしまくったみたいで、嘘ばっかりついているとクラスでいじめられ始める。
計算高く、ここでその子をかばってハートを射止めたいと思う男子高校生。
でも、どうやったらいいのだろうか。
平和で平等な世界を。レットイットビーを歌いなさい。
歌ったところ、いじめの対象は男子高校生に移ったみたい。一応、彼女を救えた。
ムシャクシャした男子高校生は、街でミヤワキさんの父親が開く占いを尋ねる。
前世は織田信長。
すっかりその気になった男子高校生は、いつしか二重人格のような状態に。
そして、ミヤワキさんに告白するが、近くにいた不良たちにからかわれ、さらには吸ってたタバコの火が落ち葉に拡がり一帯が火の海に。
男子高校生の中に潜む織田信長は、自分の最期の時を思い出し・・・

だいぶはしょって書いていますが、非常によく出来ている話です。
こんなコントの中でしっかりと伏線を効かせてオチまでつける見事な作品。
さすがは、コント職人、かのうとおっさんだといった感じでしょうか。

・アドリブコント

芦屋がテーマ。
芦屋を壊滅させようとしている悪の団体Aの男女二人。
女はある物を男に見せる。これを街に撒けば大変なことになる。
理由はやっかみだ。文化住宅で貧しく育った彼女にとって、裕福な街並みで暮らす人たちは敵だ。
そんな女に対して、男はお前は心が貧乏だと厳しく詰め寄る。
実は、彼は善の団体Bに所属する構成員。
女を改心させて自分の団体に引き込もうとするが、女からあの危険な薬を浴びせられ・・・

まあ、・・・ね。
話の展開する方向の舵を取る有北さんに、あまり応えてあげられなかった嘉納さんってところでしょうか。
それでも、最後はまとめてしまうところは凄いものです。

・どうぶつの森

ウサギのミミコちゃんとパンダのパンダ子ちゃんの話。
ストーリーは一応あるけど、これはお得意の動物雑学を披露してくれる作品になっているようです。
ウサギはすぐ死んじゃう。爪切りでショック死するわ、さみしいと死ぬわ、かばい過ぎても死ぬわ、半日食べなかったら死ぬわ、音にすぐビビッて死ぬわ・・・
おまけにかなり好色らしく、動くモノだったらなんでも性の対象らしいです。それにすぐ想像妊娠するんだとか。お尻を触っただけでも。
そんなミミコちゃんと仲良しのパンダ子ちゃん。パンダは笹を食べますが、実は肉食。だから、ミミコちゃんは餌の対象。
襲おうとしたところ、妊娠していたミミコちゃんは出産状態に。自然界の掟。出産中の動物は襲わない。
子供が生まれるのを一緒に応援。
でも、子供は生まれなかった。
ラストのオチはとてもブラック。ウサギは危機的な空腹状態の時に、自分の子供を吸収して栄養にしてしまうんだとか。
ちょっと震えるような話。
動物の世界は不思議だ。

・ボンジュール日本

傷心の32歳女性。
エヴァンゲリオン好きのフランス人に見捨てられてしまったらしい。
昔、住んでいた吉野に向かい、奥千本へと向かう。
その電車の中で、彼女は昔の思い出をたどっていく。
タケムラ君。
病気で入院しており、相田みつをが大好きだった。
台風の日に、わざわざ誘って外に遊びに出掛けた。次の日が大事な手術なのに。
強風と大雨の中、傘を取って来るから待っててと言い残して、そのまま放ったらかしにした。
ためしてがってんに夢中になってすっかり忘れてしまったから。そのまま、現在に至る。
噂では、その日、川が洪水になって、一人の子供が流されたのだとか。
電車の車掌は言う。
ごめんなさい。
車掌さん、あなたは・・・

銀河鉄道の夜イメージで観てたら、最後にえらいことになります。
想像していることを全部否定して終わらせる、一つのパターンでしょう。
あ然として怒りに近い笑いが起こります。
車掌はタケムラ君でもないし、タケムラ君は死んでないし、そもそも、大した病気でないし、今は居酒屋の店長で普通にやってるし・・・
幼き頃に思ってたことなんか、大人になったらいつの間にか何一つ実現なんかしない。いいことも、悪いことも。
まあ、人生なんてそんなもんだよって感じの話です。

・ゲストコーナー

この回のゲストは京都の劇団、ユニット美人。
私も何回か拝見したことのある劇団です。
昨年のユニット美人の三国志シリーズは名作ですし、所属される役者さんが出演されている劇団衛星のコックピットシリーズもうまく考えられた作品ですね。
大和撫子をテーマに二劇団が各々の作品を披露。

ユニット美人はお決まりのテーマソングを、コックピットシリーズのゲストとして登場された時の強烈なブルマ姿で場を沸かします。また、あの姿を拝見できるとは。
作品は可愛い・おしとやか・優しいという三拍子揃った大和撫子の存在や、金・銀・鉛の箱を三択で選ぶというような三を重視した講演会の講師に対して、なぜか客席に座っているマーガレットという外人が物を申すといった話。
三択は東洋人的考えで、二択ではっきりとさせるのが本当の選択だという西洋人的な考えを主張し、二の重要性を語り始めます。
これに対して、完全に論破されそうな講師でしたが、ユニット美人とかのうとおっさんのどちらが面白いかを彼女に問いかけ・・・

客の掴み方が非常にうまいお二人。
登場するやいなや、すっかりお二人に惹きこまれてしまった感じ。
テンポも良く、ちょっと知的な笑いを提供してくれます。

かのうとおっさんは、薔薇の精の話。
どこかで二回ぐらい観たかな。
私のブログでも、どこかに書いていると思います。
なばなの里にちょっと行ってみようかなという気になる作品です。

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