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2013年11月24日 (日)

Jerk!!【匿名劇壇】131123・131124

2013年11月23、24日 カフェ+ギャラリー can tutku

23日:「嘘の限界」(演劇編)、「希望の殴打」(バイト編)
24日:「自白剤を飲み過ぎて」(恋愛編)

フラッシュフィクション公演と称して、数分の作品群が各編で並ぶ。
つながりはあるようで無く、次から次へと異なるキャラとなるために、衣装もどんどん変わる。
こんな変わった公演はなかなか無いだろう。
2日に渡って、全編を観劇。
詳細は下記に示すが、総じて破壊的というか、破滅的というかこの劇団らしい、独特の感性が見える面白い公演でした。

架空の作家の日常を、恋愛・バイト・演劇の各編の視点で描くような感じ。
作家のプロフィールというか、人生の振り返りが細かくチラシに書かれている。
才能はあるようだが、その光の当たり方がどこか暗く、華やかさに欠ける。破滅的というか。
自分自身はその才能を信じているのか、誇り高き一面が感じられるが、同時にちやほやされない世間を妬むといった卑屈な一面も顔を覗かしているよう。
常に女と金の問題を抱え、結局、それで身を滅ぼして、そのまま終わってしまったような人生か。
どことなく、太宰のような少し病んだ文才を思わせるような人。
そんな人の単なる日常の現実か、悩める頭の中の誇大な妄想なのか、交錯した世界を生み出している。
現実から生み出された虚構、虚構を引きずった現実みたいな、尋常じゃない飛んだ世界のお話。

観た順番に。

(演劇編)
台本が書けず頭を悩ます作家とそれを追い立てる劇団員の話をベースに、出来上がった作品が次々に上演されていく。
日常の会話を録音しながらネタを作っているみたい。
各作品名が演劇を思わせるようなところがあるのかな。
作家の孤独、不安が浮き上がる、悪夢をネタにした感じ。
あやとりなんかは、自分の根底を劇団員に預けるみたいな感覚かなあ。未完成の作品をどううまくいい形にするかといったような、相手への信頼とか、同時に大丈夫かなあ、むちゃくちゃになって、ほぐれちゃって、ただの糸にならないかなあなんて感覚だろうか。
嘘つきとか糾弾しまくられる作品なんかは、ちょっと現実っぽくて怖い。
自分への応援ソングみたいな作品も。

演劇編と思って観てるからそう感じるけど、これは恋愛にも通じる感じ。恋愛のポリシーは演劇と同じなのだろうか。
嘘の限界なんて言葉も、恋愛に似合ってそうな言葉だもの。
日常の全てを演劇へと通じさせる覚悟みたいなものか。この感覚は他のバイト・恋愛編でも同様。

印象に残っている作品。題名は忘れた。撮って出しDVDを購入したので、観直したら分かるんだけど・・・
セブンイレブンのバイト。制服を作品に使用していることを指摘する店長と、そんなもの当たり前だという演劇をしているバイト店員の感覚のズレ。一般的に認知されない演劇をイメージさせるエピソードかな。
チケットの売り合い。小劇場で公演する劇団と、ライブハウスで公演するバンドに所属する人たちが互いにチケットを売り合う。これもまた、厳しい実状の一つだろう。
別れる別れる別れない分かり合えない分からないだったかな。連想する言葉を言い合って、互いに一致するかを確かめるカップル。全く合わない。で、じゃんけんをすれば、ずっとあいこ。創り手と客の関係みたいな感じか。

この段階で、観終えて、思ったのは、かなり観ていて疲れるということ。
とにかく目まぐるしく、次から次へと作品というか、作家の想っていることが突きつけられる。
悪い書き方かもしれないが、客のことは考えずに、自分たちの想いをぶつける作品。ある意味、孤高の芸術家の認められない作品を無理矢理に見せられているような感覚。

(バイト編)
自分の好きなように作品を創る作家。
ここは自分の世界。思うがままに、好きなように話を創っていく。
現実では無理だったことや、思うようにいかないことも、作品の世界では自分の望みのままに。フィクションだから。
尖っているとか、先鋭的というこの劇団らしい感覚の作品が並ぶ。
生活手段でもあるだろうバイト経験も、貪欲に演劇の中へと何でも取り入れる演劇至上主義的な想いが漂う。
要は、もう日常が演劇になってしまっているのだろうか。経験、想いを全て作品へと昇華させるような強烈な覚悟が浮かぶ。

同じく、印象に残った作品。
ハッピーバースデイ。何かほんわり。絶対的な自分でも、ちょっと相手に合わせちゃうみたいな。攻撃的な外観の中に潜む弱さや優しさ、妥協とかそんな感じか。
暴君、合コン。気持ちがいいぐらいに、いや、逆に悪くなるくらいに、相手に媚びない自分を貫く姿。自分のしたいことをする。そこに、相手のことを考える必要はないのかも。
キャバ嬢のいかれた会話。液体盗聴器。排ガスが毒ガス。キリンが覗く。
かなり病んでいる。こんな妄想世界に逃げていても、現実世界で、日々生きていくという、厳しさを突きつけられるような話。

演劇編を観終えて、30分でこの編が始まる。
上記したように、ちょっと疲れるのが気がかりだったのだが、これがこのテンポに慣れたのか、先ほどよりもかなり面白味を感じる。

(恋愛編)
自分の経験をそのままネタにして作品を創る作家。
自分をさらけ出すと同時に、相手あることなので、相手もさらけ出されることになる。
公演名に通じるところがあるだろうか。まともな神経ではなかなか出来なさそうに感じる。
日常の中にこそネタあり。事実は小説より奇なりみたいな感じかなあ。
それも、いい思い出として大切に心に保管しておきたい恋愛を、こうして惜しみなく出してしまっているところが、物を創る人の独特の感性のように思う。
でも、自白剤のという作品名のように、そんなものを飲むかのように苦しみの中で絞り出しているのかな。
人の恋愛の経験話は面白い。それをそのままでなく、フィクション化しているのだから、魅力が増すのも当然か。

印象に残った作品。
優しいひと。誕生日プレゼントをもらう前に別れ話を切りだそうと苦慮する男とそんな男の考えを見抜く女性。これを優しいと捉える女性はいいなあ。その一点だけを見たら、汚い、ずるいといった想いだってあるだろうから。これまでのことも全部踏まえて見た時に、優しいと思えるような気がする。愛されていて、愛していたのだろうなという一つの恋愛の終わりに共に切ない気持ちになる。
嘘尽きて。好き?、愛している?、死ぬくらいに?、死んでも?・・・と言葉を男に求める女性に望みどおりの言葉を返す男。でも、その限界はやって来て。思わず吹き出してしまった。何十作品あったのかは分からないが、この一瞬の破壊的な面白さはピカ一。
君の剥製。女性に香水のプレゼント。今度はここに行って、こういうことをして、こういうことを言って・・・と前の彼女との恋愛をなぞろうとする男。恋愛のキャパに乏しい男はこんな感じになるかもな。自分がちょっとそういうところがあるから。ただ、これ最低ですね。

一日置いて、この編を観劇。
最初の演劇編の時に何か感じた違和感は全く無くなり、すっかり面白くなる。
Twitterでの感想を見た感じでは、この編がけっこう人気あるみたい。
色々と同調しやすいところが、より馴染めるのかもしれない。

なかなか楽しい時間だった。
こういった公演も、この劇団の魅力を感じるのにとてもいい。
ただ、3編観て、実は共通したことが起こって、何かあるのかなあと思っている。
開始45分ぐらい、つまりラスト15分ぐらいで強烈な眠気に襲われるのだ。
それも、退屈で眠いとかじゃなくて、風邪薬を飲んだ時みたいなけだるい眠気に。
どこか、普段使わない神経を使い過ぎて、頭が少しイカれるんだと思う。

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