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2013年10月19日 (土)

劇団衛星のコックピット in 岩戸山のコックピット コンセプト3【劇団衛星】131018

2013年10月18日 KAIKA

コンセプト1に引き続き、観劇。
(http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2013/10/post-7.html)
とにかく、2や3も観た方がいいという意見(4は1の子供向け簡易版だとか)が多いのも頷ける。
このコンセプト3は、装甲魔神ヘラクレスが企画・開発されていた頃のことが描かれている。
コンセプト1の、お荷物状態になったヘラクレスが、国際的な謎めいた事件に巻き込まれてドタバタを起こす話の伏線的な存在の作品だろうか。
1で、少し?だったことが、どんどん明らかになる。
なるほど、なるほど、そういうことかあ、それであんなことになってたんだあと、観ながら1を振り返って、その面白さを噛み締められます。
もう一度、1を観るのも、いいかもしれませんね。そんな余裕はありませんが。
だから、DVDを予約しました。1〜4全部。
残念ながら、観劇日程の都合上、これで私のコックピットはラストなので、あとは、これを楽しみに待ちたいと思います。

<以下、若干のネタバレがありますが、変則日程での公演で、いつまで白字にしておけばいいのか分からないので、そのままにしています。ご注意願います。今回、拝見したのはコンセプト3という作品。上記したように1、2と合わせて観るとより楽しめるように思います。詳細は劇団HPをご参照ください。>

松戸重工、会長の夢。巨大なヒト型ロボット。
会社でプロジェクトとして行うことですから、まずは企画が必要です。
何のためにやるのか、会社としてのメリットはどこにあるのか。コスト&ベネフィットといったところでしょうか。
企画開発チームが組まれ、そのコンセプトを日々、議論して、プレゼンテーション資料を作成しているみたいです。
これまでの話からは、社会貢献。子供への夢。人には無理な人命救助や危険な作業など。
でも、そんなことが、莫大な開発コストだけでなく、今後の維持管理コストもかかる巨大なロボットを創るという理由になるのでしょうか。
企業における社会貢献とは、まず、その業を全うして、製品やサービスなどを社会に安定供給することである。
そんな意見を、係長から課長に昇進し、さらにリーダーシップをとって、プロジェクトを推進しなくてはいけなくなった男が打ち合わせの場で、これまでのことを覆すかのように発言します。
ただ、これはチームメンバーへの警鐘も込めているようです。

チームは、この課長を筆頭に、自分にも他人にも厳しそうな女性リーダー、おばちゃんみたいに話好きな女性マネージャー。
後にヘラクレスを開発し、ある秘密技術を発明したことから様々な事件の発端になる天才的な頭脳を持つ常務の弟で、そのことに大きなコンプレックスを抱える男、コンセプト1で、何か秘密を探ろうとしている怪しげな男がディレクターとして、そして、何かと女性リーダーに対抗意識を持つが仕事ではかなわないことに、悔しさを抱えるアシスタントの若い女性。
こんな人たちが、男女の恋愛として、各々の業務使命として、互いに相手の腹を探り合う姿が描かれています。

その、時にはえげつない騙し合いや、隠し事がじわじわ明らかになり追い詰められていく感が、このプロジェクト業務と同時に、男女恋愛も同調するかのように進行させていくところが、この作品の妙な面白さのように感じます。
国家を巻き込むかのような重大な秘密を抱えるこのプロジェクトに様々な立場で関わる人たちの誇りや不安や使命感が、どこにでもある普通の社内恋愛のしがらみと同レベルで描かれているような感じです。

最後は、演劇らしいメタ的なオチをつけています。
徐々に業務も恋愛模様も深刻になっていくので、それなりに真剣に観ていたら、ズコっとなります。
まあ、全部、これまで観てきたものは、プレゼンテーションのための芝居だったということなのですが、それでも、これまでの中で明らかになった事実は、コンセプト1を観る限りでは、実はそのまま残っており、最後の最後まで、まだ騙されているような感覚を得ます。

会長の個人的な夢。国家レベルでの機密を探り出そうとしている男。窓際からの復活をかけてこのプロジェクトを遂行する男。兄へのコンプレックスに打ち勝つためにもこの業務に精を出す男。・・・
全部、言えば企業に貢献とか、社会に貢献のためとかでなく、自らのエゴであり、それを満たすために動いている人ばかりのような気がします。
企画・開発段階からこんな魂が吹き込まれたヘラクレス。
夢や希望を乗せてなんて言葉は遠い世界で、人々の執念が創り出した結晶のように見えます。
コンセプト1を観ているので、その後のヘラクレスを知っていますが、だから、捨て去ることがみんな出来ないのかもしれません。そして、ずっと、そんな込められた人の魂は、永久に様々なトラブルを引き起こす象徴として存在するように感じます。

コンセプト3は、おまけでユニット美人が終演後に登場。
この作品を彷彿させるかのような、女性の老化への不安や嫉妬感情を剥き出しにした名演でした。
とんでもないお姿を拝見することもできます。
ユニット美人といえば、昨年、楽しませていただいた三国志シリーズ。以後の観劇でも、三国志ネタが入ってもなぜかだいたい対応できるようになり、私にとっては非常に役立つ観劇でした。
本当は、このコックピットシリーズ同じく、DVD化されて欲しいなあと思っているのですが・・・

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