悪夢の六号室【ニコルソンズ】131005
2013年10月05日 トリイホール
近々、本になって、さらにはABC放送でドラマ化されるらしい。
そりゃあそうだろう。
びっくりするくらいに面白かったから。
目をつけない方がおかしい。
早々と満席になってしまい、この土曜日の夜の回だけ空いていたので、急いで予約をしたのだが、その判断能力を褒めたいところだ。
LINX'Sでの短編で面白さは確約されていたとはいえ、やはり、しっかりと本公演を観れたことは本当に良かった。
海辺のモーテルの一室。
有名和菓子屋五代目の冴えない面をしたおっさんがオカマに拉致監禁されている。
何でも、五代目の妻に殺しを依頼されたのだとか。
浮気が原因だろうか。手には枝切り鋏。アソコをちょん切って殺すと脅されている。
五代目は面白い話をするから助けてくれと懇願する。
五代目の命をかけた、面白い話、これまでの妻とのエピソードを語り始める。
妻、鮎子。
ダンサーに憧れ、いつの日かブロードウェイへと上京するも、3連続でダメ男に引っ掛かり、すっかり貯金を無くす。
そんな時に出会ったのが和菓子屋五代目で大金持ちの男。そして、結婚。
でも、幸せな時は訪れない。
マザコンの五代目はママの言いなり。
その上、嫁姑問題の相談を持ちかけた高校時代からの鮎子の親友と五代目は浮気をする始末。
落ち込む鮎子。
身内の妹と話をするものの、セレブの姉への嫉妬でまともに相手にしてもらえない。妹の彼氏はCoco壱のバイトなのでやむを得ないか。
そんな中、鮎子はある女性と出会う。ヤクザの愛人。
ヤクザの男がインポらしくて欲求不満が溜まっている。
そんなヤクザとひょんなことからいい仲に。
価値がある女。そのヤクザの一言が自分への自信を失っていた鮎子の心に響く。
そんなエピソードを語る五代目。
いまひとつ面白くないので、オカマももう殺そうとしたところに、もう一人の殺し屋が現れる。
今度はホモだ。
ダブルブッキング。どうなっているのか。
事態が掴めない五代目達の下に、次々と訪問客が現れる。
そう、エピソードで登場する、母親、ヤクザ、愛人、親友、元彼・・・
混乱するモーテルの一室。
上記したように本やドラマ化されるらしいが、ラストは色々と変えているらしい。
この舞台作品では、鮎子がこのだらしない男たちに対して、聖母の様な愛を与えるような感じで、女の慈愛、強さを引き立たせ、男の情けなさを強調させたような形でオチをつけている。
面白い中にも、真実の愛を浮き上がらせた少し感動するような話だ。
話としては2時間10分強のボリュームたっぷりだが、途中だらけないように、メリハリのある分かりやすい展開が成されている。
ミュージカル調の演出を加えたり、現役ダンサーさんの魅力を活かしたり、個性的な癖のある役者さんの見せ場を作ったりと多種多様な魅せ方が非常に引き立っている。
観終えて、満足、満足と声が出るような、抜群の面白さがある。
久しぶりに声を出して笑いそうになるくらいの、楽しい、楽しい作品だった。
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コメント
嗚呼!
観たかったあ!!
めちゃくちゃ観たかったですよ!
投稿: 石田1967 | 2013年10月21日 (月) 15時35分
>石田1967さん
コメントありがとうございます。
Twitterで人生の旅の様子はいつも拝見してますよ。
だいぶ、南下しましたね。たまに、戻って来られているみたいですが。
さすがは、石田さんと思いましたね。プロデューサーの目です。
LINX'Sで早くから、その魅力を紹介していたのですものね。
楽しませていただきました。
また、ダンサーさんが、めっちゃ綺麗だったの( ̄ー ̄)ニヤリ
お体に気をつけて、最後まで頑張ってください。
たくさんのお土産話、楽しみにしております。
投稿: SAISEI | 2013年10月22日 (火) 12時42分