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2013年10月15日 (火)

6人の悩める観客【劇団壱劇屋】131014

2013年10月14日 芸術創造館

初演を2回、拝見している。
http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2011/10/6110930-321a.html
http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2011/10/6111002-8783.html

初演と同じ劇場だし、近々、京都で公演もあるし、それなりに忙しいしで、今回はスルーするつもりだったが、またまた集客に苦戦中という噂を聞きつけ、ファンとしては少し応援しておかねばと足を運ぶ。
もうだいたい分かっているから、斬新な演出と、高レベルのパフォーマンス、演劇あるあるネタ、そして、あの方のあの姿でも拝ませていただこうぐらいの気持ちだったのだが・・・

これが、自分でも驚くほど、この実験的要素の多い作品の本質みたいなところが理解できるような気になる。
初演は、この斬新な演出に惑わされたところがあるにしても、今回はとても展開が分かりやすく、創り手側の仕掛けが伝わってくる。この劇団と同じように、かなり洗練された感じだ。
メタフィクションというか、私たち観客までをも巻き込んでしまった独創性高い演劇作品の魅力にどっぷりはまる。

すじや感想も、まあ上記リンク先と同じでいいだろう。

分かりやすく感じたのは、裸の王様の存在がしっかりしていたからだろうか。
創り手の裏側、心の奥に秘めた気持ちが、そのまま伝わってくるような存在として、うまく機能している。
王様なのに、いつも周囲を気にして、不安でいっぱい。いい政策をすればチヤホヤだけど、一度でも悪い政策をすれば、虫けら並みの扱いに変わってしまう。
そんな不条理を、辛く悲しみながらも、同時に笑い楽しまれている姿が浮き上がる。
大変だろうけど、王様の特権でもある。私たち、国民には味わえない世界だ。

音や光、身体表現、そして私にだってどこかに潜んでいるだろう感性。
味覚と嗅覚は無かったけど、そんな五感+第六感を研ぎ澄ませて、楽しんで観ているラストにそのあたりが言及されるようなシーンが展開される。
何か一つの感覚で、作品を終わらせることは出来ない。全てを融合して、あなたが観ている作品を観終えてください。そんな観劇の心得を突きつけられたようである。
同時に、この劇団はそんな感覚全てを動員して観ることで楽しませるような作品を創っていくことを宣言しているのだろうか。

作品と関係ないが、この劇団の初観劇は2009年の5月。場所もこの芸術創造館だった。確か、平日のお昼だったんではないだろうか。
あの時、全くの初見で、こんな凄い、面白い劇団があったとはと衝撃を受けたのだが、同時にどうしてこんなに客が少ないのかというのが、一番びっくりした。
面白いのに、平日にしか公演してないし、宣伝が足りないのか客も少ないしで、納得いかないので、劇団のブログに珍しくコメントを残した覚えがある。
今回の舞台となる客席には6人。確か、こんな感じでスカスカだったなあなんてことを思い出して、懐かしかった。
もう、あの頃よりかはどんどん有名になっているのに、まだまだ当日券で普通に入れてしまう。作品自体の魅力は一級品なのにねえ。ファンとしては、悩ましいところだ。

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