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2013年9月15日 (日)

悪童熱血クライシス【ぺーさん's 30s】130915

2013年09月15日 シアトリカル應典院

あまりマイナス感想は書きたくないけど、仕方ないな。
そう思ってしまったものしょうがない。嘘をつく必要もないし。

熱やエネルギーみたいな力強さは、溢れている作品なので、当然伝わってくる。
役者さんも、20代、30代の選抜された、私もけっこう好きな方々が揃っており、そんな人たちが学ラン不良姿で縦横無尽に舞台を駆け回る。そんな姿は、もちろん楽しいし、面白いという気持ちもあるのだが、総じて退屈感が残っている。
あらすじや、当日チラシの挨拶文を拝読した限りでは、単なる祭りをやろうとした公演では無いはず。
若手と呼ばれる人たち、中堅ぐらいなのかな、そんな今の関西小演劇界でご活躍の方々が、自分たちを悪童と称して、いわれの無い狩りを受けても、自分たちの守りたいもの、戦いから逃げないこと、そして、戦った相手のことも想い、分かり合えるような信念を持つこと。そんな芯のある強さを持って、この世界を背負うことの宣告のようなものをする作品だと感じている。
そのあたりが心を震わせるくらいには伝わってこず、単なる学ラン姿の不良たちのショーにしか感じられなかったといったところだろうか。

理由は色々とあるだろう。
私が単にこういった学園不良ものみたいな設定や作風が合わないのかもしれない。
話がサクサクと進み過ぎて、戦いの意味合いや、戦う者同士の心情の描き方が不十分なように感じたところもある。
一番、思うのは、自分たちが楽しみ過ぎではないだろうか。きっと、こんな学園不良ものの作品って、男はテンション上がるのだと思う。役作りをしているというより、役に酔ってしまっているようにしか見えない方が多々見られた。単なる酔っぱらいを見ても、それはさほど面白くないと感じる。
作品が単なる熱い祭りに留まってしまっているようで、演劇作品にまで落とし込めていないような感覚を得てしまったことが残念だった。

まあ、話としては、熱血高校とれいほう学園だったかな、そんな学校同士の対決。
ヤンキー狩りと称して、数々のヤンキーをボコボコにするれいほう学園の不良たち。
強い二人を筆頭に、手下たちで組織されたチーム。手下の男たちは、かつてはそんなヤンキーにやられる側だった人たち。振るわれる暴力に対抗するために強くなった。
ターゲットとするのは、熱血高校の番長はじめ、他校も含めた地元を騒がす不良たち。
舎弟やヒロインを狙うという卑怯な手段を使う奴らに、自分たちの信念を掛けた戦いが始まる・・・

キャラは、本当に暴れまくって強かったり、お調子者だったり、弱さを隠すように強がっていたり、かつて受けた暴力に執着していたり、強さを秘めて隠していたり・・・と色々。
各々の生き方。でも、みんな、誇りを持って生きようとしている。
プライド、ポリシーみたいなものだろうか。
ズレているからと言って、暴力を振るってくるものがいる。自分たちは、それから自分を守らないといけない、同時に守らないといけない人がいたりもする。
だから、強くならないといけない。
そんな、戦いの中で、己を見詰める熱き人たちの姿を描いた話といった感じだろうか。

感想は上記したとおり。
熱き姿の登場人物が、そのまま熱く舞台で駆け回って楽しませるような作品に留まっているように思う。単なるエンタメで終わらすなら、それでも結構だが。
本当は、そんな中から、今のご自分方の熱情をも同調させて感じさせるような描き方が欲しかった。

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