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2013年9月28日 (土)

。でぃっぐ【ぺんぺん種】130928

2013年09月28日 カフェ+ギャラリー can tutku

苦手なんだあ、こういう作品。
多分、凄くしっかりと出来上がっているのだと思います。
申し訳ないが、そんな風に役者さんの力が発揮されれば発揮されるほど、気持ち悪くなってくる。本当にウエッとなって吐きそうになるんですね。
人間の嫌なところばかりが浮き上がってきて。
多分、その視点だけでなく、そこから人間というものを見詰めるなんて観方も大事だとは思うのですが、この作品では出来なかったなあ。

そうか、出演される3人の女優さん、作家の方は、これまでにも違う作品で色々と拝見しているので、恐らく一癖も二癖もある異色な作品は想像していたが、こういう形で勝負してきたかあ。
決して、作品がダメとかいう否定ではなく、とにかく嫌な気分になった。
後述するが、出来ることなら、この登場人物たちの心理を観終えた後に、嫌な作品でしたみたいに全面否定せずに、作品名どおり掘り起こしてみたいというような気持ちになりたかったが・・・

<以下、ネタバレに近いところはあると思いますが、恐らく読んでも分からないと思いますので、白字にはしませんのでご注意願います。嫌とか気分悪いとか否定用語を使った感想になっていますが、作品としての魅力を否定するものではありません。これはあくまでそのまま感じた気持ちを文字にしただけです。3人の女性の生々しい感情をがっつり味わって、濃密な時間を過ごすのは一興だと思います。70分ぐらいです。私と同じように不快の限界ギリギリを彷徨うのか、そこから何か人間の正体を深く感じるのかは、観た人の性別、感性、その時のバイオリズムにも委ねられると思いますので、逆に時間あるなら、この妙な魅力を醸す作品を観てもらいたいと思っています>

小学校の同窓会を抜け出して、タイムカプセルを掘り起こしている3人。
同級生で警官となっている初恋の相手と遂に結ばれて結婚間近のミサ、将来の夢かなって小学校の先生として活躍しているカナ。
当時は才色兼備、ゆくゆくはアイドルなんてちやほやされていたアキ。今は、すっかりニートになってしまっているみたいだが。
なかなか、見つからないタイムカプセル。
でも、3人が掘り起こそうとしているのは、そんなものではない。
ここには、あの子が埋まっているはず。さくらちゃんの・・・

いじめ。
誰のせいなのか。
大人になって見かけ上、幸せを手に入れた3人は、自分の身をかばうかのように当時を振り返っていく。
やがて、掘り起こされる記憶。
教師によって受けた心の傷。逃げ遅れたカナがその犠牲になった。だから、今でもカナは・・・
いじめの実態。さくらちゃんの命令でいじめていたあの子。エミ?埋まっているのはエミ?
私たちはいつも4人だった。ミサ、カナ、エミ、さくら。アキ?そんな子はいなかった。
そう、本当のターゲットは違った。
3人が封じ込めた記憶が甦る中で、交錯する謎が浮き上がってくる。
そして、・・・

上述したように、何でか分かりませんが、このパターンは気持ち悪くなるみたいです。
まだ、ブログを書いていない頃に拝見した作品だったと思うのですが、同じように人が埋まっているところを掘り起こしながら、過去の封印された事実が浮き上がってきて、どんでん返しありのミステリーサスペンス調になっている作品で、あ~、嫌だ嫌だと思いながら帰路についた覚えがあります。
その時も、女性の嫌な生々しさに、えげつないなあと思ったような気が。何か感情があからさまで不安感を煽るんですよね。

この掘るとかいうのが、こちらの心の深層をえぐるみたいに感じられて、防御反応が起こるのでしょうか。
自分にも何か、そんな掘り起こされると困ることが実はあるのかなあなんて思ったりもします。
何か怖いのです。

例えば、最近拝見したくじら企画のドアの向こうの薔薇なんて作品は、犯罪者心理を次から次へとえげつなく描くので、少し感覚は似ているなあなんて思いながら観ていました。この作品もラストが薔薇の花びらで覆い尽くされるので、今回のさくらの花びらの描写と似ているなあなんて感じます。
でも、そこに、ドアの向こうの薔薇は全てを浄化するようなことが心に伝わるのだが、この作品の場合は、それが血とか全てが散って終わるみたいな絶望しか感じないようなところが厳しく思うのだろうか。
少なくともこうして、感想を書いていて、彼女たち3人の心理を否定せずに見詰めてみようといった気持ちにはなれない。掘り起こして、変な物出てきてしまったから、またすぐに埋めようという感じで、奇しくも、この作品で
自己防衛に走った女性がしようとする行動と一致する。
このあたりが、何か自分も責められているようで、おかしな感情移入が入るのかもしれない。
まあ、苦しい観劇だった。
見た目は可愛らしいお三方なんだけどなあ。やっぱり女性だね。

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演劇」カテゴリの記事

コメント

お早い感想ありがとうございます。

気持ち悪くてお客さんが立ち上がれないような作品を作りたいというのが当初の目的でした。
目論見は成功です、かね!

毎度毎度ご来場ありがとうございます。

投稿: 西田美咲 | 2013年9月28日 (土) 23時51分

>西田美咲さん

公演のお忙しい中、コメントありがとうございます。

生々しさをしっかり魅せた異色作でしたね。
私達の種が、お客様の心を満たす花を咲かせられますように。
なんて、劇団のキャッチフレーズでは書かれていますが、ずいぶんと気持ち悪い花を咲かせられたものです(゚ー゚;

この劇団含め、色々な作品の中で益々、ご活躍ください。

投稿: SAISEI | 2013年9月29日 (日) 11時27分

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