月夜の日日と永遠の街【ロヲタスハイブリッド劇場】130821
2013年08月21日 インディペンデントシアター1st
夢よりはかなき世の中を、嘆きわびつつ明かし暮らすほどに・・・
和泉式部日記の冒頭文をイメージさせるような、夢幻のような不思議な世界が出来上がっている作品。
恋多き女性として揶揄されることが多いみたいだが、愛する人を亡くしたり、許されぬ恋に苦しんだりと、本当はそんな恋の儚さやむなしさの中で、月明かりのように、自分を本当に優しく包み込んでくれる愛を求め続けていたのだろうか。
この作品は、そんな和泉式部が生前と変わらぬ、自由奔放に恋に正直に生きる姿で1000年という永遠ともいえる時を彷徨いながら、迎えた一つのゴールが描かれている感じである。
それは時を越えても変わらぬ、恋のロマンチックなところが浮き上がってくるようで、何か温かい気持ちになる。
元町地下街。
和泉式部の恋人の小姓で1000年生きてきた天狗と呼ばれる男。
和泉式部の書いた日記の登場人物である。
永遠の生の呪いを解くために、その日記の原著を探し、自分の名前を消すつもり。
それが、その地下街にあるのだとか。
空を飛びたいという女の子と一緒にそんな地下街に足を踏み入れる。
バー。
春画使いの大佐と呼ばれる初老の男に行き方を聞いて、二人は不思議な世界に迷い込む。
酒豪の小野小町。
こき使われる柿本人麻呂。
六歌仙トップ、 大伴家持が企画する100物語。
そんな中、あの和泉式部と小姓は出会う。彼女もまたずっとこの時を彷徨い続けていたらしい。
あとは、よく分かりません。ダラ〜っと観ていたので。
ウトウトしたので、だいぶ記憶も飛んでいます。
と言っても、小姓は真面目一辺倒の男なのですが、巧妙な口調でちょっと気の抜けた毒や自虐を絡めた言葉を発するので、ところどころ笑いはあります。
他の登場人物もかなり個性的に描かれており、そのあたりを活かして、決して淡々とした退屈な流れにはならないようにしているみたいです。
何か、言うことを聞かないと小姓は食べられちゃうみたいな流れになって、色々な要望を叶えるべく奮闘する小姓の姿と、本当の和泉式部日記の内容を回想するシーンを交えながら、話は展開していきます。
和泉式部は全てを捧げるような愛の形を求めていたのでしょうか。そして、決して自分よりも先に死んで、自分が悲しみの歌を唄わなくていいような。
生前の恋の愉しみと同時に悲しみ、つらさを知っている人だからこそ、この永い時の中で、本当の愛を探し求めていたような感じです。
小姓と行動を共にする空を飛びたいという女の子は、純粋そのもののような感じで、何やら魔性の女とも言われた和泉式部の性的な部分を取り除いた分身のようなイメージです。
小姓は女の子と共に行動することで、和泉式部の生前見えていた女の部分だけでなく、自分の見えていなかった女の子の部分も見出したようなところでしょうか。
そんな和泉式部を一人の女性として、しっかり見詰めてあげることが出来るようになった時、1000年もの間求め続けた本当の永遠の愛を二人が手に入れたような結末で話は締められているようでした。
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