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2013年7月11日 (木)

INDEPENDENT:13 トライアル 130710

2013年07月09日 インディペンデントシアター1st

昨日に引き続き、残り7組を観劇。
(昨日の感想:http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2013/07/independent13-1.html

・「シロとクロ」 米山真理さん(彗星マジック)×勝山修平さん(彗星マジック)
①○ ②○ ③○ ④○ ⑤○ ⑥○
<2位予選突破、おめでとうございます>

クロと過ごした日々。
共に走った河川敷。光の速さで移りゆく景色。
クロがいなくなった後も、その姿はシロの心にいつまでも焼き付いている・・・

昨日から観ているこの公開プレゼン。ようやく投票用紙に○を付けれました。それも、何の迷いもなく。
テンポのいいリズムに合わせて発せられる言葉たち。そこから美しい情景が映し出されるようです。
そして、熱のこもった、心から言葉を吐き出す米山さんの姿は優しく、美しく。
15分間の素敵な時間。
文句のつけようがない作品でした。
まだ何回も何回も観たい、もっともっと長い時間、この素敵な空間を味わいたい。そんな気持ちを込めて、祈るように投票しました。

・「YAH YAH YAH~歌謡曲で描くボクの愛」 木下健さん(短冊ストライプ)×中村桃子さん(桃花舞台)
①○ ②× ③× ④○ ⑤× ⑥×

罰ゲームで負けたので食事に誘っても、付いて来てくれた女性との悲しいデート。
夏の海での、哀れなナンパ。
女にモテナイ。芝居が大好き。そんなモテナイ男の切なくも熱い語り・・・

そんなことを色々と告白されても、知らんがなって感じだろうか。まあ、どこか惹きつけられる楽しそうな人ではあったが。
一人芝居の伝説的なチェリーボーイネタの田渕彰展さん(北京蝶々)の二番煎じのイメージは拭えず。
そして、歌謡曲と合わせるという点がほとんど活かせていないように感じる。

・「僕の曲がり角」 周藤寿英さん×大西千保さん
①○ ②○ ③○ ④○ ⑤○ ⑥○
<1位予選突破 おめでとうございます>

追われる小学5年生の男の子。
家庭科部を辞めて、サッカー部に入って、単純な女たちにモテモテだったあの頃。
でも、小学生5年生になってから、転校を繰り返すことに。
なぜかその度にずっと小学5年生のまま。その理由が両親の死と共に明らかになる。
人生の曲がり角を何度曲がっても、繰り返される日常。
そんな彼が最後に行き着いた先は・・・

本選に行く可能性が極めて高いと判断し、あらすじを抑え目に書きました。
実際に小学生だと聞いていますが、そこを活かした脚本になっており、その構成も見事なものでした。
15分で綺麗に話をまとめており、既にしっかりと完成した作品に仕上がっているように思います。
本選に出場できれば30分。この完成度を維持したまま、さらに発展していけるような話です。
何だったら、普通の2時間ぐらいの公演にしたって、面白いんじゃないかと思わすくらい。
こんな、まだまだ広がりを秘めた作品。そんな作品を演じるのにふさわしい、同じく広がりを秘めた魅力を発揮する周藤さん。
メリハリがしっかりついており、おちゃらけるところは緩ませ、心からの気持ちを溢れさせる時は、緊張感をもって真剣に。素晴らしいの一言でした。

・「缶詰」 早川紗代さん(ノアノオモチャバコ)×寺戸隆之さん(ノアノオモチャバコ)
①○ ②× ③× ④○ ⑤× ⑥×

テーブルの上のラベルの無い缶詰、缶切りを前にして、内容物を想像したり、開けようかどうか迷ったり。
缶詰の歴史と自分自身の人生を照らし合わせてみたり・・・

開けてみないと中身が分からないけど、色々と詰まっているであろうラベルの無い缶詰。その缶詰の歴史は長く、人々に大きな影響を与えてきた。
まだ、ラベル同じく、何の肩書も無い私だけど、もちろん歴史も缶詰に比べれば全然無いんだけど、開けてみませんかといった感じだろうか。
2番目に演じられた木下さんと全く同じ評価をしている。
ご自分の芝居に対する気持ちを、何らかのシチュエーションの中で独白するといった系統の作品。役者さん自身の魅力はあるので、独特の世界観が舞台に創られる。でも、そこから、何かが無いと演劇作品としては成立していないように思う。それか、突き抜けた人としてのオーラを発揮させるか。

・「かぐや姫」 長光麻紀子さん×伊藤えん魔さん
①× ②× ③× ④× ⑤× ⑥×

狭い竹の中に身を置くかぐや姫。
竹取のおじいさんと出会い、育ててもらい、恩返しに黄金が出る竹を教えてあげ・・・
やがて、年ごろになり、5人の男とお見合いをし、各々に命題を渡し・・・

かぐや姫をパロっているというか、そのままである。
マニアックで、シュールなネタを散りばめ、話は展開する。長光さんが、ちょっと天然っぽい感じのオーラがあるので、そのネタとうまくマッチしている。
楽しい作品ではある。
酷評しているのは、全てにおいて無難にまとめたような感じにしか思えなかったから。
偉そうに書くが、これでは予選突破はまず出来ないと思う。
トライアルを拝見するのは今年で3回目だが、何でもいいから思いっきり突き抜けたところが無いと予選突破するのは難しい風潮がある。
安定した無難な作品は、通常の公演で拝見するときは、高評価も得られるのだろうが、このトライアルは少し、趣きが異なっていることは初めて拝見した時から強く感じている。
優等生は評価されない。思いっきりのある劣等生が評価されるといった感じだろうか。
そして、思いっきり突き抜けたところを15分でPRするのには、一番笑いが最適だということもあるようだ。

・「だるがりニートと獅子の皮」 真壁愛さん(ミジンコターボ)×片岡百萬両さん(百萬両ジェントルマン)
①○ ②× ③× ④× ⑤× ⑥×

ドリンクバーで先輩と話しているニートの男。
体使うの嫌、頭使うの嫌、話すの嫌・・・と全く仕事をしていない。そんなところに愛想をつかれたのか、先日はプロポーズした女性にふられている。
先輩に仕事を紹介してもらい、そこに向かうのだが、そこは動物園で・・・

どこかで聞いたことがある話だったな。思い出せないけど、再演ではないよな。
ダルダルのニートを演じる真壁さんの雰囲気はいい。語りのテンポもよく、観やすかった印象は残る。
ただ、もう少し、そんなキャラを活かして、ポイントポイントに大きな笑いどころを入れ込んで欲しかったな。
ふ~ん、面白い話だねぐらいで終わってしまった。

・「SNSの害について」 有元はるかさん(シアターシンクタンク万化)×福谷圭祐さん(匿名劇壇)
①○ ②× ③× ④× ⑤× ⑥×
<1位予選突破 おめでとうございます>

上司の代理で発表することになったSNSの弊害をテーマにした講演。
上司の用意したテキストに従って、発表を進めていくが、会場にはおよそSNSからは遠いところにいるご老人ばかり。
講演を押し付けられたいら立ちと、実際にSNSにありがちなイライラネタを交えながら、毒のある語りが・・・

役者さんの魅力だけで勝負したような感じか。
話自体はネットあるあるみたいなだけにしか受け取れず、あまり面白味は感じない。 脚本にも大いなる期待をしていたので、評価は低い。

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