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2013年6月23日 (日)

オレンジのハイウェイ【月面クロワッサン】130622

2013年06月22日 元・立誠小学校 音楽室

ハイウェイで出会った男女。
夢もあるけど、不安もある。
それでも、前へと向かって走っている。
そんな各々の想いがある一つの形を創り上げていく。

作品名からイメージできるように、疾走するようなスピードとテンポで話は展開し、その中で、未来へ向けて成長しようとしている自分たちの想いを伝えているような話だった。

<以下、ネタバレ注意。パッと読んだだけでは分からないような稚拙な書き方なので大丈夫だとは思いますが。緻密に計算された構成もこの作品の大きな魅力の一つです。そのため、白紙状態で観た方がより楽しめると思います。公演が京都は月曜日まで、大阪で7/13・14とあり、戻すのを忘れるので、白字にはしていません。重々、ご注意いただくようにお願い致します>

真夜中のハイウェイ。
他の車は全く走っていない。
もうすぐ大学を卒業する予定の男二人が車を飛ばす。
ガソリンが切れそうだ。次のSAまで急がないと。
明日の朝にはレコード会社のオーディション。うまくいけば、プロデビューの可能性だってある。
遅れるわけにはいかない。
二人はテクノポップのミュージシャンを目指しているみたいだ。もっとも、一人の男は、相方には黙っているが、実は就職先を決めており、迷いが生じている様子。それだけに、今回のオーディションが大きな分岐点になると考えている。
急ブレーキ。突然、近くからあがった花火。
高速道路にしばらくたたずむ二人。
昔、作って、ネットにあげたけど、下ネタばかりで視聴者数3とかいう、正に自分たちの黒歴史であるラジオのことなんかを話しながら。

そこに後続車が。
パンクした車。何かを踏んでしまったらしい。
降りてくる怪しげな男4人組。
ナンバープレートも外している。警察を呼ぼうとしたら止められる。
盗難車、犯罪、死体遺棄・・・
どう考えても、付き合っていたら、何か変なことに巻き込まれそうだ。
疑いの目を向けて、この場を去ろうとする二人に男たちは自分たちの計画を全て暴露する。
ラジオジャック。
男たちは普通のサラリーマンの営業。
日々続くルーチンワーク。
何か面白いことしたい。自分たちの想いを伝えたい。それも、Twitterやブログのように文字媒体じゃなくて声で。

車が壊れてしまっては、どうしようもない。
車を貸して欲しい。
近くのSAまで、機材と自分たちを乗せて、そこでラジオジャックを手伝って欲しい。
男たちの申し出に、時間は無いけど、二人はのることにする。
面白いことしたいという言葉には弱い。自分たちもずっとそうだったから。

真夜中のハイウェイ。
他の車は全く走っていない。
大学を卒業したばかりの女性二人が車を走らす。時速80km、安全運転で。
久しぶりの二人での旅行。これで、しばらくは出来ないかもしれない。
一人の女性は、会社を半年で辞めて、海外で生活することを決めている。
もう、なかなか会えないだろう。
車の中で、思い出話。
同じサークルの男たちが作った下ネタだらけのラジオ。ネットにあげたけど確か視聴者数8だったとか。さすがに恥ずかしかったのか削除したみたいだけど。
今はどうしてるんだろう。ピンとこないバンド名で色々と試行錯誤してやってたみたいだけど、音楽続けてるんだろうか。
急ブレーキ。突然、近くからあがった花火。
綺麗。どこでやってるんだろう。かなり近いみたいだけど。
高速道路にしばらくたたずむ二人。
危ないから、もう行かなくっちゃ。
次のSAで休憩を取ろう。

SAで休憩する二人。
怪しげな車を発見。ナンバープレートが外してある。
乗っている男は何人だろう。4人ぐらいか。
盗難車、犯罪、死体遺棄・・・
どう考えても、関わったら、何か変なことに巻き込まれそうだ。
逃げようにも、SAを出るのは、その車の前を通らないといけない。
今は、おとなしく車の中で待機しよう。

花火が打ちあがる。
ラジオジャック開催の合図だ。
Twitterやブログ、使い方が分からないので意味の分からない記事ばかり載せてるけど、一応Facebookで、みんなには告知してある。
先ほどまではジャズが流れていたラジオから、サラリーマンDJの声が聞こえ始める。
あらかじめ集めた上のようなSNSのコメントに対し、熱く自分たちの想いを語り始める。
バックミュージックは、もちろん、ミュージシャンの二人の創った音楽を・・・

なるべくネタバレにならないように書こうとすると難しいですね。
仕方ないので、はっきりと書いてしまいますが、時間軸を巧妙にズラしています。
男二人と女二人の。
色々なキーワードの積み重ねでその構成が分かるようになっています。

大学生活が終わりに近づき、就職、自分の音楽という表現の道を進むという分岐点に差し掛かっている男二人。
大学を卒業し、就職先でなんかしっくりこないけど、そのままやっていこうとしている女、早くに見切りをつけて、新しい道を進んでみようとしている女。
就職して、もう数年。このままでいいのかなと疑問を感じながらも、日々過ごしている男四人組。
みんな走っている。それぞれの時代で、それぞれのスピードで、それぞれの荷物をトランクに載せて。
面白いことをしたい。自分の想っていることをみんなに伝えたい。そして、そのことを通じて、もっともっと自分は成長していきたい。
真夜中の他の車もあんまり見かけない漠然とした不安が漂うハイウェイで、走って、立ち止まって、トラブルにあったり、後戻りしたりの中で、そんな想いを持つ者たちが出会う。
そこで、自分たちの想いを託せるあることを行う。ラジオジャック。
そして、再びみんな走り出す。また、いつか、今度はもっと成長した自分たちになって、そのラジオジャックをするために。
といった感じだろうか。

感覚的には若い方で創り上げられているこの劇団の姿そのものを描いているところがあるように感じる。
少し違うところもあるが、ミュジーシャンの男二人は役者さん含めた劇団そのもの、男四人組は劇場、又はスタッフの方々、リスナーはもちろんだが、女性二人も、そんな劇団、劇場を見守る客といったイメージを抱いた。
自分たちの想いをある表現形で発信する人、その想いに賛同して発信する場を創り上げる人、その発信を受け止める者が全て揃わないと、公演みたいなものだろうか、ラジオジャックは成り立たない。
そして、その公演を通じて、みんながまた、各々の道を走り出す。
今度、また出会う公演では、互いに何か成長した姿で。

ハイウェイをみんな走っている。時間はどんどん過ぎ去る。進む先は前、未来だろう。
でも、その進み方は紆余曲折。
この作品のように、立ち止まって、人と自分を比べて、パッとしない自分に気付くこともあるだろう。
何かを踏みつけて進めなくなって、誰かの手助けを借りなくてはいけない状況だってある。
一度、見直すために逆走して来た道を引き返す。そこに、何も見つからないなんてことも。
途中、こんなラジオジャックで、自分たちの想いを確認する楽しい時間。
でも、どんな時でも、ずっと立ち止まっているわけにはいかない。
人によってスピードは違う、目的地も違う、背負っている物も違う。一人っきりの時も、助手席に人がいる時も。
それでも、今から先の未来に向けて、自分たちはそのアクセルを踏み続ける。
そんなことを感じた。
そして、同時にハイウェイをテーマにするのが若いなあと。
前へ進む時は、疾走するってイメージなんだろうな。
私なんか中年は、前へ進むと言っても、歩を進めるみたいな、ゆったりじっくりみたいなイメージしか持てないから。少なくとも前へ進んで生きるということに、ハイウェイを走るという感覚は全く無かった。

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