おぼろ≪月version≫【STAR★JACKS】130617
2013年06月17日 江坂スペース・シアター
星versionに続いて観劇。
(星versionの感想:http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2013/06/starjacks130613.html)
観終えて、何か複雑な気持ちになってしまった。
もう観ることはできないとか、もう一度ずつ、各versionを、せめて最初に観た星versionを観たかったとか。
日程調整を先週の初日の時点で、もっとうまく組めば良かったとか・・・
楽しくて最高だったという気持ちより、そんな悔いの方が心の中で大きくいるような感じだ。
観劇する人しか分からないだろうが、いわゆる祭りと称する同一公演で何回も観に行くということを決行された方も多いと聞く。
終わってさみしい気持ちは、きっと私よりも一際大きいだろう。
もちろん、最高だったことは間違いなく、ここにそう記しておく。
まあ、一期一会だから、仕方が無い。
たった2回しか観られなかったが、楽しい時間を過ごせたことに感謝するばかり。
星versionで感想はほとんど書いてしまったので簡単に。
観るのが2回目なので安心した余裕の気持ちがあることや、千秋楽ということで様々な点でブラッシュアップされていることがあるのか、さらに魅力溢れる作品になっていた。
私の中では、もう最高峰に到達している作品だ。
versionによって異なるキャストは、おきよちゃんと月からやって来た少女たち。
おきよちゃんを稲野杏那さん(キャラメルボックス)、少女を澤井里依さんと上野みどりさんが演じています。
どこがどうとかは書けないが、やはりversionで雰囲気は異なる。
おキャンなおきよちゃんに、天真爛漫な少女たちというキャラ設定は間違いなく同じなのですが、役者さんご自身の個性が活かされた形になっているみたいです。
何とか感じたこのversionの違いを記そうと思っているのですが、やはりどうにもうまく書けない。
星と月という言葉が結局、当てはまっているような気がする。
あくまで感覚的ではありますが、おきよちゃんの明るく元気いっぱいのおキャンな中にも、夢見る楽しさ溢れる星、どこかしっとりした寂しさを残す月。お姉さんのような星、お母さんのような月みたいなものが感じられました。
少女たちも、天真爛漫でかつての地球に憧れを抱きながらも、それを好奇心の強さとして見せて、新たな星へと自分たちの住む月をしていくような星、地球へのノスタルジーを感じさせ、かつての地球への懐古主義を見せているかのような月といったところでしょうか。
自分たちが今、暮らす場所、月。
常に地球に寄り添っていたその月で、かつての地球に想いを馳せながら、その地を変えていく月version。
地球への想いを胸に秘めて、宇宙の中の新しい星を目指していくような星version。
何となく、そんなイメージです。
あらためて、やはり印象に残るのはラストの雪降る中の大立ち回り。
あまりの迫力に圧倒されます。ドヰタイジさんの男っぷり。興奮しますね。
死なないで、生きて。おぼろ小僧とそう約束したおきよちゃんと少女たちの想いが、そのまま観客の心の中にも芽生え、おぼろ小僧を真剣に見守る。
私たちも、おぼろ小僧の歴史の一幕の生き証人であるかのような錯覚を起こす舞台への引き込み方でした。
ところで、ずっと普通におぼろ、おぼろって書いていたけど、作品名の意味は何だろうか。
もちろん、おぼろ夜、おぼろ月なのだろうが。
よくよく考えればおぼろ月の季節は春で、雪降る冬じゃないし。
おぼろ小僧のお花への涙がその月を霞ませているのでしょうか。
お花、オハナ。ハワイの言葉で家族という意味だそうです。
霞んだ先に見える月には、お花がずっと夢見た家族の姿が、はるか未来まで、星を越えて繋がれている。そんな人間たちへの尊き想いが、希望となって、今を生き抜くと決めるおぼろ小僧のラストの姿に表れているようでした。
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