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2013年6月10日 (月)

高間家 平井家 結婚お披露目パーティー【笑の内閣】130609

2013年06月09日 京都大学西部講堂

笑の内閣主宰、高間響上皇と、普通の方、平井ゆき枝さんの結婚披露宴に参加。
新郎新婦の招待客が先に食事会をされている中、一般の客が途中から合流する。

何か事件が起こりそうだ。
傲慢不遜な言動を普段からしてしまっている高間上皇。誰かに恨みをかっていてもおかしくない。
そんな恨みをもつ者たちが、花嫁を拉致したりしたら・・・
目の前にはなぜかプロレスのリングがそびえている。

以下、そのレポ。
感想は人の披露宴だからおめでとうしか言うことはない。
ただ、アホでかっこいい人たちが揃っている。素敵な人たちに囲まれての披露宴。
幸せな気持ちと共に、笑の内閣を中心にする京都演劇界の力強さを感じる。

会場の京都大学西部講堂。
吉田寮同じく、一度行ってみたかったところ。結婚披露宴だから、道案内があると思いきや、まあ場所が分かりにくい。
大きな花束を抱えて、明らかに周囲と違和感のある女性の跡をつける。
受付の方々はさすがは披露宴だからか、まずまずの正装。いつもより、礼儀正しく丁重な挨拶で客を招き入れる。
既に会場内では新郎新婦の招待客が食事をされているらしく、業者の車から、料理やケーキが運ばれている。本当に結婚披露宴をここでしているんだなあと改めて感じる。
嵯峨シモンさんが、何やら見たことのない武器を片手に、やって来る客を威嚇。
まあ、さすがは高間響さんの結婚披露宴なので、狙ってくる奴らも本当にいるかもしれない。護衛ってところか。

会場は真ん中にしっかりリングが組まれている。
本当にプロレスをするみたいだ。
奥は招待客の方々。ご親族だろうか、正装して食事中。可愛らしい子供もいたりして、いかにも結婚披露宴らしいなごやかな雰囲気。
この雰囲気を入ってくる私たち客が徐々に壊していく。

新郎新婦はいったん退席される。
高間さんはもちろん正装。普段の公演でも、いつも受付でけっこう正装で客の迎え入れをされているのであまり違和感は無い。
新婦の平井ゆき枝さん。お世辞とか抜きで普通に綺麗な方。結婚式の新婦は5割増しで綺麗になると教えられているのだが、それを考慮にいれても十分過ぎるだろう。幸せな方だ、高間さんは。まあ、他で苦労をいっぱいされているんだろうが。
司会は四方香菜さん。ラジオでご活躍だけあって、流暢で綺麗な響きの声で注意事項を述べられる。従おうって気になる。
これから始まるプロレスでの司会というか、実況は本宿渋味さん、木村直幸さん(かちんこちんこ)。
解説が向坂達矢さん。
知り塗りの顔。京都ロマンポップでよく見る姿だ。
プロレス公演では常連のメンバーらしく、個性が強そうな3人の割には、掛け合いが非常にスムーズ。以後、本当に実況をされる時でも、違和感なく試合を見ながらその実況解説を聞くことになる。
拍手やコール、ブーイングの練習をみんなでする。
台本が無いのか、段取りが不安みたいで、この方たちが述べる注意事項とかは怪しい。とりあえず、聞き流して、四方さんの言葉だけ信じることに。

披露宴が始まる。
神父と共に、新郎新婦入場。
神父は沢大洋さん。ピッタリ。
全員起立。讃美歌312番斉唱。
誓いの言葉。少し噛んじゃう神父だが、まあご愛嬌。仕方が無い。だって、神父じゃないもの、この方。熱のこもった熱い芝居される面白い役者さんだから。
そして、誓いの口づけを。

その瞬間、会場内にいきなり現れる女性とその手下たち。
ピンク地底人2号さん(ピンク地底人)だ、いや、五藤七瑛だ。
新郎新婦は、まだお付き合いをしていた頃、一度別れている。
よりを戻して、今回の結婚にまで発展したのだ。
その別れていた間、寂しさからか高間は七瑛に手を出し、結局は七瑛を捨てた。だって、新婦の方が安定した職に就いていたから、お金もあったし。
許せない。七瑛の気持ちももっともだ。
新婦は手下によって強奪される。もちろん、丁重にだ。言っても一般の方な上に大事な新婦。怪我でもしたら大変。手下も心得ている。
返して欲しければ、私の手下たちとプロレスで勝負しなさい。
一度でも勝てば、新婦は返しましょう。
勝ち誇ったように言う七瑛。
どうしたらいいんだ、悩む高間に、俺がやろう。そう叫ぶ声が聞こえる。
かくして、ここに披露宴なのになぜかプロレスを観ないといけない不思議な公演、いや、高間が新婦を救い出すための戦いが始まる。

1試合目。
七瑛軍は、瑞慶覧長空さん。竹刀を持った悪そうな男と一緒に入場。本人も奇抜なピンクの髪の毛に顎鬚。悪そうだ。
高間軍は、ドス・ミサワ。マスクマン、清水航平さん。
瑞慶覧はさほど悪くない。せいぜい、金的をちょっと狙うくらい。鎖を腕に巻きつけて相手を殴ったり。でも、自分もけっこう痛いらしい。レフリーにもそれほど悪さはしない。レフリーは野口雄輔さん。以後もずっとこの方。実は一番大変かも。
お付きの悪そうな人も秩序を持って悪さをする感じ。キャラが定まらないようだ。何でも腰を最近痛めてしまったらしく本調子では無いのか。
ドス・ミサワもあんまりマスクマンらしくない地味めな技でじわじわ攻める。
何か攻防を続けている間に、二人の本当の敵は作道雄さんみたいな感じになって、よく分からんけど、接戦の末、ドス・ミサワ敗退。
緊張から解放されたのかようやく悪っぷりをリングで醸す瑞慶覧と付き人。

いきなり負けてしまい、意気消沈の高間の下に居酒屋感覚で現れた一人の男。
クールキャッツ高杉さん(イッパイアンテナ)。
高間とは、同じコメディー劇団として、そして、色々とパクっている劇団として仲良し。
彼は強い。
これならば。
ちょっと、分が悪いと感じたのか、七瑛はハンデを求める。
岡山出身の5人組と戦えと。

2試合目。
まず現れたのは定番の桃太郎。伊藤純也さん(劇団オレと松本)。
プロレスじゃなくて、桃鉄で勝負しようとする。冗談じゃない。一撃。弱い。瞬殺でリングを後にする。
次はジャージを来た男、HIROFUMIさん。何を掛けているのかジャージー牛乳なんて飲むからお腹の調子が悪くなって、トイレに駆け込むことに。
今度はマスカット姿の女の子。金原ぽち子さん。可愛らしい姿とは裏腹に、何か鎌みたいな物を持っている。マスカットを食べて相手を誘い出し、相手のあそこを切り取ってしまう。そして、マスカットみたいに食べてしまう。でも、クールキャッツの方が一枚上手だった。ビー玉をあそこに仕込んでいたらしく、あえなく、敗退。
お次はトマト銀行のどっかの支店長。髭だるマンさん(劇的細胞分裂爆発人間 和田謙二)。
礼儀正しく見せかけて、持っていたトマトで相手の目を潰す。ちなみにトマトをリングに投げ込む秘書の小林まゆみさん(KAIKA 劇団会華*開可)は、この日誕生日。自分もテンション上がって、トマトジュースをかぶり、様相はボロボロだが、圧倒的に有利。
しかし、とんでもないキャラが現れる。キングボンビー。合田団地さん(努力クラブ)。まだ桃鉄が続いていたらしい。銀行マンとして一番恐ろしい、破産に追い込まれあえなく敗退。ちなみに一瞬だけ貧乏神が登場する。笑いを一切かっさらうことなくさみしく退場。川崎一輝さん。久しぶりに舞台で拝見したのに。
最後は、あの八墓村の犯人。日本刀に、ちょっと違うが頭には懐中電灯。これはなかなか期待大か。懐中電灯で目をくらませ、刀で切りつけてくる。さすがの高杉も防戦一方。まあ、刀は京都ロマンポップの小道具で偽物だが。
でも、相手は結核。せき込むところを容赦なく打ちのめす。ようやく反撃と思ったら、会場に呪いが掛けられる。次々に誰かが死ぬという。まずは照明さんが殺られた。会場は真っ暗。このままでは、また誰かが死ぬ。高間に不戦敗という形が要望されるが、照明ぐらいは代わりがいるからいいみたいだ。代わりの照明さんがやって来て明るくなったし、試合続行。次は、会場入口付近の女性が倒れる。次なる呪いの犠牲に。
高間が即刻、不戦敗を申し入れる。新入団員だったらしい。
身内を殺されてはかなわないといったところか。

ちょっと危ないところだった七瑛。
私は生まれた時から地底人。
おかしなことを急に言い出す。まあ、確かにピンク地底人だが。でも、ピンク地底人とやらだったら、こんなところに本当はいないはずだが。公演をどっかでしてるはずだ。
友達に金星人がいるとか。
次の相手は、そいつらしい。一人じゃ心もとないので、会社の後輩を連れて来ている。
だったら、こちらも本格派の二人を用意しようと高間。

3試合目。
やたら礼儀正しく腰の低いピンク金星人3号、浪崎孝二郎さん。その後輩、グレイブディガー、ちっくさん。何の関係も無いのに連れて来られたからだろうか。めちゃくちゃ凶悪な顔をされている。
高間軍は、本格派女性レスラー、マリイ・ジョー、藤井麻理さん。綺麗なお姿に、力強い技。うん、笑の内閣、初期のDVDで拝見したことある。そして、タッグ組むのが、リッキー・クレイジー、嵯峨シモンさん。受付にいた人だ。武器は持ってない。置いてきたんだ。
かなり本格的な戦いが繰り広げられる。
うわっ、あれは本当に効いてるだろうってぐらいの真剣勝負。
戦っているうちに、だんだん金星人のキャラが変わってくる。
ずっとスーツを着ていたのだが、暑いのか、どんどん脱いでいく。どうも、その下に赤いランジェリーを着けていることがバレてからだろうか。礼儀正しさが無くなり、凶悪に。そして、同時に少し変態に。
ちなみに脱いだスーツは、リング下の七瑛がきちんと受け取り、簡単にたたんでパイプイスの上に汚れないように置いている。パイプイスも借りていいかと、飲み物販売の女性にきちんと聞いてから使用。きっと、この方は悪くない。悪いのは高間なのだろう。
そして、金星人に呼応するかのようにちっくも服を脱ぎ、最大の力を発揮。
力及ばず、マリイとリッキー、敗れる。

もうダメじゃないか。次々に仲間を失う。妻はもういいか。劇団も大事だし。
弱気になる高間を諌める者が。しゃくなげ謙治郎。戦いましょう。
グダグダやっていても仕方が無い。
決着をつけよう。次が最終勝負。
そうそう、この時点で、もう終演予定時刻は余裕で過ぎそう。次の予定もあるから早く決着をつけてくれ。
そんな私の願いは関係なく、最後の決戦が始まる。

4試合目。
七瑛軍は、グレートティーチャーヒゴハシ、肥後橋輝彦さん(京都ロマンポップ)。クレイジー・キラー、高田会計さん(京都ロマンポップ)。
対する高間軍は、しゃくなげ謙治郎さん。そして、いつの間にやら無言で現れていたデルウィーシュ・アル・ダヒカ、由良真介さん。
ヒゴハシの先生ネタを絡めて発せられるダイナミックな技。吠えまくっている。
クレイジーの大きな体を活かした重たいダメージを与える技。威嚇していた背中の入れ墨は消えてきているが。
しゃくなげの日本伝統のキレのある柔道技。熱血青春ドラマみたいな熱い姿を見せている。
デルウィーシュのスピード感のある軽やかな動きから発せられる数々の技。紙みたいにふわっと、飄々と動き回る。ところどころで、目立たず、相手にリング外でやられたりしているが。
互角の戦いだが、体力は七瑛軍の方が有利か。
じわじわと高間軍は追い込まれている印象。

もう辞めよう。こんなの無理だ。そう決断しようとする高間。
降参を宣言しようとしたその時、時間が止まる。
現れる一人の女性。のるてちゃん。高間を一躍有名にした、あの非実在少女の冷泉のるて。もちろん、伊集院聖羅さん。
あなた自身が戦いなさい。彼女の魔法で高間はすっかり強くなる。
あの線の細い高間が、次々にヒゴハシ、クレイジーを投げ飛ばす。
でも、それはわずかの時間だった。そう、魔法少女の魔法は地球ではほとんどもたない。
ボコボコにされる高間。しゃくなげも、デルウィーシュも倒れて動けない。
七瑛の声が響く。
降参しなさい。あなたはいつも自分が結局大事なんだから。
高間は答える。
確かに私は自分が大事。でも、残念なことに欲張りでもある。
だから、劇団も仲間も、そして、何よりも妻が大事なのだと。
自分は全てを手に入れる。
高間は傷ついた体で、今度は魔法の力も何も借りずに相手に立ち向かう。
そんな高間の下に、これまで戦った仲間たちが再び集い始める。そして、結婚式定番ソング、乾杯を歌うことで、高間に力を与える。唄うのはリッキー。決まっている。かっこいい。
リングでは、高間を始め、全員が最後の力を振り絞って戦いを繰り広げる。
そして、会場のスクリーンには、高間が演劇をする中で、妻が自分にとって大切な存在であることに、一度別れて気付いた。だから、結婚し、あなたと共に生きていくという感謝と決意の言葉が語られる。そして、同時に新婦からも、そんな高間を信じて、天才、高間と共に一生を過ごすという返事を通じて、高間への愛情が込められたメッセージが読み上げられる。

体は弱くても、高間の覚悟した熱意には誰もかなわなかった。
激闘の末、スリーカウントを奪ったのは高間。
喜びあふれるリング。でも、七瑛は納得できない。高間だけ幸せになって、自分は・・・
そんなところに一人の男が現れる。
どす恋♥太郎。七瑛の元カレ。
何かよく分からないが、彼がチベットに行くやら何やらで別れたらしい。でも、実際はそれは嘘で岡山程度だったらしく、それなら遠距離恋愛出来たのにみたいな結論に。
要するにこの男が全ての発端だったわけですね。申し訳なさそうな顔はしているけど、白塗りで、しかもセリフも覚えていないみたい。呆れた笑いが会場を包みます。
二人は、この新郎新婦と同じように、別れて始めて大切な相手への想いに気付いたところもあるみたい。
それだったら、何の問題もない。七瑛は、もう一度彼の懐に飛び込む。

全ての呪縛は解けた。
同時に、新婦がリングに戻って来る。どういった状況で監禁されていたのか、すっかりピンク色のドレスに衣装変えして。
そして、すっかり2時間近く経ってしまったが、二人は誓いのキスを。
奇しくもこんな事件に巻き込まれたおかげで、お決まりの誓いの言葉に宣誓するのではなく、自らの体と言葉で相手への想いを伝えた高間。そして、それを受け止めた新婦、ゆり枝さん。
一度は別れた二人。その危機を乗り越えて、迎えたこの日。
そこで、最後に与えられた、もう一度二人を分かつ試練。
二人はそれすら、また、大切な仲間たちと共に、想い合い通じ合った心でそれを乗り越えた。
冷静に見れば、頭のおかしい集団に囲まれて、その祝福の数々の言葉の中での二人の口づけで幕は下りる。
おめでとう。ありがとう。パチパチ・・・
いい芝居を観た時に、カーテンコールで自然に出てくる感情と行動。
もちろん、この披露宴という公演でも、みんな、そんな気持ちになっていたみたいだ。

おめでとう。
末永くお幸せに。
そして、今後とも舞台でご活躍を。

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