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2013年6月29日 (土)

俺ライドオン天使【がっかりアバター】130628

2013年06月28日 ロクソドンタブラック

あ~、面白かっ・・・
いかん、いかん。
こんなチンコやウンコやセックスだなんて言葉が飛び交う作品で楽しんだとなると、私の品位が疑われる。
全くけしからん問題作で、一度も頬を緩めることなく、ずっとしかめっ面で観ていたと記しておく。
何だったら、注意を促すためにも、もう一度、足を運びたいぐらいだ。
他公演の観劇スケジュールの都合上、それは無理なので、今回はこれで勘弁しておくが、次回公演は、必ず足を運んで、監視せねばなるまい。
今から楽し・・・、いや襟を正して公演情報を待つことにする。

<以下、ネタバレ注意。公演終了まで白字にします。公演は日曜日まで>

梅雨でじめじめとうっとおしいある夏の日。
四人の子供がある町で生まれる。
フロッグ。カエルの姿、頭を打ち砕いた蛭子能収、いわゆる無脳症で死産。だから、今は幽霊として、女の子のパンツを自由に見て彷徨っている。この作品のストーリーテラー。あの日、病院で生まれた自分たちとこの町での出来事を語る。
フレディー。頭のおかしい母親は病院から脱走。妊娠を認識しておらず、排泄物にまみれてトイレで産み落とす。そこを変態センセイに拾われ育ててもらっている。変態が名付け親だけあって、風俗店名から取ったもっと腰をフレディーが正式名称だが。フロッグの姿が彼にだけは見える。それで、互いに信頼し合った関係に。ちなみにフロッグは、フレディーと出会った時にチンコを触られて精通を経験している。
マコちゃん。全身奇形児。形成術で真っ二つになりながらも、何とか元に戻る。ブラックジャックみたいな顔になってしまったが、男友達のトーヤ、女友達の牧野だけは彼を差別したりしない。男二人に、女一人。まあ、よくありがちな恋愛関係が密かに生まれている。時折、抑えられない衝動に駆られ、兎を生で食べてしまったりする。
マルタ。生まれながらビッチな女の子。生後、数十日で父親と初体験。その後も何百人の男だけでなく、獣にまで手を出し、四十八手もマスター。圧倒的なカリスマ性を持って、同級生のアカリに性的な虐待を加える。無茶苦茶な浣腸をしたりするので、教室が糞まみれに。アカリは登校拒否となり引きこもることに。

フレディーは、変態センセイから黒魔術を仕込まれる。フレディーも黒魔術にのめり込む。フロッグを生き返らせたいなんて気持ちがあるみたいだ。
その一貫なのか何かはよく分からないが、センセイは自分の勃起したチンコを日々通って来る牧野に見せる。そして、いつの間にか姿をくらましてしまう。
その場に、その牧野にあんなことやこんなことを合法的にやりたい欲望を抑えられなレズの女性科学者も同席している。センセイがいなくなった後は、フレディーはこの科学者に面倒を見てもらう。
科学者は、牧野をいたぶる装置を開発する中、なぜかタイムマシンを完成させてしまう。正確には、バックトゥーザフューチャーの世界に行けるというものだが。
フロッグとフレディーはそれに乗り、5年後の未来へ行く。
そこは、何者かによって人間が虐殺されているという地獄だった。
危うく自分たちもやられそうになるが、何とか脱出。
そんな少年時代。

時は経ち、みんな大人へと成長していく。
フレディーはあの日以来、黒魔術によりのめり込むようになり、世界全国を周りながら、そこでチンコを露出させるというブログで有名に。本まで出版される。
マコちゃんは牧野に告白するがフラれる。そして、牧野が本当に好きなトーヤを促し、二人は恋人関係に。でも、牧野の勃起への念が強過ぎて、ギクシャクしている。二人はマコちゃんに相談することにするが、マコちゃんの顔はいつもと違う。あの日、兎を食べた時のように。片手には刀を持って・・・
マルタは、性のカリスマとなり、もはや神のような存在に。念じるだけで相手をいかせられる。
アカリは引きこもり生活を続けていたが、フレディーのチンコ本を買うために、外出する決意をする。
無事、本も買え、フレディーのチンコとツーショットを撮ったりもするのだが、その外出中に放火で家族を失う。
犯人捜しのために、探偵を雇い、その調査費用を捻出するため、風俗島で落ちぶれた生活を送ることに。
放火された家の隣に住んで巻き添えをくったキモオタ男は、余儀なく外に出る羽目になり、そこで天使ちゃんと呼ばれる美女と出会う。もちろん、処女だ。この子が放火犯であることに気付くが、流れで付き合いを始める。でも、二次元の世界で萌えていた性は誰かの物を奪うなんていう嫉妬から生まれる感情だったみたいで、無垢な天使ちゃんにだんだんと魅力を感じなくなってくる。
そんなスレ違いが見え始めた二人はいつの間にか、マルタとセックスをして性の虜となる。
このままではダメ。キモオタ、天使ちゃんはマルタを二人にとって永遠の物とするため、殺そうと考え始める。そこに、元をただせばマルタのせいで人生がむちゃくちゃになったアカリも参入し、マルタの下に向かうが・・・
そんな青年時代。

もうすぐ、あの日見た地獄の時がやって来る。
人間は誰に虐殺されていたのか。
神となったマルタ、獰猛性が露出してしまったマコちゃん。
それを救うためにはどうしたらいいのか。
黒魔術にのめり込んでいたフレディーはある策を土産に戻ってくる。
そして、姿をくらましていたセンセイも同じ策を考えて、旅を続けていたらしい。
彼らを封印する方法。
フレディーが世界を周って作り上げたチンコの五芒星。そして、センセイが精液でその周囲の円を描いていた。
死んだ人間の魂は元の肉体に戻り、キョンシーとなり、彼らに立ち向かう。
しかし、それは肉体を失っているフロッグとの永遠の別れも意味し・・・

上記したように、描き方はまあ、エログロと言っていいのかなあ。めちゃくちゃなんだけど、結局、根底にあるのは、生きているのはつらいということに感じる。
受け入れられない事、人、物がたくさん襲ってくるけど、全部、かわすか受け止めるかしないといけないんだから。それか、戦って潰すか。
フレディーは、そんな不条理な現実を黒魔術で変えようと戦おうとした。
マコちゃんはかわし続けていたが、かわしきれなかったことが蓄積して、爆発してしまった。
マルタは全部受け止めて、それを力にした。
この作品で描かれるそんな子供たちだけでなく、数々のおかしなキャラたちは、みんな襲ってくる不幸を自分たちのやり方で必死にやり過ごして生きている。
その結果、死んだりするがキョンシーとなって復帰する。ここは、一応、死んだということになっているが、あまり死は感じなかった。むしろ、死ぬくらいにつらい目に合ってしまうことになっても、また、無理矢理でも立ち上がらされて、歩んでいかなくてはいけない厳しい現実を感じさせられた。
死を感じるのはフロッグだけかな。この子だけは肉体が無いから、もう二度と歩むことはない。死んでしまうということはそういうことだと伝えているように思う。
不幸がずっと襲ってきて、それに対処して、打ちのめされても、また立ち上がらないといけない生。もう、何も無い死。
どちらがいいかは、消えゆくフロッグの姿の悲しさが答えを出しているのではないだろうか。

役者さんにコメントをしたいが、仕事の都合上、そんなに時間を費やすわけにいかないので省略。
当日チラシに作・演の坂本アンディさんが適切な言葉で役者さんを紹介している。
この一言で確かにいいだろう。全員、漏れなくキ○ガイだった。

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