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2013年5月22日 (水)

「四季一会/夜毎の鳩」【小桃企画】130521

2013年05月21日 ウィングフィールド

言葉で伝えにくいのですが、ある事実が如何にこの公演が面白いものだったかを証明していると思います。
過去、数回、どこかで観に行っているリーディング公演。
必ず、途中で寝るという失礼なことをしているのですが、今回、一切寝ませんでした。
それどころか、眠気すら一切起こらず、前のめりで聞き入る自分。
あ~、こういうのも楽しめるようになったんだなあ、立派になったねえと自分を褒め称える。

男と女の色々な形の愛を描いているのかな。
切なかったり、微笑ましかったり。
人生のある一瞬の時に生まれる相手への愛情。
すくすく育って大きく成長したりもするが、消えてしまいそうになったりもする。
だから求め合うのだろうか。
永遠とも思えるほど力強かったり、脆くはかないものであったりとするのですが、どうであれ、その人の人生に深く刻まれる大切なものであるように感じます。

(以下、若干ネタバレしています。許容範囲と判断して、白字にはしていませんのでご注意ください)

「四季一会」

・冬の夜

暗闇の中の二人。
電気はつけず、二人だけの世界を求める女性。
外は嵐。
雷の一瞬の光が相手の姿を映し出す。
永遠とも思える時間を、触れ合う手で相手を確かめるようにして過ごす。

暗闇の中の情景が浮かぶようです。
ここは今、二人だけの永遠の世界。
現実の世界では、二人はその愛を形にしてはいけない立場なのでしょうか。
長い冬のある夜を、自分たちの愛を確かめ合うように、姿が見えない相手を探し、求め合う二人が描かれているようでした。
肉体が存在していないかのような雰囲気で、その精神だけがこの部屋で結びついているような感覚を得ます。

・黄金虫

葬式帰り。
男の傍で話を聞く女。
足元には、アリがたかっているが、まだ生きている黄金虫。
つらい、かわいそうなんて思うのは人間だけ。
短い夏。
駆け抜けるように、その命が終わりを告げる。

与えられた命を全うすることの尊さみたいなものを感じます。
どういう死に方をしたのかは分かりませんが、たとえ短い命だったとしても人生を全うしたことは確かでしょう。
それは誇りあることで、つらいとか悲しいといったことを本当は感じることではない。
それでも、やはり死はつらく悲しい。人間だから。虫だったら、きっとそんなこと思わず、死を迎えて、そして迎え入れられるのだろうけど。
そういう点では人間は不完全な存在。
でも、その代わり、そんなつらさ、悲しさを同じように想ってくれる人が傍にいる。
だから、一緒に泣くことができる。

・秋桜

部屋の中の男と女。
行けなかった海。
想像の中で二人は、楽しめなかった夏をやり直す。
二人は耳をくっつけ合い、その音から海を感じる。
庭には秋桜が咲いている。
秋の海へ。

過ぎ去った時。
触れ合えなかった時間。
それでも、その間の相手への想いは体の中に残っている。
それを二人で感じ合う。
そして、今度は本当にその想いを二人の愛の形に刻んでいく。

・くもりぞら、ほしのあお

クリスマス。
男と別れを告げて、家を出る女。
住んでたわけでも無いのに、自分の物が、彼の物と溶け込んで存在していた。
それを整理して、後は新しい彼氏が待っている自分の家に帰るだけ。
最終電車で。
帰るという目的を持つ人だけが乗る特別な空間。
帰る場所は、本当に新しい彼氏が待っている自分の家なのか。
今夜だけは待っていて欲しくない気もする。

彷徨う男女の姿。
人生の一時を迷子になってしまったかのような二人。
それでも、いつかは互いに自分たちが帰る場所を見つけ出すのだろうか。
拠り所を消してしまった二人の新たな道探しが始まる。

「夜毎の鳩」

マックでバイトする本田さん。
失恋。別れた彼女の恐らくは男からの着信メールのバイブ音が今だに少しトラウマ。
そんな時、バイト仲間の女の子から、家に来ないかと誘われる。
女の子は宇宙人。ミヤコさん。
同じ星から来た人たちと共に暮らす。
ミュージシャンのフナキさん、簿記の専門学校に通うヤマモトさん、ホステスをするチアキさん。
家族、兄弟、他人・・・、関係はよく分からない。
本田さんもその仲間入り。ご飯の準備や家賃もシェア出来るので助かる。
タバコはうるさい人がいるので、ベランダで吸わないといけないが。
そのベランダには、室外機の上に鳩が巣を作る。
鳴き声はまるでバイブ音みたいだ。
後、20分。
急にそう言い出すみんな。
今日はミヤコさんの誕生日。
言っておいてくれないと。プレゼントを用意してないよ。
それに、私はあなたのことが・・・
それで、何が20分なの。生まれた時刻まで。そんなこと覚えているんだ。
えっ、もしかしたら星へ帰らないといけない。違う。よかった。
そういう生き物だから。私たちは。成長早いから。おませさんなの。
みんな、悲しくないの。母親なんでしょ、一緒に暮らしてきたんでしょ。
そういう生き物だから。
私の名前は本田一郎。あなたの名前を教えて。
本田さんの耳元で長い本名を語るミヤコさん。
そのまま、肩に顔をうずめ・・・

始まって数分で、ほうら出た出た、また、この不条理ワールドだよと。
こりゃあ、また訳が分からなくなって頭が混乱するなと思っていたら、意外に話に惹きつけられていく。
宇宙人との恋。
心が締め付けられるように苦しい。キュンキュンするって感じなのだが、それよりももっときつく心苦しい。
あ~ん、何でそんななのってギューってなる。
ただ、引いて観ると、すごく滑稽な話でもある。
ト書きみたいなものを読む担当の方がいらっしゃるのだが、その方はちょっと笑みを浮かべながらリーディングしている。それが、この引いた時の感じと同調してるのかな。
登場人物、特に本田さんに感情移入しちゃったら、もう大変。ミヤコさんの健気な姿に感情移入しても厳しいな。
叫びたくなるくらいに心狂おしくなってしまう。
結ばれなかった二人の愛。
でも、その愛した心を自分の中に刻むように、ミヤコさんの名前を頭の中に刻み込む本田さん。
愛は共に時を過ごすとか、肉体的な結びつきではなく、その一瞬の相手を想う心が生まれた時に成立するのかな。

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