みゃんま1/2【カメハウス】130430
2013年04月30日 ステージプラス
宮崎サカナさんの入団お披露目公演。
そして、私の今年度100本目記念観劇です。
ふむ、ふむ。
らんま1/2。
主人公の乱馬とお父さんが中国に格闘技の修行に行って、何か知らんけど、水をかぶるとお父さんはパンダ、乱馬は女の子になってしまう体質になって、日本に帰って来てから、道場の娘たちと恋愛コメディーを繰り広げる話。
よく分からんけど、Wikiでこれくらい知識を入れておけば何とかなるだろう。
作品のPVからは、それをパロった話なはずだ。
開始5分で、その知識を全て使い果たし、以後は、一度くらいは耳にしたことがあるけど、よく知らない世界に連れて行かれる。
ちょうど、観劇前に知り合いの舞台監督さんに、私が映画、アニメ、漫画などの元ネタの知識に乏しいから、観た作品の面白いポイントを見逃しがちであることを指摘され、そうなんだよなあ、でもこればかりはすぐに身に付くものじゃないしなあなんて思っていたところ。わずか数分後にその事実を目の当たりする。
色々なアニメやら漫画やらのコスプレをして、そのキャラ、ネタ、曲に合わせた展開で可愛らしく、楽しく話を進めていく。それでいて、緩さを感じないのは、ここ特有のバカなことを熱くするパワーと、キレるダンスパフォーマンスの影響も大きいだろう。
元ネタを知っていればより一層楽しめるのは確かだろうが、この作品の面白さはそのことに全てを依存していない。まあ、大半はそれにゆだねられているのだろうが。
後半になってからは、コスプレ祭りだけの作品では無くなってくる。
認められにくい苦しい世界に身をゆだねて、これから走り続けるという覚悟の想いを押し出した芯が熱い話となっている。
コスプレをしたい女の子、サチコ。
仲間たちとコミケの準備。
父には言われている。
もう、辞めなさい。あんな社会に順応できない人たちと付き合うのは。服が好きならアパレルのきちんとしたところに就職すればいい。
辞めよう。
でも、本当は私はコスプレがしたい。大変だって分かっていても好きなことだからずっと続けたい。
そんな気持ちがサチコのもう一人の分身を生み出す。バッチリ、コスプレで決め込んだ女の子。
大好きだから、低俗だけど面白いから、そんなずっとやり続けたい気持ちから生まれ出した女の子は、サチコとその仲間たちの楽しいコスプレの世界を永遠のループへと導く。
それに気付いたサチコは・・・
演劇らしく、劇中劇スタイルで、自分の夢に向かって歩みを進めるまでの覚悟の姿を描いている。
ただ、その展開を、アニメ・漫画などに委ねており、そのセリフやテーマ曲を用いて面白おかしく進める。
この劇団のお得意のダンスパフォーマンスも健在。
作品はコスプレイヤーを主人公として描いているが、新入団員や劇団に所属されている役者さん、そのお仲間方たちの演劇に対する想いとして捉えてもきっといいのだろう。
私のように元ネタを知らないと少々厳しいところはあるが、まあ色々と楽しむことは出来る。
単純に男ならだいたいは喜ぶだろうコスプレ姿を目に焼き付けたり、日常生活とうまくマッチさせたアニメ・漫画のシーンや歌の描写を記憶の欠片をたどりながら楽しむ。
おふざけしながらも、熱い想いを語る演劇らしい作品。
お得意のパフォーマンス、そしてバカを思いっきりやれる力を活かしたこの劇団らしい創りだと感じる。
ただ、決して緩さは感じなかったが、グダグダしたところは随所に見られる。
単にコスプレでお祭りをして楽しませたい部分と、この作品を通じてご自分方の想いを真剣に発信したい部分の切り替えのキレが悪いのだと感じる。
まあ、楽しければそれでいいんだという話ではあるのだが。
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コメント
ご来場ありがとうございました!!
あの混沌とした中で、ここまで細かく理解していただけて嬉しいです!!
楽しい部分と作品テーマのスイッチングの切り替えが今回の課題だったので、より切り替えを瞬時に出来るよう頑張ります!!
毎度、素晴しい感想ブログありがとうございます。
投稿: 亀井 | 2013年5月 1日 (水) 12時28分
>亀井さん
コメントありがとうございます。
楽しそうでしたね(゚▽゚*)
バカげた中に込められた熱い想い。
カメハウスらしい、とてもいい作品だと思います。
新入団員さん、そしてカメハウスを慕う多くの役者さん方と共に、今後も数多くの名作を創り続けてください。
楽しみにしております。
投稿: SAISEI | 2013年5月 1日 (水) 13時09分
どうも私です。ご来場ありがとうございます。
舞台ではあぁ言ってましたが、この新しい門出に出れて本当に光栄で、お腹いたかったです(笑)
がっつりコスプレでした!ヽ(・∀・)ノははははは
なんだか、新しい自分おめでとうって思える作品やなぁと思います。楽しんでいただけて良かったです。
投稿: 大牧ぽるん | 2013年5月 1日 (水) 14時04分
>大牧ぽるんさん
コメントありがとうございます。
ぽるんさん同じく、熱い想いを胸に抱いた人たちとおバカなことを楽しんでやってましたね(゚▽゚*)
さぞ、ご満足なことでしょう。
色々な外からの言葉を全部振り切って、やるぞ~と覚悟を決めた宮崎さんの最後の表情がとても素敵ないいお話でした。
今後のご活躍も楽しみにしております。
投稿: SAISEI | 2013年5月 1日 (水) 16時01分