ランドる【837B】130210
2013年02月10日 インディペンデントシアター1st
前回、LUPINを拝見した時から目をつけていた劇団。
(http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2011/08/lupin837b-prese.html)
今回も観に行くつもりが、3回しか公演が無く、しかも最初の2回が満席。
また今度にするかと思っていたけど、どうしても気になり、千秋楽に飛び込む。
ここは、前もそんな感じだったなあ。
で、結果、これが最高。
ワンシチュエーションドタバタコメディーといった作品ですが、私の中で最高峰に位置するコメディーユニット磯川家、イッパイアンテナに匹敵する面白さ。
そのテンポの良さに、練られた展開。
そして、何より、強烈過ぎるキャラたちを演じる役者さん。
傑作でした。
よかったあ。ほんと、観逃さなくて。
今回も公演終了後、すぐに仕事があったので、チラシに公演時間の明記が無かったらきっと行かなかったと思う。これも、前回同じく、観劇の重要なファクターでした。
舞台はコインランドリー。
ファンに呼び出された作家、檀はそこで、その女性から衝撃的な悩みを聞く。
体が腐り始めているという。自分はゾンビではないかなんていって錯乱している。
そして、一人でじっくり考えたいのでと言って、洗濯機の中に入ってしまう。
そんなことをしている中、檀の担当の編集者がやって来る。
鉄道好きな少々変わった女性。
原稿は全く出来ていない。
檀は、先ほどのソンビ女をネタに原稿を書こうとする。
そして、ゾンビ女と同じく、洗濯機の中にこもり始める。
そこにやって来たコインランドリーの管理人だろうか、吹雪という女性。何かよく分からない恰好をしたハゲた男を連れている。
二人はそこで酒盛りを始める。乾燥機の一台がワインセラーみたいになっている。
オドオドしている編集者を見て、管理人は洗濯機を壊した疑いをかける。
洗濯機のフタを開けようとするが開かない。中から押さえているのだろう。
管理人は修理業者を電話で呼ぶ。
絶体絶命の危機。
でも、檀はこれをチャンスとする。
この管理人とハゲた男をいい関係にするストーリーで原稿を作るというのだ。
原稿が出来ないと困る。
編集者は必死にそのストーリーになるように画策を始める。
そんな中、修理業者はやって来る。
それだけでなく、コインランドリーのあるアパートに住むおかしな姉妹まで。
みんな巻き込まれる中で生まれ始める相関関係、そして恋。
事実は小説より奇なり。
めちゃくちゃなドタバタの中で・・・
全キャラがハイテンションで、スピード感たっぷりの展開で、話が非常にテンポよく進みます。
ワンシチュエーションコメディーでありがちな、DOOR TO DOORの片側のドアを洗濯機といった感じにして、スレ違いを巧妙に生み出しながら進む話は、最高に面白かった。
そして、最後はちょっとハートフル。
もうどうなってしまうのと心配になりましたが、見事な収束のさせ方。
傑作レベルの作品に仕上がっていると思います。
役者さんが強烈過ぎて・・・
中でも、編集者のかめ子さん。絶品だったな。あのキレっぷり。何か悪い薬をしているのではと疑いたくなるくらいのハイテンションで場を盛り上げまくります。
そして、お気に入りの役者さんである、上田耽美さんは修理業者。途中、あらゆる女性からモテて、苦悩します。漂う癒しのオーラがまた微妙な雰囲気を創り出し、舞台を不思議な空気で包みます。
檀がジンさん。テンポのいい掛け合いが見事。妄想するかのように、原稿を創り上げるためのストーリーを自分本位に考える姿がもはや悪魔のように映ります。
管理人、立部円(お笑いサタケ道場)。やさぐれた気の強い女イメージをがっつりと印象付けておいての、最後、女を見せる。それも間違った痛い姿で。
ハゲた男、殿村ゆたかさん(メロンオールスターズ)。すぐに落ち込んでしまうというイメージにあった可愛らしく憎めないいかつい男の姿を魅せます。
ゾンビ女、山神里絵さん。ゾンビならぬ幽霊のような雰囲気を出します。叫び錯乱するところなど、貞子ばり。でも、ちょっといたずら心があるような可愛らしいキャラです。
アパートに住む姉妹の妹、御意さん(Project UZU)。優柔不断だからどうしていいのか分からず、すぐパニックになってオロオロといったキャラ。天然っぽさを残しながら、姉や他の女との修理業者とのもつれた恋愛ではズル賢さをうまく出されます。
姉が、小藤めぐみさん。この作品の作・演ですね。素晴らしい出来だと思います。キャラはいわゆる重い面倒くさい女。ガツガツした肉食系を惜しみなく見せられ、うわ~、この人とは付き合いたくないなあと思わせるような女性を演じます。
DVD出ないかなあ。
最高に面白かった。
巧妙な展開がとてもいいと思うし、役者さんの魅力もちょっと十分過ぎるぐらいに発揮されている。
そして、最後が温かい感じで終わるのがまたいいですね。
注目の劇団としてよく覚えておきます。
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