True True True【DACTparty】121222
2012年12月22日 インディペンデントシアター1st
圧倒されて、かっこいい、セクシー、可愛い、怖い、優しい、エロい、妖艶、純粋、面白い、楽しい、痛い、萌え・・・なんて色々思いながら観てたら、もう終わってた。
で、結局、この方々、素敵。
女子高生、楓。
ストリートダンスをする青春真っ只中の女の子。
ダンスチームの中でちょっと孤立してしまって、人間関係に悩んでいるみたい。
学校のことだってある、両親や家庭のことだって。
頑張ってるけど、色んな悩みに押しつぶされそうになることも。
そんな女の子にお爺ちゃんは語る。
自分のストリートダンスと共に過ごした青春時代。
そこには、熱きライバルとの対決、仲間との友情、淡い恋心、そして、自分の殻を破るために必死に戦ったあの頃がある。
若き日のおじいちゃん、真治。
前の学校でいじめにあって、自分に自信が持てない。
他の生徒ともあまりうまくいかず、クラスでもうじうじした目立たない存在。
いつも気にかけてくれている女教師に淡い恋心を抱いたりしている。
でも、彼にはもう一つの顔がある。
ネットのバーチャルダンスバトルの世界でトゥルーチェリーと名乗るダンスチャンピォンなのだ。
その世界の中のアイドル、カリンちゃんを追っかけるために、必死にダンスの練習をした成果だ。
クラスの生徒たちも、みんなそのネット世界にはまっている。何かから逃げ出すように。
ただ、仮面を付けて踊っているので、誰もその正体が真治とは知らない。
隣のクラスにも、そんなネット世界にはまる者たちがいる。
彼らはストリートダンサー。
ストリートダンスは不良。教育上よろしくないものなので規制するなんて、いわれのない中傷を吹き飛ばしたくて、ただただダンスで自分たちをさらけ出して、世の中に対して自分たちを表現しようとしている。
ネットでのバトルではトゥルーチェリーには勝てない。
女教師は、ある日、生徒たちに言う。
自分たちをさらけ出そう。ネットの世界ではなく、この現実の世界でも少しずつでいいから、自分たちの想いを叫ぼうと。
そんな中、みんなからさらけ出されたことは、各々が様々な悩みを抱えながらも頑張っていることだった。
そして、教師も自分の想いを遂げるために、先生を辞める決意をしたことを話す。
そんなみんなの姿に、真治は自分がトゥルーチェリーであることを明かす。
悩んでいるのは自分だけでない。みんなとともに、仲間たちとともに何かをやり遂げたい。
そして、先生にその成果を見せてあげたい。
時は文化祭。
隣のクラスとのダンスバトルが始まる。
ネットでは無い、トゥルーチェリーでも無い。
真治自身、そして想いを共にしたクラスの仲間たちと、今、自分たちが生きている世界で。
愛情、友情、プライド・・・
各々がそれぞれの大切な想いを胸に、その対決が始まる。
その行方は・・・
そして、このバーチャルダンス世界に隠されていた秘密とは・・・
はしょっていますが、だいたいの流れはこんな感じ。
迫力あるダンスのシーンがどこまで再現されるのかは難しいと思いますが、DVDが販売されるみたいなのでそちらを観ましょう。
ストリートダンスを含め、今、ダンスが世間にどうとらえられているのか。それに対して、ダンスに魅入られた者たちがどういう想いでいるのか。
自分自身をダンスを通じて表現することで得られる成長。
ダンス、表現することへの熱き想い。その大切さ、魅力。
自分の想いを、閉鎖空間でしかさらけ出せないどこか歪んでしまった社会。
今の社会における問題の一つを、ダンスを通じて切り込んでいる。
物語としても、きちんと一本筋の通ったしっかりしたものであり、とても興味深く、話の展開を追える。
エンターテイメント色豊かに娯楽を前面に押し出しながらも、そこに秘めている表現者の真摯で熱き想いが飛んでくるような力強い舞台だった。
役者さんは多過ぎて、かつ皆さん素敵な方ばかりなので、目移りしてしまい、どこを観ていたのやら。
気を抜くと、すぐ踊り出しますし、自分の役をPRされる芸達者な方が多いので。
その中でも、やっぱり、櫟原将宏さんはとても魅力的だったなあ。不器用ながら一つ一つ丁寧に伝えようとする真摯さを持ったキャラ、ちょっとおどけた面白さ、こちらは抜群の器用さを発揮するダンス。どこをとっても、あ~、かっこいい人だなあと。
楽し過ぎる公演でした。
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