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2012年12月22日 (土)

はじめてのメリークリスマス【演劇グループSomething】121221

2012年12月21日 関西学院大学 旧学生会館2階 ママ上ホール

Atelier THANK-Xの大好きな作品なんですね。
そして、観劇を始めるのが遅くて、生では観れなかった作品。
だから、DVDで何度も鑑賞しています。
http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/dvdatelier-than.html

ここは、以前にずっと観たかった飛龍小学校も拝見させていただいており、非常にありがたい劇団。
http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2012/03/something120311.html
過去の素晴らしい作品を、もう一度、若いパワー溢れる方々の手で再現していただけるのは、本当に感謝の気持ちで一杯です。

ただ、今回は、DVDでよく見ているだけに、ちょっとハードルが高くなってるかなあ。
手放しで良かったですとは、ちょっと書けないところが・・・

決して、悪かったとか、面白くなかったということはありません。
ただ、小ネタや踊りをはさみながら、テンポよく展開するという点では、正直、見劣りするなあといった感じでしょうか。
Atelier THANK-Xは、あまりにも迫力が凄すぎると思うので、まともに再現するような形では、さすがに実力ある学生劇団でも厳しいのではないですかね。
小ネタ、踊り、シーン切り替えなどなど、あらゆる点で、全てプロよりも少し下回るなといった想いの積み重ねが、この低評価につながっていると思います。踊りなんて、真っ向勝負で勝てるわけないですよね。
原作がある以上、過剰な脚色は、問題があるのでしょうが、学生さんらしい若さを活かす演出で、雰囲気をもっと変えた方が良かったようにも感じます。
個々の役者さんは魅力的な方も多かったので、ラストに向かってどんどん高揚していく感が得られなかったところが残念です。

これは、DVDを拝見した時も思ったことですが、ストーリー自体は単純で、ネタバレも前半に平気でさせていますので、そのまま普通に進めていては退屈します。
これをそうさせない、エンターテイメントの力がやはり及んでないのかもしれません。

3回生引退公演ということで、その役者さん方にコメント。
ところで、卒業公演とは、また違うのだろうか。
他の学生劇団でも、同じような言葉を使うことがあるみたいだが、区別がどうもつかない。

新人サンタ、黒沢ゆあんさん。ずっと、先輩サンタと逆に思って観てた。どう見ても、そっちの方が貫禄あったので。ずいぶんと子供のような、可愛らしく純粋で無邪気なサンタさんキャラに仕上がっています。
亡くなったお母さん、七五三さん。この方はとても良かったです。主人公の男を見つめる眼差しが。最初のオープニングダンスで、最後に男を見るたたずまいなんてとても魅力的だったな。そして、母性を感じさせる優しい語り方も。
ホームレス、MASAOさん。もっとコミカルなものを秘めてそうだけど抑えてたのかなあ。実はずっとこの家族を見守ってきた大事な役ですからね。そんな父とも言えるような優しさはにじみ出ていたように思います。
バーのマスター、水ノリ場さん。若いにしてはけっこう味のある演技。この方も、ずっと見守ってきた優しい雰囲気をどこかに醸し出しながら、ちょっとみんなの中には入り込めていない微妙な距離感を出されています。バーのマスターらしく、第三者的に引いてるけど、みんなを見ている雰囲気が好きです。
妹、悠楽さん。この方のキャラが私のイメージと全く異なる。前向きで元気なイメージはそのままですが、ちょっと冷めててあっけらかんとしている感じでずっと振る舞います。けなげな雰囲気を一切出さないんですね。ただ、これが最後に効くんだなあと。母親や家族に対して感情を爆発させますが、ずっと隠していたというか、今、湧き上がってきたみたいな感じで。20年の時を経て、息子と向き合った時の母親の率直な気持ちを同じように表している感じで、これはこれで母と妹の血のつながりが感じられて良かった。強さを強調して、兄の弱さと対照的な感覚が得られます。

あんまり、いいこと書いていませんが、この作品の人の優しい想いはきっちり伝わるように創られています。
あの時、言えなかった、届けたかった言葉、想い。ご自分方の経験を見つめて、この家族の長きにわたる途切れが、このクリスマスにつながって、空白の時間を埋めたことを感じさせているのではないでしょうか。
その感じさせ方に、話の展開の中でもっと上手な起伏を持たせながらだと、より魅力的で、最後ももっと大きな感動を生み出したように思います。

次も何か名作をまたやってくれるのかな。
是非、観に行きたいところです。

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