この世とあの世は旅籠から【カン劇CockPit】121210
2012年12月10日 インディペンデントシアター1st
申し訳ないが、あんまり面白い話ではなかったな。
ドタバタコメディーとしては、十分期待できそうな設定で、面白そうなキャラがワイワイと掛け合って楽しそうではあったのですが。
どんどん笑わせたいのか、ちょっと泣かせたいのかがすごくあいまい。
テンポが単調なのだろうか。
色々な物が積み重なって膨らんで、最後を迎えることが出来ず、高揚が十分高まらなかった感じです。
旅館、関ケ原。
オーナーは頭を抱えています。
幽霊が出るのです。
霊能力があるから見えるのです。間違いなくいる。
こんなことが公になれば、せっかく軌道に乗りかけている経営にも響く。
何とかしないとということで、同じ幽霊に説得させるという計画を練る。
早速、幽霊の男二人を連れてきます。
ところが、一向に事はうまく運ばない。
連れてきた幽霊は、宿の地縛霊と一緒になってふざけあっている。
幽霊の出る開かずの間の隣に宿泊する霊能力のある女性雑誌記者は、幽霊の声がすると大騒ぎ。
怪しい詐欺師は、どこかから幽霊の噂を嗅ぎ付けて、除霊するなんて言ってひと儲けをたくらむ。
さらには、先祖供養が足りなかったのか、オーナーの祖母の霊まで現れる。
混乱する中、一人の女性がさっそうと登場。
相当痛い姿だが、本物の霊能者。
彼女には全てが見える。全てが分かる。
衝撃の事実をみんなに告げます。
二段オチみたいで、この事実で驚かせておいて、最後にもう一度、この一連の騒ぎの秘密を明かします。
古典落語の宿屋仇と地獄八景亡者戯を原作としているらしく、落語らしい痛快なオチです。
意外性はありますが、何となく途中でネタバレしているようなところもありますね。
面白いのは面白いのですが、どうも観ていてバタバタした感があります。
進行がスムーズじゃないというのか、シーンが断片的で暗転のたびにいったん途切れてしまう。
ドタバタコメディーではありますが、空回りしながら、無理やり話を進行させようと焦っている感じ。
だから、笑いもけっこう不発部分が多いし、何よりも最後は少しお涙ちょうだいのところもあるのですが、それまでに心情が積み重なっていないのでさほど感動できない。
なかなかキレた個性的なキャラも多く、掛け合いも楽しい感じなので、もっと面白かったという感想になってもいいように思うのですが、何かが足りないらしく、そこにまでは至らずといったところです。
前作が魅力的だったので、期待感は大きく、少々残念でした。
まあ、次回に期待です。
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コメント
ご来場ありがとうございました!
ご期待に添えなくて申し訳ありません。
もっともっと精進いたしますので、今後もよろしくお願いいたします!
投稿: 松本大志郎 | 2012年12月11日 (火) 22時10分
>松本大志郎さん
コメントありがとうございます。
お疲れ様でした。
生意気書いて、申し訳ないです。
感覚的ですが、微妙な空気に何となくはまりきれませんで・・・
個性的な役者さんが揃っていて、そのドタバタの掛け合いは楽しかったです。
また、次回公演を楽しみにしております。
投稿: SAISEI | 2012年12月12日 (水) 07時48分