<WEBドラマ>虹をめぐる冒険【月面クロワッサン】
まだ、この劇団は1回しか本公演を観に行っていないのですが、所属役者さん方はけっこう客演で拝見しており、個性的な魅力を発揮される方が揃っています。
そんな劇団が連続WEBドラマを公開中。
10/26から毎週金曜日に全4話で連続配信しています。
せっかくなので感想を。
4話あるので、観たら以下に追記していく形にします。
ネタバレがあると思いますが、気にせずに書いてしまいますのでご注意ください。
1話、10分ちょっとぐらいなのでとりあえず観ればいいと思います。
劇団のHPにアップされています。
<11/4追記>
第二話。
現れたオガワの小学生時代の親友、オオタ。
やはり、カオリの失踪事件は、10年前の虹発生から既に始まっていたよう。
益々深まる謎・・・
漠然とした不安、嫌な予感が心の中を巡り、モヤモヤ。
<11/14追記>
第三話。
少し、見え始めてきました。
でも、次回が最終話。スッキリできるのだろうか。不安だ。
虹が出た日に起きた殺人事件。その核心に触れた可能性のあるカオリ。
その時からずっと苦しみ続けているオオタと刑事。
全てが解決した時に、虹の正体もはっきりするのだろうか。
どうなるか、全然分からない。
これが、最終話で本当に全てを収束させているなら、相当な名作として評価することになるだろう。
素晴らしい出来に期待。
<11/17追記>
最終話。
ついに事件の真相が明らかに。
虹も消える。
でも、その正体はほとんどこちらにゆだねられた感じ。
10年に渡って消えることなく、その姿を空に浮かべていた虹。
虹を創り出したのは、いったい・・・
そしてそれは消えなかったのか、消せなかったのか・・・
<第一話>
もう10年間も京都の空に現れた虹が消えない。
虹が浮かんだあの日、オガワはまだ小学生だった。
今は大学生になったオガワ。
恋人のカオリが突然、行方不明になる。
最近、携帯に非通知の着信が何回もかかり、ストーカーらしき人につきまとわれている気がすると不安がっていたカオリ。
オガワの部屋に置かれたカオリの携帯には相変わらず非通知の着信がかかってくる。
心配で仕方が無い。
イライラしている中で、今日も隣のおかしな自称、虹の研究者、マルヤマは虹の謎が分かったようなことを不躾に語ってくる。
警察に連絡する。あまり真剣には取り扱ってくれない。でも、明日にでも捜索願を出すつもり。
たかが恋人がいなくなっただけ。警察は軽く扱うだろう。でも、一人、嫌な前兆を感じる刑事がいた。
Twiterに書き込みもする。友達から電話がかかってくる。
心配だな。ところで、オオタって知ってるか。今、あいつ、ヤクザまがいのやばいことしているらしいよ。
カオリとは連絡が付かない。
そんな時にオガワの前に、昔、親友であった噂のオオタが現れた。
10分でなかなか見せますね。
映像は技術的なことは全く分かりません。でも、映画みたいな感覚で観れるので多分ハイクオリティーなんだろうなと感じます。バイブ携帯がちょっと動いて非通知着信を告げるシーンなんか不安や恐怖がうまく表現されているように思います。
音楽が特にいいです。漠然とした不安感を煽るような美しい響きが作品の雰囲気を創り出しているようです。
10年も消えない虹。
明らかな異常が長い年月で異常を醸し出さなくなってきた。匂いに慣れるみたいに、嫌な匂いも感じなくなった。でも、ふとした時に、そんな匂いが急に漂い始める。本当は、ずっとかいでいたのに。
日常に潜んでいた異常が、ひょっこり顔を覗かせる。その時になって初めて、そう、こんな異常の中でずっと暮らしていたんだみたいなことに気付く。
今の時点ではそんな印象でしょうか。
オガワ、小川晶弘さんの朴訥とした暗い感じが、この先にある話の展開への不安を煽ります。
カオリ、あの可愛らしい西村花織さんは、いったいどうなってしまったのか。そりゃあ、オガワも心配だろうね。
あまりにもいかがわしい形で登場するマルヤマ、丸山交通公園さんは、ただのおかしな人なのか、それとも虹から今、起こっていることを導き出し、誰よりもこの事態を理解している人なのか。
逆にあまりにもかっこいい姿で登場するオオタ、太田了輔さんは何をたくらんでいるのか。
男前の刑事の沢大洋さんの嫌な予感は的中するのか。なぜ、そんな予感を持つのか。
一般の人と同じように、今の深刻さを感じていない部下の稲葉俊さんも、これからこの事件を通して、不安な世界に巻き込まれるのか。
まだ、始まったばかり。?だらけであり、今後に期待か。
ちなみにゲストで友達役の大原祥渉平さん(劇団しようよ)、婦警の声出演のナッツさん(飴玉エレナ)は、ともに一度拝見したいと思いながら、いまだ観に行けていない劇団の役者さんでした。また、いずれ。
<第二話>
現れたオオタを部屋に招き入れるオガワ。
小学生の時以来の割には、微妙な距離感は感じられるものの、今、付き合っている友達よりも心を許せて話せるぐらいに見える会話を繰り広げる。
きっと、知らぬうちに疎遠になったものの、小学生時代は互いに惹かれるものがあって大親友だったのだろう。
オオタは得意のカードマジックを披露する。
カードを引く。ハートの3。それを束に戻す。
オガワはこらえきれなくなったかのように、今、悩んでいるカオリの話を切り出そうとする。
オオタはそれを読んでいたかのように、自らその話題に口火をきる。
カオリは何かのトラブルに巻き込まれている。
なぜ、そんなことが分かる。
そういう情報が入るようなところにいるから。
確信を突かない返答にイラダチを覚えながらオガワは必死に何かを知っているのかと尋ねる。
チャイム。また、隣のマルヤマだ。財布をすられたんだけど知っているかなんて訳の分からないことを言ってくる。
マルヤマの胸ポケット。そこにはハートの3のカード。
訳が分からず立ち去るマルヤマ。
オオタも帰ろうとする。
何を知っている。お前もグルなのか。
謎を残して彼は立ち去る。探すのを協力する約束とマルヤマの財布を残して。
10年前、あの虹が発生した時もオオタは手品を見せてくれた。
幼かったので、彼が本当に超能力者なのかと思った。
翌日、大学で情報をあつめるオガワ。手掛かりは無い。
やって来たオオタ。
カオリは事件に巻き込まれている。
行方不明の日、部屋はどうだった、鍵は、パソコンは・・・
そう、パソコンのページは虹の記事だった。
オオタは謎の女性、森麻子さんと接触する。なんかアラレちゃんみたいなメガネしてたけど。
情報がこれで集まるみたいだ。
虹を見上げる二人。
カオリは10年前からからまったまま。あの日に戻ろう。
登場人物も増えて、益々、謎だらけになってしまいました。
果たして後2話で収束させられるんでしょうか。
10年消えない虹から漂う不安。
幼かったとはいえ、虹はオオタが創り出したなんてオガワは思っていたこともあったようです。もちろん、大人になってそんなことは無いと気づきますが、オオタの不思議な魅力から、もしかしたらぐらいの形でオガワの心に残っていたのかもしれません。原因不明ではなく、オオタのせいである。そんなところに、オガワがオオタに対して安心感を得られる存在になっているような感じがします。
二人の会話が微妙な空気ながらも、落ち着いて固く結ばれているように見えるのがそういうことなのかもしれません。
やはり、事件は虹発生の頃からもう既に始まっていた。
だとするなら、事件解決と同時に虹の原因も明らかになるのでしょう。
オオタはその何かを既に知っているのでしょうか。
カオリが虹発生の原因になっているのでしょうか。
現れた謎の女は。
警察は今後どう絡んでくるのか。
そして、マルヤマはいったい何者なのか。
本当に目が離せなくなってきました。
ちなみに、音楽が独特で、頭の中を巡るようになります。
<第三話>
虹が出たあの日。実は殺人事件があったらしい。
4/22。死に、虹・・・、思わせぶりだ。
<11/15訂正:7/22でしたね。以下も全て7月に置き換えてください>
これとカオリの失踪は間違いなく絡んでいる。
しかも、失踪の二週間前に小学校の同窓会があったらしい。
何でこんな重要なことを今まで黙っていたんだ。
そこで、カオリは、昔、撮影した写真の話をしている。その場には、顔をゆがめる先生の姿。
10年前の虹の出た日。その4/22に撮影した写真。
でも、その写真は本当に4/22に撮影されたのか。
虹は合成。オガワの隣の怪しい男がようやく、話の重要な部分に絡んできた。
虹が出る前の日、4/21に撮影された写真。なぜ、虹を合成する必要がったのか。
殺人事件の被害者はオオタの姉。
先週起こった、犯人と思われる男が殺された事件。
虹はもうそろそろ消えると言う自称、虹を研究する怪しい隣人。
オオタは刑事に連絡を取る。
色々な形で事件がつながってきた。
虹が出た日の殺人事件。
オオタと刑事はその犯人をずっと追っている。
その前日にあっては困る先生、カオリ、オガワが写った写真。
先週殺された男。
最終話。たった15分足らずで本当に全て収束できるのか。
イライラしてくる。
待ち遠しい。
<最終話>
結論から書くと、やはり、あのいかにも怪しそうだったナナイという先生が全ての鍵だった。
虹が出た日に、ナナイはオオタの姉を殺した。
アリバイが必要である。
そのために、虹が出る前の日に撮影した写真に虹を合成した。そうするしかなかった。虹はずっと消えなかったから。
刑事はもう犯人の目星がついている。オオタが色々と動いてくれたおかげで、捜査も順調に進んだみたいだ。
犯人逮捕に全力をあげる約束をする。同時にオオタに復讐のような浅はかなことは考えるなと。今は大事な友達も巻き込んでしまっている。もうオオタだけの問題ではなくなっているから。
オオタは小学校に向かう。
そこにナナイ、そしてカオリもいると考えているようだ。
オガワの自宅では、刑事の部下が事件のあらましを説明する。
状況は把握できた。カオリの携帯に再三かかってきた非通知着信も、ストーカー被害に見せかけようとしたナナイの仕業だろう。
でも、カオリは無事なのか。
カオリの携帯に非通知着信がかかる。
電話を取るオガワ。ナナイの声が聞こえる。ナナイはもう自暴自棄になっている。
小学校ではナナイは監禁していたカオリに手をかけようとしている。
ナイフが向けられたその時、オオタはナナイに飛びかかる。
奪い取ったナイフ。オオタはナナイにナイフを突き立てるものの、刺すことは無かった。
響く警察のサイレン。
事件は全て解決した。
次の日、オガワとカオリの二人の姿。そこにやって来るオオタ。
10年もの間消えなかった虹は、薄くなり形を無くそうとしている。
そして、オオタの掛け声とともに、その虹は・・・
事件はすっきり解決。
それはいいが、やはり虹は何だったのだろうか。
こちらで想像するしかないのだろうな。
ナナイがオオタの姉を殺した動機は描かれていない。
その殺人事件があった日に虹は現れる。そして、ずっと消えない。
この虹が犯人を逮捕する重要な鍵となる。
だからと言って、犯人が捕まる日まで、その恨みで虹がずっと存在したとはあまり思いたくない話である。
オオタは寂しがり屋で、とても優しい男だ。その姉もきっと同じような人だったように思う。
雨上がりに虹が出て、あのじとじとした雨の時のことをすっかり忘れさせてくれるように、姉の悲しみの涙の後に、その悲しみをみんな忘れられるように虹は出たんじゃないのだろうか。
それが消えなかったのは、大気が不安定だったから。
ナナイの罪から逃れたいという邪な気持ち、オオタの犯人を憎む気持ち。
そんな、心の底で揺らぐ不安定な気持ちが、虹が消えることなく、とどまったままにさせたように感じる。
そんなオオタの心を溶かしたのは、たまたま事件に巻き込まれてしまった昔の親友、オガワ。
彼の幼き頃にオオタを慕っていた純粋な気持ち。さらには、自分を影で見守っている刑事や組織の同僚。
事件の真相を突き止めようとする中で、オオタはそんなことを再認識し、自分の固く閉ざされた心を開放していったように見える。
それが、最悪の復讐劇を生むことなく、ナナイに犯行を全て自白させて、悔い改めさせることを実現した。
ナナイも虹を見るたびにずっと心穏やかでなかっただろう。
それが、これで全て終わった。ようやく重く背負った罪の意識から開放され、後は贖罪へ向かえばよい。
事件が真相へ向かうとともに虹が薄くなるのがそんなことだと考える。
もう今にも消えそうになった薄い虹。ラスト、オガワがこれからもよろしくとオオタに伝えた言葉。この瞬間、きっと虹は完全に消えただろう。
つぶらせた目を、掛け声とともに開けさせる。虹は消えている。マジックが得意なオオタの見事な仕掛けである。
全編通じて、とにかくオオタ、太田了輔さんが魅力的である。感情表現を基本的に抑えるキャラであるが、そこをちょっとした表情や言葉から滲ませるように演じられる。ここが、かっこよく、味のある男となっている。この印象が付き過ぎているので、次回公演をすぐに観に行く予定だが、もうこれまでのように面白いことしても笑えないと思う。
オガワ、小川晶弘さん。オドオドして頼りなさそうなのだが、いつでも真剣、嘘偽りの無い姿。そんな純粋なところをオオタも信頼して心を許せるオアシスみたいな存在だったのかな。カオリ、あんな可愛らしい西村花織さんに普通に好かれているのは個人的には気に入らない。
虹の研究者、丸山交通公園さん。思わせぶりだった割には、本当に虹の研究者というキャラを守り通した。これから、なぜ消えたのかというデータがたくさん出てくるのだろう。この10年に渡る事件の謎は彼の知るところではなく、頭を悩ますに違いない。そして、また頻繁にオガワ宅を訪ねてくるのかと思うとちょっと面白い。
オオタの組織の同僚、森麻子さん。出番がそれほどなかったけど、最終話で素敵な表情に魅せられた。オオタを見守る母性のような優しい微笑み。
刑事、沢大洋さん。本当に男前だなあ。厳しくも優しくもといった、男のいい条件を見事に揃えている。
部下、稲葉俊さん。この方の一途な上司への信頼を感じさせるところ。いい人だよなあと。
先生、七井悠さん。第三話からだったと思うのだが、悪そうな顔。歪んだ表情が、もう悪を隠そうとずっとしてきて、それがこびり付いてしまったようだった。
他も登場されている方がいるのだが、このあたりで。
いいお話だった。
音楽が耳に残る。
CD出るかな。
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