ユニット美人の三国志 vol.4 守ってあげたい【ユニット美人】121104
2012年11月04日 KAIKA
終わってしまった。
楽しい企画が。
寂しい。
毎回、ユニット名どおりの美人女優さん方が織りなす、おかしな三国志を観に行くのが楽しみだったのに。
それにしても、三国志がちょっと分かるようになってきたから不思議なものだ。
この時代、国に対する自分の想いを各々が何らかの形でしっかり持っていた。
それは別にこの中国に限らず、日本の歴史の中でもそんな時代はあっただろう。
今、現代を生きる女性がそんな時代を生きてみて、何かを学んだ。
それは、同時にこの作品を楽しく観ながらも、私たちの心に残るものと同じように感じる。
DVD欲しい。販売はされないのかな。
まずは、主人公、粥見がパワーポイントでこれまでのあらすじを解説。
毎回、こういったシーンがありますが、どこかのセミナーの講師ばりに聴衆を惹きつけて見事なプレゼンをされます。
三国志のことをしっかり勉強して観に来ていないので、みんなお叱りを受けます。
粥見はこの三国志の世界に連れて来られる前は、仕事熱心で生真面目なOLさんなので、こういったところがあります。
今回も元の世界に戻るため、再び、三国志の世界に入り込んで、まだ分からぬ誰かを救うぞと宣言。
と、気付くと奥から同じように宣言をしている女性が。どうやら、この人も同じような境遇にあるようです。
前回もそうでしたが、この三国志の世界、粥見と同じような状況になっている人は多く、色々なキャラとして存在しています。そして、この世界にどっぷりつかってしまい、現実世界よりもこの世界で生きた方が、自分は輝いているとばかりに、すっかり落ち着いてしまっているのです。
その女性と話しているうちに、ついに自分が救わないといけない人物が判明します。
劉備の子供、劉禅。一般的に頼りなく凡庸で、孔明にあらゆることを任せっきりだったとか。そして、最後は魏に降伏して自国、蜀をつぶす。三国志の時代を終わらせた人とも言えるでしょう。
要は、この劉禅に中国統一を目指させればいいのだろう。
粥見は姜維、出会った女は馬謖となり、孔明の下で活躍し、劉禅に天下を取らせる。
そんな絵を書いて、いざ。
気付くと粥見は赤子を抱き、戦場に。足を怪我して動けません。
ここは長坂の戦い。
逃げた劉備に置き去りにされて、その子供である劉備を抱いた糜夫人になっているようです。
直に超雲が助けにやって来てくれるでしょう。
何で、こんなことになったのか。
粥見は思い出します。
姜維になった粥見。
孔明に気に入られて、魏を攻める北伐の中心メンバーに。
でも、ちょっと歴史の後半に行き過ぎた。
劉禅はすっかり大人になっており、阿呆と揶揄される姿になっている。
今さら、教育のし直しをするのも無理なことであろう。
歴史どおり、馬謖は孔明の指示に逆らい、蜀軍は致命的な打撃を受けてしまいます。
泣いて馬謖を斬る。孔明は劉禅に代わって、処罰を与えようとします。
平気な顔をしている劉禅に姜維ならぬ粥見がキレます。
これまでに歴史の中で共に過ごした劉備の想い、それに賛同して必死に戦い、そして命を失った人たち。
三国志の世界で学んだこの時代に生きた人たちの想いを熱く語りだします。
心を動かされた劉禅。心を入れかえて天下統一を目指そうと。
ところが、これを孔明はいいように思いません。
それもそのはず。この孔明、現実世界では自分の頭が活かせないと、この世界にやってきて、軍師の立場を楽しんでいる人なのです。
PTA主催のお祭り大会一つにしても、集客をするために、同時に開催される塾のセミナーを戦略的に潰そうとしたりしていた人。当然、普通の主婦たちがそんなことに賛同して実行するわけもなく、その能力を活かせないことにヤキモキしていたところ、連れて来られています。
ということで、結局、粥見の思ったようにはいかず、不正解。
赤子の劉禅を抱き、超雲を待つ粥見。
戦場では次から次へと人が死んでいく。
誰かのために命をかけたことがあるか。
もちろん無い。
でも、この三国志の世界でたびたびの不正解の中でも唯一学んで、心に残っていること。
命の大切さ。
劉禅を見つめ、その命を守ってあげたいと願う。中国統一やら何やらは歴史が決めること。そんなことはどうでもいい。
ただ、生きて欲しい。
そんな願いを胸に、助けに来た超雲に劉禅を頼み、自らは足を怪我しているので逃亡の邪魔にならぬように古井戸に身を投じます。
歴史は進みます。
史実は変わらず、蜀は魏に滅ぼされる。
でも、劉禅はその魏に保護されて、65歳の寿命を全うした。
粥見は確かに、命をかけて、劉禅という一人の命を守った。
と、ちょっといい感じで終わりかと思ったら、やはり不正解のブザー音。
結局は・・・
すかされた感じでラストを迎えるのは、多分そうするんだろうなと思ってたから想定範囲内。
終わったのか、まだ続くのかとあやふやな形のラストはこれまでどおりとも言えるかな。
だいたい、最後は歌とダンスで強制的に終わらせている。
とにかく、楽しい企画だった。
vol.1を観て、これはいいぞと感激したのが、今となっては懐かしい。
その時の感激がこの最終回までずっと続く、素晴らしいシリーズ企画であった。
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