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2012年8月29日 (水)

もう一つのシアター!【劇団カオス】120828

2012年08月28日 芸術創造館

ようやく、大阪市立大学のこの劇団を拝見することが出来ました。
学生劇団も少しずつ観ようと思いながら、なぜかここだけはずっと日程が合わずだったので。

思っていたより、ずいぶんと力いっぱいに演じられるんだなあと。
大学のイメージでもう少しスマートな印象を持っていた。声量もあるのでしょうか、かなり、力がこもった演技の印象を受けます。
脚本の影響もあってか、ガヤガヤと少々まとまりの悪い騒々しい感じから始まり、話の進行とともに一つのまとまった形に収束していく感じでした。
元気いっぱい、若者らしい雰囲気です。少し、力を抜くところもあれば、メリハリがより効いて、観劇はしやすくなるような気がします。
全力は大変結構ですが、ずっと観てると疲れるところもあります。

なかなか厳しい台所事情、300万円もの借金を抱える劇団、シアターフラッグ。
主宰の男は、立派な社会人の兄に泣きつく。
何とかお金を借りれて、窮地は脱したものの、2年で結果を出さなくてはいけないことに。
父が売れない役者で、最後は無理がたたって亡くなってしまっていることもあり、演劇で食べていくことなど甘い考えだと兄は弟に手厳しい。
正直、あきらめさせようと思っているみたいだ。

そんな劇団に、高校での地方公演の話が舞い込む。
劇団には人気の声優も所属しており、きっと多くの高校生に観てもらえる。そして、劇団のことを評価してもらえるチャンスだ。
否が応にも、劇団員のテンションは上がる。
主宰の弟はじめ、盛り上がる劇団員、それを冷静に抑えながらも影ながらシビアに援助する主宰の兄、声優ではなく、劇団員としての自分を確立したいと思っている人気声優。
みんな、やる気満々でいざ高校に乗り込む。
数時間後には開演だ。

でも、トラブルが連発。
大事な小道具のゴミが本当にゴミと間違われて捨てられてしまう。しっかり、小道具だと表記しておいたのに。
大道具が届かない。朝9:00までに到着と言ったはずなのに、誰かが夜9:00だと電話で伝えたらしい。
当日パンフレットに劇団のことが一切書かれていない。人気声優のことばかりが記載されている。劇団紹介を記した原稿を渡しておいたはずなのに。
誰かが、公演を妨害しようとしている。
一体誰が、何のために。
ニヤリと笑う高校の先生。

公演を中止するわけにはいかない。
妨害に屈するつもりはない。
演劇は自分たちの大事な夢。だからこそ、好きなだけもがいて、どんな状況だろうと最高の公演をやってやる。
まもなく、開演。

夢に向かって突き進む者たち。でも、その夢がどれだけ厳しいものかを知る者とのバトルって感じでしょうか。
好きなことをやることが夢を追うことではない。そこに潜む厳しい障害も全部含めて、楽しめる自信があるのかを問い正すいい機会を得たような話です。
劇団員の夢は、この事件で本当の夢になったのではないでしょうか。だから、本気で全力でこれから、追い続けることでしょう。
そして、そんな夢を追う者を信じ、ともに走るのもいいかななんてことをきっと、兄も先生も思っているはずです。
全力で走ることの魅力を感じさせる素敵な話であり、それを作品としての話同様に真摯に全力で演じたような作品でした。

役者さん、役名をしっかり覚えていないので、HPのメンバー紹介を拝見しながら覚えている限り、書こうとしていますが、間違いあるかもしれません・・・
もし、関係者で読まれておかしいところがあれば、コメント等でご指摘いただけるとありがたい。
何といっても、この作品は兄のトーマスうでおさんかな。素晴らしい安定感。ミスっても落ち着き払ってるものなあ。騒ぐ劇団員の後ろで常に冷静な姿。数多くの素敵なセリフ。誰よりも夢の厳しさを知り、同時にその素晴らしさも知っているというような経験豊富な魅力あふれる大人の姿を演じています。
弟の井塚かるろさん。兄に甘えているなんてよく言われますが、本当にそんな甘えを見え隠れさせる姿から、徐々に自分を見つめ直すのか、後半は頼もしい姿へと変わっていきます。それでも、愛らしい素直に喜び、泣きという純粋な姿は、夢を全力で追いかける素敵な魅力を醸し出しています。
声優、るぐ。さん。ふんわりとした感じの方です。周囲が作り上げた像と自分が追い求める像のギャップに苦悩する。人気声優としての姿は、この方にとって一つの夢の通過点ということなんでしょうが、周囲からしては立派に達成された夢であり、なかなか理解されるのは難しいですわね。現状満足だなんて、それで歩みを止めたらそれでおしまい。売れない役者さんであろうと、売れている役者さんであろうと関係なく走り続ける。夢なんて終わりが無く、いつまでも追い続けるものなのかもしれません。

(2012.0830:以下、ご指摘を受け、一部追記・訂正。トーマスうでおさん、ありがとうございます。)
ゴミ夫とゴミ子は、マコラエ次郎さんと琳琥さん
ありこさんかなあ。
小道具のゴミが無くなったので、ゴミ役を授かり、劇中劇でもたっぷり笑いをとられる方たち。
マコラエさんは甘いマスクを活かして、この不条理な役でのギャップ笑いを引き出す。琳琥さん
ありこさんは、緩い関西弁を駆使して柔らかな雰囲気を出しながら、ちょっときつい感じも出す。なかなか味わいのあるお二人でした。

用務員のおじさん、面田しげ子さん。この作品、けっこう公演されているみたいですが、みんなあんなキャラなのかな。かなり卑怯な強烈なキャラです。変なおじさんそのまま。

先生、ぞ~りょうさん。学生さんとは思えない貫録。前半は、わざとらしい妨害の策略ばっかり練ってイラ立つキャラなのですが、後半はだいたい妨害の理由が読めるのでその真意の語りに集中します。一人語りのシーンなど、力がこもっていてよかったです。観る側の気持ちの問題なのでしょうが、にやけた笑顔に対する前半の嫌悪感から、後半の若者を想う優しい笑顔の魅力。同じ人の笑顔なのに不思議なものです。
その娘、ないとめあさん。グスグス泣いて、慰め励まされて笑ってのアイドル的なポジション。見た目を活かしたいい役どころですね。親子の会話では素直ながらも凛とした自分の夢に対する覚悟を語ります。

高校の案内役、広松しょうほんさん。なんか存在感たっぷりです。面白いことしそうな感じで、最後まで場をまとめる役に徹していました。
高校の実行委員や元劇団員にまだ何人かいらっしゃるのですが、ちょこっとしか出演されなかったので、申し訳ないですがはっきりと記憶に残っていない。

あと、劇団員の残りの方が、はっきり役と一致しない。ごちゃごちゃになってるので、自信ないけど一応。
途中、演出したりするしっかりした感じの子がありこさん
琳琥さん
NO!と書かれたシャツを着てた何かせわしい子、キタカンナさん。
男らしいツッコミを連発してたちょっと男前の方、カメレオンRSさん
シャツ太郎さん
ゆかり
牧子(上記、演出してた子)という子に気があるのか、ちょっと中性的な感じのcook トモゾヲさん。
スズ
(上記、NO!シャツの子)によく絡む、まだ幼い可愛らしさを残す感じのTPDDさん。
タンクトップにニット帽、随分と頭をいじられてたシャツ太郎さん
カメレオンRSさん

ぐらいだったと思うのだが。
ご自分方ともオーバーラップさせたような話なのかもしれませんね。
一言一言に力がこもって、演じることに自信を持って話されているように感じました。
夢を追うべきか、あきらめるべきかみたいな、ちょうど苦しい時期にいるぐらいの方々なので、こんな作品を通じて自分の想いも役にこめて演じられていたのでしょう。
素敵な話で、それを目一杯、語りかける力溢れる作品に仕上がっているように思います。

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コメント

突然すいません。
劇団カオスのトーマスうでおです。
この度はご来場いただきありがとうございました。

キャストですが、琳琥とありこ、カメレオンRSとシャツ太郎がそれぞれ逆になってます。
また、cook トモゾヲ演じる翼が好きなのは、ゆかりではなく牧子です。
わかりにくい当日パンフレットで申し訳ありませんでした。

楽しんでいただけたようで嬉しいです!
今後も劇団カオスをよろしくお願いします。

投稿: トーマスうでお | 2012年8月30日 (木) 09時32分

>トーマスうでおさん

コメントありがとうございます。

キャストの訂正、ありがとうございます。
ご迷惑おかけして申し訳ありません。訂正いたしました。
カメレオンRSさんやシャツ太郎さんは、多分混乱しているなあと思ってたのですが、琳琥さんとありこさんまで間違っているとは・・・
HPの写真で確認しててたんだけどなあ。

この作品と同じような雰囲気を持つ劇団みたいですね。
思いっきり力溢れて演じる皆さんのお姿がとても楽しく感じました。
また、機会あれば、キャンパスでの公演にも伺いたいと思っております。
皆様の今後のご活躍を祈っております。

投稿: SAISEI | 2012年8月30日 (木) 12時12分

こんにちは。本の感想記事を
トラックバックさせていただきました。
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投稿: 藍色 | 2013年1月 4日 (金) 16時11分

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