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2012年7月

2012年7月31日 (火)

ほたるの水辺【HPF高校演劇祭 大阪市立咲くやこの花高等学校】120731

2012年07月31日 ウィングフィールド

静かで淡々としたお話。
出会い。そこから生まれる相手への大切な気持ち。自分の中に宿り始める新しい心。
蛍をキーワードにして、そんなものをありがとうという感謝の気持ちで紡いでいったような作品。

話としては蛍という女性と、高校生三人が、昔から大切にしていた蛍が住むような水辺を開発から守ろうとする。
でも、まだ幼き高校生たちに、そんな大人の行動を止めることは出来ない。個々にも色々な悩みを抱えている。そんなことに悩み苦しみながらも、懸命に頑張るが必ずしもいい結果を得れるわけではない。
開発は進む。大切な場所はやがて無くなる。
でも、ずっと見守り続けてきた。大切に想ってきた。だから、ありがとうだ。この大切な場所で得られた出会い、そこで生まれた自分の大切な気持ちに。
よくありがちな話ではあるのだが、少々解釈は難しい。
単純に蛍の住む水辺を守るような話ではもちろん無い。

これはあくまで私の個人的な見解だが、全般を通して、出会いとその継承への感謝の気持ちが浮かび上がる。
どうも、蛍という女性が、高校生たちが通う学校の昔の制服を着ているところが、気になって仕方が無い。
過ごしてきた大切な場所。そこには時を超えて残る先人たちの想いが宿る。それはずっと今の私たちを見守り続けてくれている。それは見ようとしなかったら決して見えない。でも、目を向けさえすれば、それは色々な形で見えてくる。そんな人の想いが紡がれて蓄積した念は、蛍の光のように私たちを照らしてくれる。
光はこれからもずっと照らし続け、私たち自身もそんな光の一つとなって、この場所にやって来る人たちを照らし、見守り続けたい。私たちが感じたありがとうという気持ちは、時を超えて継承されるものであって欲しい。
演劇に例えてしまうなら、残される大切な作品の一つ一つは、出会いから生まれた蛍の光であり、この作品自体もそんな光となって欲しいという祈りが込められているように感じる。

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2012年7月30日 (月)

銀河旋律【HPF高校演劇祭 堺西高校 演劇部】120730

2012年07月30日 ウィングフィールド

キャラメルボックスのハーフタイムシアターの代表作。
数々の劇団が公演しており、高校演劇で公演されることも多いみたいだ。
ダブル、トリプルキャストにしたりすると、各キャラの個性が顕著に浮き上がり、色々と作品の雰囲気が変わって、また違った魅力が発掘される作品らしい。

今回はHPFということで、もちろん現役高校生が演じる。
他公演を観たことが無いので、残念ながら比較のしようがないのだが、高校生が演じるということでどんな魅力が
浮き彫りになっているのだろうか。
観終えて思うのは、恋は盲目じゃないが、ずいぶんとまっすぐな若い恋愛観が出てるなあということ。
好きだから好き。そこに周囲の人達は見えていない。二人の世界が築かれるのならば、なりふりかまわない。自分さえよければとまでは言わないが、それに近い感覚がある。

作品中に女子高生が出てくる。先輩にあこがれのような恋心を抱き、友達に抜け駆けしてでもその想いを伝えようとする。友達を裏切ることになるが、そこに罪悪感は感じられない。うまく友人関係を調製するようなこともしていない。好きだという気持ちに勝るもの無しという若さ溢れる恋愛観のような気がする。
過去を変えられた男は、かつての恋人とは違う人と結婚することになる。でも、そんな人には見向きもせずに、たとえその人を傷つけることになったとしても、自分の好きな恋人との未来を得るために奮闘する。さらに、過去を変えた男とそれなりに幸せに暮らしている好きだった恋人のその生活は認めない。今、幸せにしているなら、自分はその幸せをいつまでも願って身を引く。好きな気持ちは変わらないから、ずっと見守っているねみたいなかっこつけた行動は一切取らない。とにかく、自分の好きな人と一緒になるゴールしか見えていない。
こちらは大人なのに、特に女子高生の恋愛と変わらない姿である。

妥協や調整なんか無い。好きな人と一緒になる。これ以上でも、これ以下でもない姿。そのためには誰かに打ち勝つ。その過程で傷つける者も出てくるだろうが、やむなし。恋愛の原点なのかなとも思う。本気の恋ってこんなものかもしれない。そして、いつの間にか、そんなこと出来なくなったりするような気もする。別に遠慮したり、ライバルのことを想うなんて殊勝な気持ちは無いけど、がむしゃらに好きだなんていつの間にか忘れてしまっているかもな。
作品中に万葉集の歌が織り込まれる。
何世紀も前に、当時の色々な人が恋い焦がれる気持ちをストレートに表現したものだ。会いたい、会いたい、会いたい。狂おしいぐらいに、好きな人を想う。
恋の原点とも思える、日本の最古の歌集がとてもこの作品の恋愛観にフィットしている。

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2012年7月29日 (日)

ジェリーハウス【劇団暇だけどステキ】120728

2012年07月28日 インディペンデントシアター2nd

多分、6回目の観劇になります。毎回、基本的に面白いキャラクターが登場して楽しい作品を創りだす劇団です。
前回は、これまでと少々風変わりした作品で、謎解き要素を入れ込んだ深い話でした。でも、本来、この劇団が持つほんわかした温かみが奥底に潜んでおり、最後は人の憎しみをそんな優しさで包み込むような形になっていました。
今回も少し似たところがあります。
逃げ出したい、避けたい、封じ込めてしまいたいような悲しみやつらさを、人の想いあう気持ちが打ち消すような話です。悲しみやつらさは過去に経験している以上、消えるものではありませんが、それを自分の中で昇華して、逃げずに新しい人生を歩んでいく。そんな希望の光を感じさせるものとなっています。
前回と異なるところは、これまでの楽しい雰囲気を完全に維持した状態で話を展開させています。そこには、もちろんお得意とされる奇抜で個性的なキャラをふんだんに盛り込んでいるところもありますし、さらに踊りなど新しいエンターテイメント要素を果敢に加えたところもあるでしょう。
要は、これまで拝見した中で、ここがこの劇団の魅力だなと思っているところを、うまくまとめあげて仕上げたように感じます。
話の展開の面白さのホルマリンヘッド、単純に笑えて面白い短パン、人への想いを扱った感動させるガニット団、エンターテイメント作品としての最高傑作ビックスターブルースなど、代表的な過去作品の魅力がこの作品に詰め込まれているようでした。

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2012年7月28日 (土)

シニガミと蝋燭【ミジンコターボ】120728

2012年07月28日 ABCホール

あ~、あのミジンコターボを観て、こんな気持ちになるとは夢にも思いませんでした。
でも、思ってしまったのでそのまま書きますが、何かいまひとつだったなと・・・
これまで、この劇団は何回も拝見していますが、こんながっかりさせられるわけがない。疑うべきは、作品うんぬんより、自分のバイオリズムの方かもしれません。暑さのあまり、頭がおかしくなってるのかなあ。
後半は退屈になって、意識が飛ぶ始末。
関西で面白い劇団挙げてと言われれば、どう考えても名前が挙がる劇団。その劇団の本公演で、最前列でボーっとなって寝るとは、もはやファンですという資格が無いくらいの情けない観劇をしてしまい、申し訳ない気持ちでいっぱいです・・・

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13 ~招かれざる客人【ARTIST UNIT IKASUKE】120727

2012年07月27日 ロクソドンタブラック

3回目の観劇ですが、相変わらず見事なスレ違いドタバタコメディーです。
今回は、ミステリー風の謎明かしの部分も加えて、さらに巧妙で複雑な作りになっています。

過去の2回と比較すると、単純にとてもよく笑える面白い話になっているように思います。かなり笑えるポイントが散りばめられており、それもその場だけの笑いでなく、そのシュールさが後を引いてさらに面白くなっていくようなところも見られます。
もちろん、過去作品も面白いのですが、巧妙な作りが凄いなあといった方が強く感じられ、笑いという点では少々弱かったのです。
盛り上がり方も、スレ違い、勘違いによってドタバタになっていくまでの時間が少々長く、前半が退屈するところが見受けられたのですが、今回はかなり早い時点でエンジン全開となっています。

ただ、そうなったらそうなったで、また新たに不満も出てくるもので。
公演時間が2時間強。スレ違いを早い段階で笑いにつなげているので、少々それを引っ張りすぎて、今度は後半に飽きがくるようなところがあります。
特に、劇中の話としては種明かしの確証がまだきちんと得られていないけども、観ている側はもうだいたい全てのことが分かってしまっているようなことがあります。
その場合、そこからが長いともういいやと少し嫌気が出てしまうような気がします。ビシッと終わらせてくれた方が気持ちがいい。
この手の作品では、話自体よりも、その演出を楽しむウェイトの方が大きく、それを楽しんで時間を過ごしているならば、話が完結していないくらいの終わり方でも十分満足できるように思います。
今回は話としても綺麗に成立させる、それもちょっと感動させようとしっかりと描こうとされているので、ラストあたりがもたついている感があります。

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夏休みだョ!青春探偵【たかつかまさひこのミステリー劇場】120727

2012年07月27日 神戸アートビレッジセンター KAVCホール

昨年、拝見した同シリーズの作品の感想を読み返してみましたが、まあ同じですかね。
http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2011/10/111001-8718.html
楽しいの一言なんですよ。

期待どおり、シリーズ化してくれました。かなり著名でお忙しい役者さんが揃っているので、多分、無理なんだろうなと思っていましたが、大半が同じ役者さんで、今度はこの暑い夏に登場です。
嬉しいですね。きっと役者さん方もこの作品をするのが、客以上に楽しいのかもしれませんね。
舞台でとても輝いていました。
もちろん、作品名の青春探偵は、昨年に引き続き、暑苦しい演技では定評のある岡本拓朗さん(劇団赤鬼)。
期待を一切裏切らない、熱い男っぷりを見せてくれました。

にしても、最前列に座れば、圧迫されるから危険だと分かっていながら、またそこで観劇してしまいました。
案の定、グイグイ来られて、とてもお顔を拝見できない状態に。
おなか、足元を中心に観ていましたが、けっこう痛々しいあざなど怪我をしている方が多い。
稽古は激しいんでしょうね。最高のエンタメに潜むプロ魂もそんなところからうかがえます。

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2012年7月26日 (木)

一日だけの恋人【HPF高校演劇祭 関西大学第一高校 演劇部】120726

2012年07月26日 ウィングフィールド

上手だなあ。
演劇経験の無い素人なので、何をもって上手と言うのかが実は分からないので、あまりブログでは使わないようにしているのだが、思ったままに書くためにはこの言葉しかない。
そして、とても素敵な演じ方だ。
二人芝居であるが、お二人自身の魅力はもちろん、その掛け合いが楽しくて仕方なかった。

爽やかな雰囲気の中で進む話に盛り込まれた多くの笑い。人が想いあい、分かり合っていくことへの喜びに似た感覚。自分を振り返りながらじっくり考える時間。
楽しい50分だった。
自信を持って、どんな人にもお薦めできるだけの本当に良かった作品だけに使うことにしていて、出し惜しみしている絶賛という言葉をここに記しておく。

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親の顔が見たい【HPF高校演劇祭 枚方なぎさ高等校】120725

2012年07月25日 シアトリカル應典院

この難しい作品をよくここまできちんと創り上げたものです。
その力に深く感動しました。
決してあっていい話ではありません。本来ならば、ダークファンタジーのジャンルであって欲しいぐらいですが、今となってはこれはノンフィクションとすら捉えてもよい話になってしまっています。
そんなテーマに身近にいる高校生の方々が主観的、客観的な視点両方からこの話を色々と見つめ考えながら、一つの表現物にされたことに賞賛の気持ちを贈りたいです。

この作品は一度拝見したことがあります。
吹田市民劇場おむすび座という社会人劇団が公演された時のものです。
(その時の感想:http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2011/02/110205-165b.html
あらすじは、読み返してもどんな作品だったか分からないことが多い私にしてはなかなかうまく書けているような気がしますね。どんな話だったかはこちらを参照ください。

一度拝見しているので、観るポイントとして、高校生が演じたら何か変わるかなといったところでした。
二点あります。どちらも、少し嬉しい気分になりました。
一つは、全く笑い部分が無いこと。笑えない話だから当たり前だと思うかもしれませんが、以前拝見した時はけっこう笑いが起こったのです。覚えている限りでは、お茶を執拗に薦める先生のシーン、生徒が控えている部屋で生徒は平然としてると先生が語るシーン、テンションの高い新聞配達店の男が現れるシーン。
その時の客席の雰囲気、役者さんのオーラ、巧みなセリフまわしなんかも関係はあるかもしれません。でも、もっと根本的な違いを感じます。
今回の作品では、本来、演じる役者さんの立場は、舞台には一度も登場しない控室で待機させられている高校生のはずです。そんな高校生が、舞台に登場する親という大人の姿を描いているのです。そして、観ている客も同じくそんな高校生。要は作品に対する視点が全く異なるような気がするのです。大人が描くこの作品はどこか距離があり、ブラックユーモアのような感覚が残るのではないでしょうか。それが、まさに自分たちの問題とばかりに深く真剣に見つめているようなものが感じられ、姿勢を正して観ざるを得ないぐらいの圧倒的な力を感じました。

もう一つは、親の描き方です。
これは、以前に拝見した時に感じたことが漠然としているので分かりにくいのですが、その時感じたことは、5組の親が全く別物に思えたのです。だから、私はその時の感想に、親によって子供は変わってしまうので、この話の結末以後のストーリーは各々全く異なり、それに不安を感じるような書き方をしています。
もう子供はこんな親のことを見限っているのではぐらいの感覚を持ちました。大人が描いているので、やはり同じような潜在観念があったのかもしれません。だから、ラストにこれから親子の話し合いの場が持たれるとなっても、何の展開も生み出さないような気がしたのです。
今回はそれがありません。結末に不安感はありませんでした。きっと、この後、何か変わるのではないだろうか。どうか変わって欲しい。親も子供も。そんなあきらめてはいけない希望を感じたのです。
恐らく、それは親への描き方だと思うのです。ある共通点が感じられ、それは親がどんな形だろうと絶対的に子は親を想っているという感謝の気持ちのようなものが全体的に感じられるのです。高校生が創りだした、この作品のようなちょっと困った親でもやはりその愛情が潜んでしまうことがすごく嬉しく感じました。親は絶対に子を想うという風に考えていましたが、本当は逆かもしれません。子供はどんな親でもやはり見捨てたりはしないのでしょう。それを今の大人は忘れているのかもしれません。

色々と苦しい時代です。コミュニケーションは薄れ、親子の絆すら無くなりつつあると言われる今の世の中。でも、こんな形で作品を創らせてみたら、やはりどこかにそんな絆を信じている姿が浮かび上がっています。それを子ども側から伝えられたといった感じです。
大人が描いたこの作品で、同じような気持ちにさせてくれることが出来るでしょうか。出来ないといけないと思います。そのためにしなくてはいけないこと。本当に子供を想うこと。それがどういうことなのかは、この話の中で反面教師のような形で描かれているように思います。

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2012年7月25日 (水)

亡いて想ってGIRL【HPF高校演劇祭 大阪産業大学付属中学高等学校】120724

2012年07月24日 シアトリカル應典院

何か凄かったな。
おかしな人しかいないんだもの。
こういう高校なのか、演劇部にこういう人が集まってくるのか、入るとそうなってしまうのか。
とにかく、個性的な面々が揃っていた。そして、それを活かした作品創りが成されている。
コメディー要素は大きく、面白いことが出来る方もたくさんいらっしゃるので、かなり笑いの多い作品になっている。
高校生の作品ではなかなか珍しい、アドリブだろうか、大喜利のようなシーンも盛り込んでいる。下手すれば、作品の空気を変えてしまうような悪乗りの可能性もあるわけで(一般の劇団でもそんなことが多々見られる)、そこを信じて自由に演じさせる顧問の先生方の創作への指導方針や、それをきちんと受け止めている生徒さんの賢さがうかがえる。

評価すべきは、この笑い豊富な面白さはもちろんであるが、きちんと演劇らしい作品に仕上がっているところである。
妄想をうまく使って、多重構造となっている構成は、私のような素人にとっては見事な作りである。
さらに、作品名の意味合いがしっかりと描かれているところも素晴らしい。
亡くなった女を想う。妄想。話自体が、作品名に綺麗に収束している。
最後は、妄想の中から得た自分の想いを現実の世界で表現しようとする姿で締められる。妄想という閉鎖空間から、一歩踏み出し、前へと進んでいこうとする自己脱却のスタイルはある意味、演劇作品の定番とも言えるが、その描き方は若々しくてとてもいい。

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2012年7月24日 (火)

FOLL IN DOWN FEEL SO GOOD【アコヤの木】120724

2012年07月24日 インディペンデントシアター1st

上田ダイゴさん(マーベリックコア)の作・演での曽木亜古弥さんの一人芝居。
偉そうな書き方になるけど、さすがは奇才、ダイゴさんの作品だけあって、巧妙でうまく出来てますね。伏線の回収の仕方にゾクゾクきます。
と言っても、昔、火ゲキか何かの短編で拝見した時には、確かあまりいいことをブログで書かなかった覚えがある。巧妙な作りなだけでは、贅沢ですが満足しないんですね。そこに心を震わせるものが無いと。
今回はそれが曽木さんになるのかなあ。
優しく心温まる様で描かれた様々な登場人物の姿は、話としてのハッピーエンド以上の幸せを感じさせます。
お二人の絶妙なコンビで創られた作品が、見事な相乗効果を生み出しているようです。

(以下、ネタバレ注意。水曜日の公演終了まで白字にします。で、そんなネタバレうんぬんはどうでもよく、もし、最終公演までにこのブログを観たなら、劇場に行ってみませんか。かなりお薦めです。謎解きみたいな作品が好きなら、その伏線回収を楽しめますし、心温まる作品が好きなら、各エピソードで感動することが出来ます。観方次第で色々な楽しみ方が出来ますよ。)

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2012年7月23日 (月)

馬鹿とゆとりとWORKING.【HPF高校演劇祭 関西福祉科学大学高等学校】120723

2012年07月23日 ウィングフィールド

ゆとり世代をテーマに、今、自分達が生きる世代が社会でどのような位置づけで扱われるのかを不安に思う気持ちから生まれた作品だろうか。
色々と難しい世の中になっているのは確かであり、未来がまだまだ溢れんばかりにある若い人にとっては、これからのことを考えると不安も大きいだろうね。
でも、そんなに心配することはないんじゃないかな。
私は40代であるが、私たちの世代もバブル世代とバブル崩壊世代の軋轢があった。
馬鹿なのに有名大手企業に楽々と入社している先輩。厳しい面接で散々に自己否定されながら必死に掴み取った入社。入社した気持ちの真摯さが違う。あいつらになんか負けるものかとずいぶんと尖っていた時期も今では懐かしい。
古くは戦争を経験した世代、戦争を知らない世代など、いつの世にもこんな世代の軋轢は存在する。
だから、おざなりの言葉ではあるが、結局は自分である。他の人がどうとか考える前に、今の時代を生きる自分をどこまで高めれるのかだけ考えればいい。それをきちんと認めてくれる人もいれば、自分の世代に囚われてそれと異なる世代を全面否定しか出来ない人もいる。
どっちになりたいかと言えば、きっと前者になりたいよね。そんな風になれるのは、きちんと今、生きる世代で自分を見つめ、その中で頑張った人だと思う。自分もそうなればいい。
何も難しく考える必要は無い。

綺麗事かもしれない。
確かに、こうして文章で感想を書くと、ちょっといい感じに書きたいから理想論を恥ずかしげも無く書いている。ましてや、その相手が今回のように高校生だと、おじさんとしては説教じみたことを申し訳ないが書きたくなるものだ。
でも、今の世の中や世代がどうとかは関係なしに、今の自分を頑張ることが大切だということは本気で思っている。
私はけっこうな頻度で観劇をしている。仲間内の言葉であるが、観劇中毒といった状態である。何で、そんなに観劇するのという問いに、面白いとか、楽しいとかいう答えの前に、多分これが理由だろうなということがある。
頑張っている人を観に行くのが嬉しいのだ。別に演劇だけでは無く、スポーツをはじめ、そんなことを感じれることはたくさんあるかもしれない。でも、それが演劇だった。
役者さんをはじめ、スタッフの方々など多くの演劇に関わる人は決して恵まれているようには思えない。ひどい書き方をすれば、一般の目からすれば、社会不適合者の集まりだとまで言えるのかもしれない。でも、どれだけ頑張って、私たち観劇客に素敵な作品を見せてくれているのか。
そこには、今の表現活動を大事にされにくい世の中や、まあ普通に会社にでも勤めてお給料をもらっている人への不満や羨望はあっても否定は無い。そんなことより、今の自分をどれだけ高めて、いい作品を創れるのかにある。そんな姿が素敵に映って仕方が無いのだ。そして、そんな人と観劇を通じて触れ合うことで、自分も何かそういう考えに近付いていきたいと考えている。
世代の違いも同じようなものだと思う。あの世代だったらよかったとか、自分の世代は不幸だとか言う前に、今をしっかりと生きて、最高に輝く自分を目標に生きたいものである。

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2012年7月22日 (日)

サクゴエラボラトリー vol.7 『ラッキーセブン!』【短冊ストライプ】120722

2012年07月22日 Live SPACE Vi-code

1、3、5月と予選があり、そこを突破したユニットの二人芝居決勝戦。
なかなか予定が合わず、3月の2回目の予選しか拝見していない。
(3月の予選の感想:http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2012/03/vol5-120323-ae8.html
その時、突破したレトルト内閣とイッパイアンテナももちろん出場。
他5組を合わせた、全7組が7~8分の作品で勝負される。

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音の聞こえた町。【en:en】120722

2012年07月22日 インディペンデントシアター1st

祝900本目記念観劇。2009年01月16日初観劇以来、3年半年余りで達成。
素晴らしい作品でよかったあ。
もう、ラストの30分は歯をくいしばって、とにかく泣かないようにと。
じわじわとくる上に、役者さんの情熱的な演技が尋常じゃないので、その優しく熱く、心震わせる演技に一瞬でやられそうに。
左内腿の写真を載せたいなあ。数か所、青あざが出来ています。泣かないようにと、つねりまくったからね。
素敵な作品を観ると、どうしてこんなに気持ちがいいのかなあ。
嬉しくて、嬉しくて仕方が無い。
柄じゃないからしないけど、ちょっとスキップして外を出歩きたい。

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それぞれ夢【HPF高校演劇祭 吹田高校 演劇部】120721

2012年07月21日 ウィングフィールド

観ているうちに不思議な感覚を得た。
妙にリアル感があるなあと思ったのだ。
話としては弱小演劇部が同じように弱小合唱部とともに、一発何かやってやるみたいな話である。その中で、色々な出来事があり、友情なんかを絡ませて、熱血青春ドタバタコメディーみたいな形をとっている。
このパターンの作品はけっこう拝見する機会が多い定番のものである。
でも、観ているうちにどうも自分がこれまでと少し異なる感じ方をしているなあと思った。
最初は、恐らく、高校生が演じているので、それこそクラブ活動をテーマにするのは本来、十八番なはずであり、先輩・後輩の絡みや青春時代の複雑な友情の描き方がリアルさを感じさせているのだろうと思った。
でも、多分、そこだけではない。
何かをやり遂げる熱血ぶりを描いているのは確かなのだが、同時に何かを残すという高校生の部活動特有の使命が描かれているのではなかろうか。
限られた期間の中で目標を達成する。それは同時に後輩たちの新たな目標を生み出すものでなければいけない。世代を超えて紡いでいく自分たちの想い。大げさかもしれないが、それが伝統の重みというものであろう。
自分のやりたいことを単にやり遂げて満足するのではなく、相手の気持ちも考えて、皆で満足するものを創り上げていこうとしている。
そんな考え方が伝わってきて、心が熱くなった。
何か本当に感動してしまい、けっこうコメディー要素が豊富なのに不覚にも泣きそうになった。
何とかこらえれたのは、目の前でどこを見ればいいのか分からないくらいに、若さ溢れる高校生の弾けた姿が見れたところが大きい。

高校生が演じるからと言って、特別視をする必要は無いとは思うが、それでも、HPFは、普段の観劇とは少々観る時の感覚が変わる。
今の高校生が、その時代に生きるご自分方の気持ちをしっかり伝えている作品が良い作品だと思う。
私が感じたこれまでと異なる感覚は、高校生だからこそ伝わったものであるような気がする。
そういう点では、この作品は名作である。

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目頭を押さえた【ABCホールプロデュース公演】120721

2012年07月21日 ABCホール

10分、遅刻してしまった。
この前に観劇した作品が思いもよらず2時間半超えで、タクシーを飛ばして劇場に駆け付けたのだが間に合わなかった。
かなり前列を予約しており、スタッフの方も何とか予約した席に誘導しようかと言ってくださったのだが、さすがにこの静かな作品に遅れて入ってきて、前の席に座るというのも迷惑かと思い、最後列で観劇。
ABCの2階後列はやっぱり、舞台の役者さんが小さく映る。
残念だった。

う~ん、悩んでいる。
ブログを書く前に、なるべく他の人の感想を見ないようにしているのだが、かなりの話題作なのでどうしても目に入ってしまう。
その中で、面白いとか良かったという言葉は完全に同意する。
ただ、どんな感覚でその言葉を書かれているのだろう。
私の感想は、面白いし、よかったけど、ものすごく気味の悪いモヤモヤが残っているのだが。
希望もあまり見出せない。若い女の子二人にはそれをほんの少し感じるものの、大人たちや、恐らくはその大人の仲間入りをしないといけない子供に関しては、絶望に近い嫌なものを感じる。
田舎町の閉鎖的な慣習、そこに宗教的な感覚もあり、この人間関係の描き方が、ものすごくしんどい気持ちになる。

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夜明けの、クローカ【坂本企画】120721

2012年07月21日 ロクソドンタブラック

私には難しかったです。
たくさんの物語が語られます。個々を楽しむことは出来るものの、それをつなげ合わすことが出来ませんでした。
誰が誰に語っている物語なのかも、結局分からず終い。
苦手の空間軸、時間軸をともに動かしまくるパターン。
上演時間も2時間半超え。上演時間が長いのは仕方がありませんが、Twitterやブログでもっと警告しないといけませんね。はしご観劇者に優しくありません。一部の役者さんはされていましたが。始まりが10分押しで次の観劇予定に間に合うかどうかが気になりイラっと。
最後は完全に集中が途切れます。

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2012年7月20日 (金)

祭りよ、今宵だけは哀しげに -銀河鉄道と夜-【HPF高校演劇祭 淀川工科高校 演劇部】120720

2012年07月20日 ウィングフィールド

銀河鉄道の夜をベースにした作品。
死者との決別のような厳しい一面もやはり描かれている。震災をはじめ、失ったものを見つめ直して、未来へ向けて生きていかなくてはいけない今の世の中。確かに心に響く話である。
同時に、生死だけでなく、高校生らしく、悲しみ、つらさ、不安など、この時期に感じる現実から逃げ出してしまいたいくらいの様々な心情を、自身でしっかり見つめ、今、自分は何をしないといけないのかという自分探しの要素も加わっているように思う。
当日チラシに顧問の先生が書かれている。高校時代は希望輝く時代ではない。苦しい時代で、耐え切れないくらいの重みの中で必死に生きている。
同意である。暗い不安な夜の中、光り輝く星を見つけては、その光を信じ、いつか輝く朝を迎えれるだろうことを願いながら生きていたのではないだろうか。
生きることは苦しい。苦しいから生きるのをやめてしまうの。いい加減に適当に生きてしまうの。
その苦しみを受け入れ、なぜ生きる、どう生きるという深い問いへの答えを見つけ出す。カムパネルラの死は、苦しみの最大の象徴であり、それを見つめ、そこから生きること、その喜びを得るまでのジョバンニの姿が狂おしいくらいに愛らしく描かれていた。

心情表現が非常に丁寧に描かれている。
丁寧になり過ぎて、一つ一つのシーンを置いているような感じがある。悪い書き方をすれば、テンポがスローになって、リズミカルなところが少々打ち消されている印象がある。
これが悪いとは思わない。いや、むしろこれでいいのかもしれない。
スムーズな流れでスマートな作品を観たいわけではない。高校演劇という言葉で差別するのも悪いが、そういう作品は多分、商業演劇の舞台でも観に行けば、いくらでも味わえるだろう。
それよりも、ここで何を伝えたいのか、どんな気持ちで演じているのかが、真摯に伝わる創り方の方が素晴らしい。少なくとも、若い高校生が演じる作品なら、そんな姿を私は観たい。
この作品の一番の見どころは、そんな一つ一つのシーンから役としての心情をどう膨らませていったのかが想像できるところだ。苦しみや悲しみは、目を覆いたいぐらいにつらく映る。喜びは顔が自然とほころぶように伝わってくる。そんな連続の中で、最後に得られるジョバンニの強く未来を見据える目に感動を覚えるのだと思う。

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2012年7月19日 (木)

赤い男の青い春【劇想からまわりえっちゃん】120718

2012年07月18日 シアトリカル應典院

劇団としては、5月に南河内万歳一座の赤い夕陽のでんでけ伝という作品で初めて拝見しての2回目の観劇。
その時の印象が強く、役者さんはだいたい往年の日活スターという形で覚えている。
旭や小百合、怪獣になってるんじゃん。
ルリ子、・・・。
裕次郎はやっぱりちょっと影のあるいい役どころをとるんだな。
宍戸、今回は悩める男だなあ。
一番目を引いた可愛らしいのに痛いヤクザの子分は、主役、赤堀くんなんだあ。
光夫はあいかわらずのエンターテイナー。
真奈美はぎゃあぎゃあうるさくうっとおしかったのにずいぶんとセクシーな女性に。
ベタなヤクザは哀しい怪獣になっている。

赤堀くんの物語です。
大人の事情で書いたらダメなのでしょうか。ウル○ラマンのパロディーですね。
姿恰好もふざけてるし、隙間があったらすぐ入れ込まれる役者さんの笑い。
コメディー作品ではあるのですが、実は愛を描いた感動的なストーリーになっています。
震災、戦争、いじめ・・・。今、人の絆、本当に大切な人への想いを描く作品は、多くの劇団で創られており、拝見する機会も多いです。今の世の中に欠けつつあり、取り戻すためにそれを思い出させる作品を提供するのは、表現する者の一つの使命だと思われているのかもしれません。
今回の作品はある意味、規模が違います。人を超えた者への愛、宇宙にまで拡げた平和への願い。
どこを目指しているのか、常人では想像がつかない作品を創るこの劇団にふさわしいテーマを描いた作品のように感じます。

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2012年7月18日 (水)

FLY Again!~虹の彼方へ【HPF高校演劇祭 追手門学院高等学校演劇部】120717

2012年07月17日 吹田市文化会館 メイシアター中ホール

Highschool Play Festival 2012(HPF 2012)開幕。
「芝居なう」というキャッチフレーズが今をイメージしやすく、シャレている。
23年の歴史があるらしい。始まった年は私もギリギリ高校生だったわけだ。
昨年から少し拝見しているが、ご自分方の色を作り出して、若さ溢れる思い切りのいい作品が観れる。
今年は出来るだけ多くの作品を拝見したいと思っている。
どんな作品に出会えるんだろう。そして、今の若い高校生の考えていること、感じていることがどのように自分の心に響くのだろうか。
楽しみでならない。

初日は追手門学院高等学校。
本当に高校生なのか。
普段、観に行く小演劇はおろか、ちょっとした商業演劇にも決して負けないレベルの出来栄え。役者さんも貫禄の演技だった。
周囲を見渡せば、制服姿の高校生だらけの観客席。そして時折はさまれる高校生らしく微笑ましいおふざけネタの演出が、唯一高校演劇を観てるんだなあと思いださせてくれる。

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2012年7月17日 (火)

2WAY ~或はの思考~【ユニット企画≪UNI≫】120716

2012年07月16日 アトリエS-pace

原爆の話です。

本当はこの日は別の公演を観る予定でした。
恐らくはパロディー色たっぷりのケラケラ笑える作品を。
でも、ちょっと情報で戦争を取り扱った作品をここでやっていると知ったのです。当日券で飛び込んでみました。
観劇した作品を通じて、知らないことを知る。といっても、2時間程度で知るなんてことはおこがましいかもしれませんが、確かに何かは知れるのです。そして、知らなかったことに対する人の気持ちや考えを感じ取る。それが自分の心を豊かにして、何かしら、自分を変えていく。そんなことの積み重ねが、今の自分には重要なことではないかなと。
本とか、映像ではなく、観劇だと人の生の言葉で伝えられるところもいいと思うんですよね。欲しいのは知識だけでは無くて、自分よりも知っている人がどういう気持ちを持って知っているのかが伝わってくるので。

まあ、そんなことにぴったりの作品でした。特にこういうスタイルの公演だとまでは知らなかったので、何か鼻がきいたのでしょう。
作品は原爆の恐ろしさを伝えるだけでなく、二重被爆、広島と長崎における被爆に対する背景の違いなどをノンフィクションも交えながら語られるものでした。

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2012年7月16日 (月)

スパイダー!【山尾企画】120715

2012年07月15日 芸術創造館

申し訳ないが、何を描きたいのかがさっぱり分からなかった。
地底の国と現実の国での出来事を並行させながら、収束させているのは分かるのだが、互いにどうつなげていいのか分からないエピソードがある。
焦点を絞って観にくく、非常に頭悩ます観劇となった。

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2012年7月15日 (日)

Re-Collections【椿プロジェクト】120715

2012年07月15日 ロクソドンタブラック

思い出や優しさ。
心温まる作品は好きなジャンルであり、期待も大きく観劇。

話としては悪くない。
戦争で失った女性の思い出の中でただ生きる男に焦点を当てながら、周囲の人の優しさから、そんな男が今を生きていかなくてはいけないと前を向くまでを描いている。同時にそれが周囲の人たちにも伝わり、みんながこれからを生きていこうとする希望の物語になっている。
現実において、日本では戦争こそ無いにせよ、震災をはじめ、経済破綻。私たちに課せられている様々な復興への道。
そんな中で、今、そしてこれからを生きていかなくてはいけない。戦争と同じように、特に個人が何か悪いことをしたわけではない。そんな厳しい罰をうける所以もない。それでも、多くのものを失った悲しみ、憎しみ、憤りを昇華させて、それを大切な思い出とした上で前に進まないと仕方がない。
そんな時に、ちょっと周りを見てみたら、自分を見てくれている人がいる。想ってくれている人がいる。この作品の男のように、自らが人に夢を見させようとしていたなら、なおのことそんなことに気付くはず。
そんな人との絆が本当はいっぱいあることに気付いて、また頑張っていけるのではないだろうか。
この作品で語られる、世界は君が思うよりもずっとずっと優しいはずという言葉につながる。

若い人たちがそんな視点で作品を創り上げていることが感じられ、それだけでちょっとした元気や勇気が沸いてくる。優しく温かい話ながら、自分もそんな風に前を向いてみようなんて気になる力強い作品だ。
ただ、観劇した感想はあまりよくない。
そんな伝えたいだろうことが、非常に薄く感じてしまうような舞台だった。
上記の感想はあくまで本としてこの話を読んだ場合のものである。
舞台化してあまりよくないと感じてしまうことの原因がどこにあるのかは知らないが、素人考えなら、役者が下手か演出が悪いのだろう。
個々の役者さんは非常に魅力的であったし、細かな演出はわからないが、話の展開もスムーズで特に問題があるようにも思えない。
一シーン一シーンはしっかりと描かれているのだが、それがつながっていっていないような気がする。要は、積み重ねが無く、世界は君が思うより・・・という言葉の重みも始めと終わりでさほど変わっていない感じである。
素敵な話だっただけに、非常に残念な気持ちが残っている。

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Nobody is Perfect【劇団ガバメンツ】120714

2012年07月14日 シアターカフェ Nyan

完全犯罪をつき崩すトリックあばき型のミステリーと思いきや、凝った作りでコメディーにまで発展させる。
この劇団の話の魅力を十分に盛り込んでいる面白い作品である。

今回は2F席で拝見しており、見下ろす形で舞台の全体像が把握できる。役者さんの表情が見えにくいのが難ではあるが、これはこれで新鮮であった。

(以下、ネタバレ注意。一応、ミステリーなので公演終了まで白字にします。公演は月曜日まで。)

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2012年7月14日 (土)

協走組曲 第3楽章 Bチーム【ステージタイガー】120714

2012年07月14日 インディペンデントシアター1st

(Aチームの感想:http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2012/07/3a120713-63c4.html

チームは異なるが2回観ることで、話を理解することにあまり頭を使わずにすんで、作品から溢れ出るものをより感じやすくなったのだろうか。
様々なシーンで少しウルッとなってしまった。

別に宣伝する気はないのだが、素敵な作品なので観に行って欲しいとは思う。
そして、AとBはなるべく両方観た方がいいような気がする。私もAを観た後、どうもBを観てから感想を書かないと、何かブレるような気がして、今、両チーム観た後、まとめて書いている。
別キャストを楽しむというか、A、B両方観て、その登場人物像が浮かび上がるようなシステムになっているような気がするのだ。

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協走組曲 第3楽章 Aチーム【ステージタイガー】120713

2012年07月13日 インディペンデントシアター1st

感想は序章とほぼ同じだろうか。
(序章の感想:http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2012/03/120310-b8f4.html
この中で記した研ぎ澄まされたという言葉を強調したい。
この劇団のキャッチフレーズにもなっているような熱さだけで押している作品では決してない。
だから、熱いなあ、燃えてるなあといった観終えて興奮するような感覚はあまりない。
ただただ、圧倒された。
ライブでテンション上がって興奮して帰るのではなく、どこか心に訴えかけてくる強烈な美術品とかを見て心ザワザワしながら帰る感じに近い気がする。
と書きながら、どちらもそんな経験はないので説得力の無い文章である。多分、そんな感じだということだ。

恐らく、序章をベースにALL SWAMPSによる音楽と融合させた第2楽章や、路上公演において、作品としての世界観、そしてこの劇団の目指す方向に厚みが積み上げられているのだと思う。
練りに練られたこの作品を評するいい言葉は私には見つからず、ただ、父と娘のたすきでつながる絆に感動し、その親子を見守る周囲の人たちの優しさを愛おしく感じる。
美しい作品だと思う。

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2012年7月13日 (金)

エンカウントLOVE!【ともにょ企画】120712

2012年07月12日 シアトリカル應典院

現実世界でのコミュニケーション不全の問題を、電脳世界を絡めながら描いたような作品。
私たちはおかしい。
きっと何かに憑りつかれている。
だから、その何かを倒しに行こう。
そんな、コミュニケーションを取り戻す冒険劇。同時に何かを探す旅でもある。

(以下、ネタバレしますので、公演終了まで白字にします。公演は日曜日まで)

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2012年7月12日 (木)

INDEPENDENT:12 トライアル 120711

2012年07月11日 インディペンデントシアター1st

昨日に引き続き、残りの7組の公開プレゼン。

審査基準は昨日のとおり。
(昨日の感想:http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2012/07/independent12-1.html

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2012年7月11日 (水)

INDEPENDENT:12 トライアル 120710

2012年07月10日 インディペンデントシアター1st

いきなり失礼なことを書いて申し訳ありませんが、決してレベルの高い公開プレゼンではありませんでした。
一昨年から、公開プレゼン、本選と拝見していますが、一番魅力が薄いように感じます。
3組がこの二次審査通過で最終の三次審査へと向かわれますが、このままのレベルでは本選で楽しめるかなあというのが正直なところです。

一応、私の評価基準。
①役者の凄さ:観ていて圧倒されたり、オーラあるなあと感じたか
②話の魅力:話として、発想が面白いなあ、又は何て芸術的なんだろうと思ったか
③分かりやすさ:話の筋、伝えようとしていることが理解できるか(15分ということと、私の能力不足があるので、漠然とでもいいから、何か感じれば良しとした)
④世界観:15分の間、舞台がその作品独特の世界を創り出しているか
⑤本選への期待:30分拡大版として観たいなと思うか
⑥演出:巧妙な演出を味わえたか
全部、○がつかないと、投票用紙にも○を付けていません。

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2012年7月10日 (火)

華ゆりね11<守口>

最近、夜中まで仕事した後に、軽く一杯飲みに行くことが多くなったもう常連の店。
ここで、疲れを癒して、また次の日の早朝に働く。そして、お昼ぐらいから観劇。
こんなスケジュールになることが多いです。

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四季彩7<守口>

もう、食事会では定番となった守口ロイヤルパインズのお店へ。
時期ものでアワビを中心に。

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私の秘密の冒険の話【劇団925】120709

2012年07月09日 インディペンデントシアター1st

中西邦子さんの素敵な笑顔に、惹きつけられまくる語り口調。
かわいい、面白い、切ないと七変化する表情。
面白い話に、その謎めいた展開。
様々な小道具や巧妙な演出。
どこをつまんでも文句なし。

作・演、出演と全て、この方。
その魅力を最高に味わえる素晴らしい作品だった。

週末の疲れが残って、ちょっと観劇はお休みしようと思ってたけど、見逃さなくてよかったあ。
こんなのに出会えるから、無理してでも劇場に足が向いちゃうんだよな。

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2012年7月 9日 (月)

路上協走組曲【ステージタイガー】120708

2012年07月08日 JR大阪駅南中央口大丸前 → 阪急梅田駅HEPホール前

この日は京都で2本観劇。
どちらも難しい作品であることが予測されていたので、早い時間に終わるように日程調整。予定通り、19:00には終了。今週も楽しんだ。
では、ちょっと京都で飲んで帰ろうかなと。

・・・と思ったら、すっかり忘れていたこのイベント。
まあ、いいかと思ったりしたのですが、出演されるメンバーをTwitterで見たら、これはいかん。
大阪に戻らなければ。
ということで、急いで現場に向かう。

*こんな感想よりも、今週金曜日から、この劇団の本公演が始まることの方が重要。
18日まで。ステージ数も多いし、どっか観に行きましょう。大きく、A、Bチームに分かれています。千秋楽だけ特別チーム。つまり、最低3回観ないといけないということですね。

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マックス・ヤスガーさんの憂鬱【ナントカ世代】120708

2012年07月08日 アトリエ劇研

今回はこれまでとは異なり、原作の無いオリジナル作品でしたが、いつものこの劇団らしい不条理劇でした。
少し軽いタッチということもあり、話自体は分かりやすい感じがします。
セリフ運びは、いつものように巧みなところがあり、楽しく進行を見守りながら、その特殊な世界に連れて行かれました。

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ピラカタ・ノート【ニットキャップシアター】120708

2012年07月08日 京都芸術センター講堂

難解極まりない。
現実世界、仮想世界、妄想と何重構造になっている上に、役者さんのキャラ転換も多い。
頭が混乱して当然であろう。

筋を追ってしっかり理解するようなことを求めている作品ではないのだろう。
もし、そう思って作っているのなら、確実に作り方がおかしい。
空間も時間もめまぐるしく転換するので、夢を見るかのように各シーンを焼き付け、後から頭の中で再構成するしかない。
実際の夢も、思い出す時はそんな作業をしているはずだ。
(ある方から、そんな観方のコツを教わった)

で、そうしようと今してるのだが、焼き付けたシーンがあまりにも少ないじゃないか。
しかも、寝たりもしてしまったので、不要な自分の夢も入り込んでいる。
これは、完全に失敗。
評判のいい作品なのに、しっかり感じ取ることが出来ず残念だ・・・

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2012年7月 8日 (日)

あの角で食パンくわえて、待っている【かぼちゃのドガシャーン】120707

2012年07月07日 イカロスの森

学生劇団を母体にしたプロデュース公演。
二人ほど、名前を拝見したことのある役者さんがいらっしゃるので、ちょっと観に行ってみました。
恋愛をテーマに若さ溢れるバカバカしい面白さがある作品から、深く心理描写された作品など、なかなかのレベルのオムニバス公演でした。
100分ほどの時間があっという間に過ぎ、かなり満足の公演です。

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ファンタスマゴリー【May】120707

2012年07月07日 シアトリカル應典院

この劇団の作品を観ると、知らなかったこと、知ろうとしなかったことを少し知ることが出来る。
当たり前に思っていたことが、当たり前じゃないんだなと思ったりする。でも、同時に、当たり前じゃないと思ってたことが、よくよく考えれば実は当たり前かと思ったりもする。
何か大きな世界、大げさに言えば宇宙を見せてもらえる感じだ。

実際に舞台で観る人は、這いつくばって生きている小さい人間。
必死だったり、飄々としていたり。しんどそうだったり、楽しそうだったり。みんなそれなりの形で生きてる。
私だってその中の一員だ。
大きなもので包まれている感じがする。
そう思うととても嬉しくなる。

(以下、ネタバレ注意。公演は本日、日曜日までですが、ネタバレ度合いが大きいので公演終了まで白字にします)

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2012年7月 7日 (土)

夜が掴む【くじら企画】120706

2012年07月06日 ウィングフィールド

大竹野正典さんのこれまでの作品を再演していく企画の第一弾。
この作品の初演はなんと1988年。再演でも1992年なので20年ぶりに登場だ。
そして、この劇場も今年20周年。なんでも、杮落しがこの作品だったらしい。長年、観劇されている方にとっては感慨深い公演なのであろう。

それにしても、ウィングフィールドは20年の歴史があるのかあ。2009年の3月に初めて伺った時は、何て怪しいところに来てしまったのか、すぐに脱出できるようにしておかなければと出口近くの席に座ったのを覚えている。
その後も、桟敷席がほとんどのため、腰が痛くなりやすい厳しい劇場という認識。数席だけ、うまい具合に柱にもたれられるところがあるのだが、上演作品がなかなかのマニアックさがあり、ご年配の方も多く来られるため、その席は空けておくのが礼儀みたいなことに気づき、今は最前列でがっつり拝見することにしている。
当然、役者さんが目の前で演技されるので、その迫力はすごい。
今回のように、表情変化を食い入るように観てみたり、漂うその作品の雰囲気を存分に味わったりとまさに演劇を行っている劇場といった感じだ。

本作品もその演劇の力を好きなだけ見せつけられるようなものだった。
なぜ、私が観劇をするのか。日程調整は大変だし、決して安くもない。観に行けばけっこう体力も使ってしんどい。近場の映画館で映画見てもいいし、家でゆっくりDVD鑑賞でもいい。表現物に触れたいだけなら、別にいつでも本とかは読める。
違うんだ。演劇じゃないとダメなの。
その理由が、こういった作品を一度観てくれれば理解してもらえると思うんだな。

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2012年7月 5日 (木)

蛇口からアイスクリーム【突劇金魚】120704

2012年07月04日 インディペンデントシアター1st

一昨日に引き続き観劇。
今回は「絶対の村上ちゃん」と2回目となる「夏の残骸」。

「しまうまの毛」も観たかったあ。

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2012年7月 3日 (火)

リ・メンバー魂【MousePiece-ree】120703

2012年07月03日 十三 Black Boxx

何という凄い作品、というか公演。
90分弱、緩めることなくひたすら笑わされました。容赦ないです。
とんでもない40歳が集まったものです。
とても素敵です。

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軟球Braves【MousePiece-ree】120703

2012年07月03日 十三 Black Boxx

劇団十周年記念興行として、2作品を公演する企画です。

中年のパワーを見せつけてくるような作品でした。
10周年ということで、どんな感じの話になるかは、だいたい想像できてしまいますから、生意気ながら、そこには初めからあまり期待していませんでした。
どれだけ熱くて、バカな姿を見せてくれるのかを観たかったのですが、本当に全力投球の姿を見せられ敬服です。

そして、話も期待以上でした。
単にお三方だけに焦点を絞らず、客演の方々の演じられる登場人物にも視点を向けることで、劇団のこれからの頑張りだけを伝えるのではなく、今の世の中のみんなにこれからも頑張っていこうよといったメッセージ性の強い作品に仕上がっているような気がします。
いつも以上に元気になれる作品といったところでしょう。

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蛇口からアイスクリーム【突劇金魚】120702

2012年07月02日 インディペンデントシアター1st

キンギョの人々シリーズ、濃厚短編集と銘打っての公演。
今回は「絶対の村上くん」、「絶対の村上ちゃん」、「しまうまの毛」、「夏の残骸」の4作品が2本ずつ上演されます。

この日は「絶対の村上くん」と「夏の残骸」。
二人芝居に、10月の本公演の前身作品。
共通の感想は、ブルっとしてしまうような、どこか恐さが残る感じかな。
本公演でいつも残る独特の不思議感とはちょっと違いました。

(以下、ネタバレ注意。あらすじはともかく、記述しているキーワードが気になるので、公演終了まで白字にしておきます。公演は水曜日まで)

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建築家M【京都舞台芸術協会プロデュース2012】120702

2012年07月02日 京都芸術センター・フリースペース

難しかったけど、非常に興味深かった。
田辺剛さんの戯曲を二人の演出家によって各々作品を創る。
筒井加寿子さんと柏木俊彦さん。

本当に違った形になる。
同じセリフしゃべってても、その動きや状況、これまでの流れが違うと全く異なる印象を受けるんですね。
こういうのが演出ってことなのかなあ。

アフタートークが、面白かったですね。
ゲストの方のフルネームが失礼ながら分からない。くるみざわ・・・さん。劇作家でもあり、精神科医でもあるんですって。
自分がどう考えられたかを、想像も含めて具体的に話されたので、非常に興味深かったし、勉強になった。そうそう、ここまで具体的に言って欲しいんですよ。私にとっては実に実りあるトークでしたよ。変にぼかしたアフタートークが多いから。
京都の最近のアフタートークは良いですね。この劇場で、前回拝見したカムヰヤッセンのアフタートークでの月面クロワッサンの作道さんも良かったし。こういうトークは非常に意味がると思います。
以下の感想、少しここで話された内容からヒントを得ています。ついでにちょっと言葉もお借りしています。

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2012年7月 2日 (月)

ぼく(25歳)のなつやすみ【斬撃☆ニトロ】120701

2012年07月01日 ロクソドンタブラック

前作が一人の少女の成長物語だったのに対し、今回は一人の男の自分探しってところかな。
人生に立ち止まってしまっている男、25歳。先を見ても後ろを振り返っても、確固たるものを感じにくい年頃ですよね。もちろん希望もあるけど、悔いもある。苦悩と言えば大げさかもしれないけど、不安と期待が入り混じった複雑な時かもしれない。どう動けばいいか自信が持てないような。
そんな男が、過去の忘れ物をちょっと取りに行くようなお話です。
こんな大事なことでも忘れてしまうんだな。日々の生活に追われてしまうと。
ちょっと思い出せば、まだまだ自分は大丈夫。忘れていたあの頃の想いは今でもしっかり残っていた。大切なものを取り戻した俺は強いぞ。あの頃ほどではなくても、まだまだ熱く生きてやるといった感じです。
そんな喪失しかけた熱い想いを、青春時代のバカ騒ぎや微笑ましい恋を交えながら取り戻す様が描かれています。

よくあるタイムスリップもので、主人公も小学生時代に戻りますが、実際に若い人が創られている作品だからか、ノスタルジーみたいなものは全く感じません。若い人の作品だなあと切実に感じます。
初めから、過去は今の自分を前に進める駆動力でしかないのでしょう。40歳ぐらいになると、過去の忘れ物があまりにも多過ぎるし、取り戻せても懐かしさを感じるくらいで、気持ちは変わるかもしれないけど、実行動にまではなかなか。もっと哀愁漂う形になりそうです。こんな熱くはなかなかなれません。
若さあふれる人が描く物語は、どんな過去でも、それを思い返して、その時の気持ちを取り戻せば、今の自分を前に進める力となるようです。
まあ、私もこんな元気な作品を観て、その駆動力を得ていますけどね。

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2012年7月 1日 (日)

明日を落としても【ピンク地底人】120701

2012年07月01日 インディペンデントシアター2nd

ここはもう6回目ですねえ。
毎回、難しくてつらい思いをするのが分かっているのに、ついつい足を運んでしまう劇団です。

この劇団らしい作品でした。
メタフィクションに、ザッピングを用いたシーン切り替え。
テーマとなる母の愛みたいなものは、前作、「君がいなくても」に通じるものを感じます。
エレベーター、改札、街中の人のざわめきなど、ありとあらゆる生活音を役者さん全員で表現する演出は、前々作、「マリコのために」でも拝見している。
どれも、さらに洗練された感じで、よりパワーアップして魅力的な演出になっていることは、素人ながら感じるところであり確かだと思います。
ただ、欲を言えば、さらにびっくりするような手法も味わいたかった。
強いて言えば、主人公をレポーター、カメラマンが追うという形の視点で描かれているところで、最後まで作品の視点がどこにあるかをはぐらかしているところは面白いかな。

(以下、ネタバレ注意。多分、読んでも意味が分からないので大丈夫だと思いますが、キーワードが残るとあまりよろしくないかもしれません。8/17より、東京で公演があります。未見の方は控えた方が無難です。これぞ演劇というような魅力的な作品を創る関西が誇る劇団の一つです。マニアックに観劇する方は間違いなくはまると思います。私のような難しい作品が苦手な人でも、その趣向を凝らした演出や漠然と感じる真摯な愛の形は必ず伝わってくると思うので、苦手意識を持たずに劇場に足を運んでみてください。きっと満足するはずです)

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サヨナラ【baghdad cafe】120630

2012年06月30日 アイホール

あ~、前から好きだけど、やっぱり、ここ大好きだわ。

作品名のサヨナラはサヨナラする話ということではないみたい。
登場人物はみんな大切な物や人を失っている。まあ、サヨナラしたと言えばその通りなわけですが、それに対してサヨナラを言えていない。
サヨナラをきちんと言えるようになって、そこから何かが始まる。サヨナラが一つの区切りになって、新しい一歩の始まりになるといいねといった感じかな。サヨナラとサヨナラするというか。
サヨナラはそりゃあ悲しいし、苦しいし、つらいし。そんなもの経験しないですむなら、それに越したことないですわな。でも、それが次へ進んでいく道につながるように、笑顔でサヨナラと言えれば、サヨナラも悪くはないのかなと思わせるような話でした。

(以下、ネタバレ注意。若干、いや多分ほとんどしないように思うので、白字にはしません。日曜日のお昼が千秋楽。完売ですが、当日券は出るようなことをTwitterで見ました。ダメですよねえ。やっぱり、ここぐらいの劇団になったら、日曜日も2回公演しないと。今回、唯一、気に入らないところです)

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