« 路上協走組曲【ステージタイガー】120708 | トップページ | 四季彩7<守口> »

2012年7月10日 (火)

私の秘密の冒険の話【劇団925】120709

2012年07月09日 インディペンデントシアター1st

中西邦子さんの素敵な笑顔に、惹きつけられまくる語り口調。
かわいい、面白い、切ないと七変化する表情。
面白い話に、その謎めいた展開。
様々な小道具や巧妙な演出。
どこをつまんでも文句なし。

作・演、出演と全て、この方。
その魅力を最高に味わえる素晴らしい作品だった。

週末の疲れが残って、ちょっと観劇はお休みしようと思ってたけど、見逃さなくてよかったあ。
こんなのに出会えるから、無理してでも劇場に足が向いちゃうんだよな。

舞台には、椅子の上に作品タイトルが書かれたプレート1枚。
中西邦子さんがキャリーバックを持って登場。
この作品は、秘密でもなく、ましてや冒険では全然ない、単なる私の話だなんてことを語って、観客と会話するような雰囲気を作り上げられる。
ぎごちないトランプマジックをして、不思議なことってあるけど、このマジックのように全部説明できるんじゃないかななんてことを語ったりする。

私の話が始まる。
大きくは4つのエピソード。

小学校の先生を目指していた頃。
友達と山登りをしていた時に、自分だけ道に迷う。
困っているところに、ウサギの着ぐるみを着たかわいらしい子供の誘導で遭難から逃れる。

結局、幼稚園の先生になった頃。
友達と海に遊びに行って、おぼれる。
助けてくれたのは、オカマのセクシーさん。

窓際の部屋に寝ていた時。
いつの間にか侵入者が。
でも、どこからか現れた王子のような人が助けてくれる。

電車の中で頭のおかしい人にからまれる。さらには、ホームに落ちそうになる。
その時助けてくれたのが、老紳士。

私はよく危険な目に合う。持ち前の性格で、そんな緊急事態に冷静であせらずにいてるからなのか、いつも誰かに助けてもらっている。
そんなエピソードが色々なキャラに扮しながら、面白おかしく演じられる。

そんなエピソードの合間に一つの話が少しずつ語られる。
中学生時代の田中君のお話。
帰国子女だからということもあるのか、フェミニスト。いつも、困った女性を助けてくれる。くだらない冗談を言ってユーモアなところもある。
男女の壁を越えたようなフランクな付き合いでワイワイやっていた。
仲間外れにされていたクラスの山本さんも、田中君のおかげでみんなと仲良くなったんだっけ。
山本さんは田中君のことを好きになったみたいで、私に恋愛相談をよくしてきた。
だから、あの日、田中君から二人で会おうという誘いは受けれなかった。
突然の田中君の引っ越し。あの日、何かを伝えようとしていたのかな。
でも、引っ越した後も、年賀状のやりとりはしていた。いつの間にか、返事が来なくなり、今ではもうしてないけど。

最後に先日の同窓会の話が語られる。
久しぶりのみんなとの再会。
男の頭髪もずいぶんとさみしくなっている。女は変わらない人もいれば、ずいぶんと貫禄ついちゃった人も。
山本さんも元気にしている。
そんな中、ある事実を知る。
田中君のこと。
えっ、じゃあ、ずっと入院した後、・・・

話したエピソードには定かではないけどある共通点がある。
それは全て夏の出来事である、嵐の前のように天気が悪い時、病院のような消毒薬のような匂いがする。

田中君。
助けてくれていたのは、田中君だったの。
私は田中君を見つける。客には見えないけど。
劇場が暗くなる。私は田中君と会話している。声だけしか聞こえない。
でも、風を感じる。消毒薬のような匂いもほのかに。
劇場に、田中君が現れたことは間違いなさそうだ。
私がみんなに田中君のことを話したから、出てきたみたいだ。覚えていてくれてありがとうと。

そこに無い者や物をあるように感じて観る。
観劇する時のルールみたいな場合もあるが、本当にそう思えるような巧妙な演技や演出は、同時に観劇の醍醐味でもある。
一人芝居ならでは魅力が満載。
語られる私の不思議な話とともに、その世界に引きずりこまれた感じ。
演劇、一人芝居、中西邦子さんの真骨頂を感じる作品でした。

|

« 路上協走組曲【ステージタイガー】120708 | トップページ | 四季彩7<守口> »

演劇」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 私の秘密の冒険の話【劇団925】120709:

« 路上協走組曲【ステージタイガー】120708 | トップページ | 四季彩7<守口> »