翼の折れたちゃうかちゃわん(仮)【劇団ちゃうかちゃわん】120623
2012年06月22日 大阪大学 豊中キャンパス 学生会館2F大集会室
昨日に引き続き、残りの2本を観劇。
(昨日の感想:http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2012/06/120622-262b.html)
「くじらが来るまで待って」
やっぱり、2回観ても、私の能力不足で作品の伝えたいとしているところは理解できていないと思うのだけど、この作品はとてもいいなあ。
人を想う気持ちがいっぱい詰まっている。ありがとうの言葉の響きがとても心地よい。
昨日の記事で名前を挙げなかった人を。
防波堤にやって来るサラリーマンが小林隆史さん。昨日は森田鮎さんでダブルキャストになっている。正直、どちらもサラリーマンのイメージは持てないかなあ。学校の先生みたいな感じの方が近いかも。小林さんは近所で遊んでくれたおじさんみたい。森田さんは仕事、家庭と真面目一本調子みたい。どちらも自然な空気感があります。
警官が観月天星さん。何か分からないけどシンガポールの警察みたいで日本離れしてたな。この方もサラリーマン同様、自然な空気感です。空気感。そう、この作品はこれが大事ですね。本当はもっと面白い人なんじゃないかな。
失恋した女性が東千晶さん。声が枯れてたな。叫びが多かったものな。と思えば、なかなかいい間合いで笑いを誘ったりする。すいぶんと大人の貫禄があります。
医師が日下部包さん。穏やかで優しい。落ち着いて観れる人です。まあ、あれだな。実際にこんな医師がいたら、悪い看護師あたりにパクっとやられるな。
旅人が佐藤智紀さん。さすらってるなあ。おちゃらけたところを抜いてしまったフーテンの寅さんみたいだね。妙な存在感ね。この方は空気感が他の方と違うんだ。役どころもあるのだろうが、ここが一つのキーになっているみたいな気がする。読み取れなかったけどね。この人も消えるのかなあ。
「開けてはいけないハコ」
やはり面白い作品ですね。
閉鎖空間からの脱出は演劇作品の定番ですものね。新たな一歩を踏み出す自分探しみたいな。
設定はそんな形にも出来そうだけど、昨日の感想どおり、ゲーム性をもったコミカルな仕上げになっています。
昨日、区別つかなかった男2人が分かりました。生田さんがファッキンなデブで医者役だったはず。その時の記憶から、ふられたトラウマを持つのが生田拓也さんで、最後部屋から出ていくのが石田諒輔さんですね。たぶん。生田さんはTwitterでフォローしてくれてるんじゃないかな。
生田さんは、自虐的に感情をあらわにして、場を盛り上げます。石田さんが、その少し控えめな感じを活かして、それを全体的に制御している感じ。女役の山岸亜美さんは昨日、男2人に押されて気づかなかったが、かなり天然なことしているんだな。男2人が+と-。女が次元の違うところで好きなようにみたいな微妙なバランスで部屋の雰囲気を創り出しているようです。
「ケミカルチャージャーウメコ」
街を暗躍する化学暴力団、ニトロ組。
政府から任命されたケミカルを体に取り入れてヒーローに変身するウメコは、街の危機を救うために出動。
そこには自らの力を知らない優等生の男も。
そして、ハロゲン四天王もやってきて・・・
恥ずかしいわ、こんな話のあらすじ書くの。
化学を冒涜して創り上げた非現実的な世界で繰り広げられる、勧善懲悪ヒーローものの究極の茶番です。
設定上、何か薬物を飲んで、パワーアップして闘い合うのですが、あれは本当に何か飲んどるな。
みんな、目がいってたもの。常軌を逸する暴走って何と聞かれたら、この作品を見せればきっと納得してもらえますね。
主人公の女性が佐原瑞貴さん。これが何かクリクリしててとても可愛らしい。何でこんなことになってしまったのかと思うと涙なくして見れません。
優等生の男、野瀬健悟さん。ナルシスト風に完全に向こうの世界に行ってしまったかのような演技。決まってないのに決めまくります。
政府の市長、ごきげん☆太郎さん、局長、向畑了さん、そして学校の先生、橋詰竜一さん。
シルクハットに芸名どおりご機嫌な姿のごきげんさん。真面目そうないかにも局長って感じでありながら、かなりくどい演技をする向畑さん。すごい土下座だったな。さわやか好青年でありながら、しれっとケミカルチャージャーを闘わす。
雑魚みたいな悪いケミカルチャージャー。カルボキシルの小林晋作さん。何かいやらしい気持ち悪い動きしてたな。
ヒドロキシ、北浦美帆さん。少しかわいさを残したな。
エステル、宝来雄大さん。この方がそうなのかあ。犬鍋さんの公演でどっちか分からなかったんですねえ。これは覚えるわ。巨漢で気持ち悪い人って覚えとけば大丈夫。こんな目立つ方、関西演劇界になかなかいない。
ニトロ組、組長が役名忘れたので誰か分からない。無理して組長やってますみたいな感じでそこが面白かった。
その側近、須藤郁さん。側近。んっ情婦。そんなセクシー系の女優さんです。
ハロゲン四天王はもう誰が誰か分からない。
こんな感じで。
「野菜バスターズ」
野菜たちが反乱を起こした世界。
逃げてきたピーマンは、助けを求める。
主人公の男は斜に構えて、そんなことに協力する素振りを見せない。
同級生たちは共に闘うつもりみたいだ。
そのままでいいのか。一緒に闘わないでいいのか。神からの言葉が聞こえる。
・・・、よし俺も。
二話連続で妄想ワールドですよ。
始まってまず頭をよぎったのが、最初のくじらを待つお話。今となってはあの静かで美しい情景が懐かしい。時間が経ってるんだなあと。
と言いながらも、最後に少し涙滲んだけどね。これは、ピーマンの純朴な可愛らしさと、主人公の素直な感情をあらわにできず、朴訥にピーマンに接する優しさが感じられてしまったからね。ピーマンが蔡光珂さん。昔あったサラダ国のトマト姫だったかな、そこから飛び出てきたような可愛らしいキャラです。主人公の男が埴岡弘輝さん。この方かあ。きゅにおかさんでしょ。Twitterで主人公するとか言われてたなあ。ずいぶんと影のある感じなんだな。
主人公の同級生が和栗一さんとオクサナさん。和栗さんは主人公以上にくさい芝居される。青春そのものですな。オクサナさん。これは飛び道具の位置づけだよね。外国人の方なのですが、まあ難しい日本語を綺麗にしゃべられる。それで笑いが起きるのだが、見事な計算された笑いです。
神様が出てきます。谷貴人さん。仙人のような姿。ゲームに出てくるような神様キャラで飄々とされています。
教師、伊藤佑治郎さん。途中、切れまくるんですよね。実は悪の総統ということになっているので、それでいいのですが、最初とのギャップがすごい。
悪い野菜四天王。大豆の風船きままさん、じゃがいもの藤田有紀さん、トマトの島谷二郎さん、大根の水野のずみさん。
風船さんは子分4人を従えて、成りきってましたね。ダメキャラだからあっけなくやられて舞台袖に消えてきますけど。
じゃがいも。芋だよね。藤田さん。何であんな妖艶な美人さんに役を与えてるんだ。何芋をイメージすればいいんだろう。
島谷さんと水野さんは貫禄あり過ぎで、やり過ぎ。特に水野さん、怖過ぎ。島谷さん、面白過ぎ。
あとは、パプリカが向畑了さん。三話の局長かあ。書いていて気づきました。イメージが全然違うなあ。まあ、パプリカだからなあ。弾けてましたね。基本、この作品はピーマン以外の野菜は異常な設定になっているようです。悪役だからね。
まあ、こんくらいで。
楽しい公演でした。新入生の方々も経験があるのかどうかは知りませんが、短い期間で十分、客を楽しませることが出来てとても有望ですね。これからが、ますます楽しみです。
おまけ。勝手に決めた賞。
最優秀作品賞:「くじらが来るまで待って」
次点:「野菜バスターズ」
最優秀主演男優賞:大島徹也(くじらが来るまで待って)
次点:菊川匠(本能寺十五分)
最優秀主演女優賞:岩崎未来(くじらが来るまで待って)
次点:佐原瑞貴(ケミカルチャージャーウメコ)
特別賞:酒井菜摘(逆モテキ)
マリア(開けてはいけないハコ)
蔡光珂(野菜バスターズ)
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コメント
2度のご来場ありがとうございました。
野菜バスターズトマト役の島谷二郎です。あとケミカルのハロゲン四天王もしておりました。ちょい役だったのにきちんとコメントいただけてて本当にうれしいです!
打ち上げ後に野菜バスターズのメンバーみんなでこの記事を読ませていただきました。
最優秀作品賞次点に選んでいただき大歓喜!
特に一回生には励みになったのではと思います。
またぜひ見に来てください!
投稿: 島谷二郎 | 2012年6月24日 (日) 13時52分
>島谷二郎さん
コメントありがとうございます。
ちょい役で、あんだけやったらそりゃあ目立つよ。
ただでさえ、目立つんだから(゚ー゚)
ケミカルでは四天王だけでなく、得意の知識を活かして活躍されたんでしょ。
お疲れ様でした。
有望な新入生とともに、更なる活躍を期待しております。
投稿: SAISEI | 2012年6月25日 (月) 01時19分