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2012年5月19日 (土)

LINX'S 04 A team【LINX'S】120518

2012年05月18日 インディペンデントシアター2nd

これまでの勢いを引き継ぎながら、お祭り感覚も残した上での立派な演劇イベントとして確立したなあといった印象かな。
観劇初めての人、始めたばかりの人、過渡期を迎え始めている人、観劇道ン年のベテランさんから、創り手、客側とみんなが楽しめる時間を生み出す公演になっているのではないだろうか。
主宰の石田1967さんが、この目で確かめて選んだ劇団。
どこかしらに魅力はあるに決まっており、それをしっかりと味あわせてもらった。

とりあえず、初日観てどう?と聞かれたら、私は梅棒、マジ、ヤバイと答えると思う。

(以下、ネタバレ注意。大したことは書いていませんが、始まったばかりなので公演終了まで白字にしておきます。読まなくていいから、とりあえず、観に行けばいいと思いますよ。演劇らしい作品をじっくり味わうもよし、迫力あるダンスを楽しむもよし、かっこいい男性を間近で観てキャーキャー言うのもよし、可愛らしい女性に見惚れるもよし、何でもいいからこの素敵な時間を楽しんで来てください)

前説はセプテンバー酒井さん。
いつもながらの最高の前説。
癖になるな、この方は。
この回を選んだのは、もちろんZTON観たいなとか他公演との兼ね合いもあるけど、最後の決め手はこの方だからなあ。

今回は初MC、一明一人さん、真宮ことりさん。
紳士と美少女って感じかな。
真宮さんは東京でご活躍らしく初見ですね。司会進行も明るく可愛らしく、外観の好印象そのままの方でした。
一明さんはけっこう進行がしっかりされている。舞台で役者さんとして拝見する紳士的な姿そのままに、素敵なご活躍ぶりでした。

NEUTRAL:海馬町リンクス
震災・原発被害をモチーフにした作品。
被災にあって、ガレキから壊れた携帯電話を持って、避難生活をする少年と母親。
壊れた携帯電話から話をする友達はもう・・・
被災地のことを想う。遠く離れた地で起こったことだからこそ、その地や人のことを想う。
そんな想像することの大切さを、身近な料理を味わう時のこと、暗闇で動く時のこと、テレビで見るような擬人化されたマスコットなどの事例を使って感じさせている。
私たちが出来ることを優しく描いた作品。
純粋で初々しい少年を四方香菜さん、優しくもあり厳しくもあり、少年を優しさで導く素敵な母親を西原希蓉美さん、コミカルでありながらも想うことを通して人の大切さを教えるこれまた素敵な先生を河上由佳さん(満月動物園)が演じている。

baghdad cafe:夕暮れリンカーネーション
母のことを想う兄と妹の優しい会話で綴られた作品。
母の日に可愛かったからという理由でプレゼントしてしまった花言葉が軽蔑の黄色のカーネーション。
幼き頃に迷子になって母に迎えに来てもらい、自分の戻る場所へと導かれた時の安心感。
そんな二人にとって、故郷のような母の姿が、作品名どおり、その会話の場で浮かび上がる。
最近、母が乳がん宣告をされてしまい、まあ死ぬわけではないが、いずれ死ぬんだなという認識が高まっており、今、こんな感じの話に弱い。
どこか不安を煽られるとともに、こんな優しい会話を私も妹がいるので自分もできたらいいなと心が温かくなる。
そんなことを想いながら心象に浸る中で、自分の妹もこんなに綺麗な子だったらよかったのになんて歪んだことも想う。
兄が八木進さん、妹が一瀬尚代さん。
八木さんはこれまでに何度か舞台でも拝見しているが、今回のようにがっつり拝見するのは初めて。とても優しく大きな懐を感じさせながら、弱さも感じさせる人間味のある素晴らしい演技だった。飄々とした笑いを淡々ととりながら、どこか透き通ったノスタルジーを感じさせる演技は、いつもどおりの魅力、一瀬さん。

テノヒラサイズ:テノヒラサイズの天国と地獄
言わずと知れた名作。
私も、過去に数回拝見している。何度観ても面白いので、面白くなくなる境界線を探している作品だ。
今回観た限りでは、まだまだ飽きちゃった、面白くなくなったわと思う日は来そうもない。
会場が爆発して笑いで渦巻いていた。
井之上チャルさんは久しぶりに拝見したなあ。昨年、少し休むとか言われていたけど復帰されたんだな。
もううざい感じが面白くて、一言発するたびに笑ってしまった。

梅棒:キック・オフ!!
大好きなゲキバカの伊藤今人さんが主宰の劇団なので、名前は知っているが、拝見したのは初めて。
もちろん、かっこいいダンスを期待して観に行っているが、そのはるか上を見せてもらった。もう最高だった。
サッカーの試合を題材にした青春恋愛ストーリーをダンスで綴る。
セリフ無しで全て体で表現。笑いあり、涙あり。
文句無しだ。
ラストは最高の演出。会場も、ナイスとばかりに喜びの拍手でいっぱい。
どうしよう。東京公演。これは絶対に観に行く価値あるぞ。

劇団ZTON:幕末シリーズ「狂犬」
幕末土佐藩の人斬り以蔵を中心に描かれた作品。
漠然としか史実を知らないので、ストーリーは流れを追いながらおぼろげな記憶を思い起こすだけ。
知っていればもっとのめりこんで観れるはずだ。20分だから厳しいが、2時間ぐらいの作品なら立派な大作として楽しめるだろう。
殺陣・アクションは噂どおりの魅力。迫力ある。そして、緊張を解くかのように挟み込まれるコミカルなシーンも気楽に安心して観ることに効いている。

バンタムクラスステージ:THE JUGGERNAUT
いつもどおり、不穏な空気で始まる。
ボスの女に手を出した男を始末しにやってくる手下。続いて登場する手下の相棒。
しかし、ボスの始末する相手の指示は女だった。
そんな女を純愛で守ろうとする男たちの行方は・・・
いつもなら、制裁やら殺しやら、暗黒の雰囲気の中で話を展開するのだが、今回は少しユーモアを挟み込んでいる。
徹底した冷徹な殺し屋の福地隆光さん、不幸な環境で自由なく生きてきた悲しき女、f-coさん、真摯たる愛を若さある猛進さで貫く丈太郎さん。
ここまでなら、多分、いつものバンタムさんだったのかな。

徳永健治さん。拝見したことあるのかな、覚えはないけど。
(2012.05.22追記:コメントでご指摘いただき、私の大好きな作品、あのほとんど人参でラビットをされていた方でした)
貫録がすごくあるんだけど、飄々とした感じで、ユーモア溢れる魅力的なおじさんみたいな感じで、作品の雰囲気を変えています。いつもの黒い世界から、少し淡さを持たせた感じ。

ブラック★タイツ:B★T Show Time
登場前になると、一斉にビデオカメラ用意する方々が。そして、始まると黄色い声援。
いつもの小劇場と違う。

始まるとそれも納得。イケメンでダンスもうまく、歌もいい声で歌ってしまって、しかもちょっとした笑いをとる面白いことも出来る方々。非のうちどころが無いような男性陣役者さんの確かに素敵な姿を拝見しながら、女性客ばっかりにサービスして、可愛い女の子出せよなんて心の中でつぶやいていたら、本当に可愛い女の子たちも登場されましたわ。満足、満足。
ここはエンターテイメントをたっぷり楽しませる面子を豊富に揃えられてるのね。
人気が異常なほどあるのも納得できる。歌と踊りのショーなのだが、演劇的要素も感じられ確かに楽しい。

最後はみなさんがそろって、テーマソング熱唱。
ちょっとぐだぐだ。必死に歌詞を追うみなさんの素の姿が面白くもあり。

まだ始まったばかり。
今回はどんな歴史を刻むのかな。
私はA TEAMはこれで最後ですが、多くの方に楽しんでいただきたいと願います。
とりあえず、無理だとは分かっていても梅棒だけはもう一度観たいな。

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コメント

ご来場、誠に有難うございます!
まだ始まったばかり。
これから、まだまだヒートアップして会場を揺らしてゆきます!

お時間ございましたら、
またもう一度、『梅棒』って下さい!

『ZTON』2時間にしようとは思っています!
またお話しさせて下さい!

投稿: 石田1967 | 2012年5月19日 (土) 02時15分

SAISEIさんへ
本日はご来場ありがとうございました。
公演、楽しんでいただけて、嬉しいです。
またお話聞かせてください。
ありがとうございました。

投稿: ほこき | 2012年5月19日 (土) 02時33分

>石田1967さん、ほこきさん

お忙しい中、コメントありがとうございます。
恐縮です。
二人まとめて返信するのは面倒くさいからじゃないですよ。
一心同体のお二人だから・・・

私用と他公演の兼ね合いで今回は両チーム1回ずつしか拝見できませんが、残りBチームもしっかり楽しませてもらいます。

公演がこれからさらに盛り上がっていくことは間違いありませんから、心配なのはお二人含め、スタッフさん方の体力と精神力が限界を超えないかです(゚ー゚;

遠くから想うことしかできませんが、ご活躍ください。

投稿: SAISEI | 2012年5月19日 (土) 08時19分

こんばんは。突然失礼します。
SAISEI様、以前に徳永健治さんご覧になってますよ!
超人予備校『ほとんど人参』でウサギのマックを演じていたのは徳永さんです。

ちなみにわたしもLINX'S 04(A)同じ回を観てました!
盛りだくさんで楽しかったですねーヽ(´▽`)/

投稿: 西川さやか | 2012年5月22日 (火) 00時56分

>西川さやかさん

コメントありがとうございます。

お~、有名女優さんからコメントいただけるとは。

徳永さん、大変失礼いたしました。
あの大好きな作品に出演されていた方だったとは。
ウサギということは、いい方のウサギで悪ウサギの西川さんと対決した方ですね。
どおりで書いたような感想を持つはずだ。そういうオーラを発揮される役者さんなんですねえ。
また、次回公演に伺った時にDVDが販売されていると思うので、確認させていただきます。

LINX'S、本当に楽しい時間でした。
ちなみに次の日に、アイホールで上原日呂さんが相変わらず、客の目を全部引きつけてしまうような個性的なキャラで活躍されていました。
水曜劇場もなかなか足を運べていませんが、伺いたいと思っています。

ありがとうございました。

投稿: SAISEI | 2012年5月22日 (火) 04時43分

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