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2012年5月15日 (火)

<映画>HOME 愛しの座敷わらし

萩原浩さんの小説、愛しの座敷わらしの映画化。

好みの作品でした。
岩手だけあって、綺麗な風景です。そんな中で繰り広げられる素敵な家族の話。
最後に書きますが、何も無ければ、きっと涙がホロリとなっていたでしょうね。

東京から岩手の古い民家に引っ越してきた家族の再生を描く。
大手食品会社を左遷された父。頼りないけど、人に真摯な姿勢でいつも仕事をしている。競争社会ではそんな性格が災いしているのか、出世ももう望めそうもない。家では、よくある父の姿っぽく、どこか居場所が無く、娘も冷たい。
その能天気ぶりにあきれながらも父をど田舎で支えようとする母。
中学生の娘。東京では人間関係がうまくいかなかったみたいで、少し自暴自棄になっており、こちらでも心を開こうとしない。頼りない父、慣れない田舎生活にかなりいら立っている模様。
小学生の息子。ぜんそく持ちみたいで、あまり好きなことをさせてもらっていない。でも、この田舎の友達に感化されて慣れない田舎生活を楽しみ始めている。
父方の祖母。幼き頃に戦争で亡くした弟の姿がよみがえっており、少し認知症が進んでいるみたい。

そんな、いつの間にか歯車が噛み合わなくなった家族が、古い民家に住む座敷わらしや田舎の人たちの優しい環境とともにもう一度、その絆を取り戻していく。
いつの日か、家族はこの岩手でみんなで生きていく自信を持つのだが、・・・

前半は座敷わらしはお化けのような存在で、家族の生活にどんどん亀裂をもたらす。でも、徐々にその正体が分かり始め、家族はそれを理解するとともに、自分たち家族を見つめ直す。
同時に、座敷わらしがいついた家に幸運をもたらすというままに、父は長年の仕事が本社でもう一度認められ、岩手の支社でも真摯たる仕事ぶりに結果が出始める。
娘は学校でも友達ができ、本来の楽しい中学生活をおくり始める。
息子は座敷わらしと心を通わせながら、やりたかったサッカーに下手ながらも夢中になる。ちょっとした、淡い年上のボーイシュな女の子に恋するところなんかも可愛らしく描かれている。
祖母は、幼き頃の死んだ弟を座敷わらしに重ねる。認知症が進み始めているが、その悔いから少しでも解放されたような感じだ。
そんな家族の再生を、常に家族を優しく見守ってきた母が喜ぶ。

やがて、そんな素敵な家族の姿を取り戻させてくれた岩手とお別れの日が来てしまうが、ここでの大切な時間を忘れることはなく、また東京という都会できっと絆を深めていくであろうというラストに向かう。
各々が成長した姿になっていることもを感じられ、それが家族の成長にもつながっていることを思わせる綺麗なラストである。

岩手の美しい映像とともに、優しい家族の姿を描いたいい作品だった。
子役の方々の自然体の演技が光ります。

で、映画館なのに副音声が聞こえてきてね。
おばちゃん3人組の解説付きです。歳のころは50ぐらいですかね。
まあ、ありがたい話ですね。張り飛ばそうと思ったぐらいに嬉しかったです。
星空がきれいだ、綿毛が飛んでる、座敷わらしがいた、牛が鳴いてる、転勤なったんやわ・・・
全部、見たままの低レベルな解説をひそひそと言ってくださる。
別に結構ですよと2回言わせていただいたのですが、何の信念を持たれているのか、ずっとおしゃべりし続けられていましたね。
でも、ラストに向かって感動が高まるととたんに口数が少なくなる。ダメじゃないですか。最後まで、その周囲の迷惑を考えず、自分勝手に動く素敵な口をふさいでは。最後まで、我が子にでもその姿を見せれば、大層恥ずかしくて、喜んでくれるだろう姿でいて欲しかったですよ。
帰り際に逆ギレして私を睨みつける顔が、まあ素敵だったこと。
感謝の気持ちが尽きません。どうか、この素晴らしい作品を楽しく、楽しく、それはもう本当に楽しく鑑賞させてくれたあのおばちゃん方に何か起こりますように。

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コメント

あらら~
折角、穏やかな心温まる映画なのに(^^;;
そんな複音声聞こえたらムカムカと熱くなっちゃいますね!
どこにでも迷惑な客演はいるもんですね!
どうにか撲滅したいところですね!

投稿: TAKU | 2012年5月16日 (水) 16時51分

>TAKUさん

コメントありがとうございます。

うん。もう・・・(`Д´)
本当に、ああいう人達、何とかならんかねえ。

しつこく注意したら、逆にうるさいだろうし控えたよ。
いい作品だったからね。

時間の都合でBlack & Whiteとどっちかが観れそうだったので、TAKUさんのブログで四つ☆だった作品を選んだんだけど、客が最低の一つ☆、いや☆無しでしたわ。

無断撮影は懲役か罰金刑でしょ。おしゃべりも刑罰与えればいいんだよ。

投稿: SAISEI | 2012年5月16日 (水) 17時20分

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