中之島 春の文化祭2012【ABCホール開館4周年記念】120504
2012年05月04日 ABCホール
ABCホール開館からちょうど4年。関西で活躍する劇団・ダンサー・歌手・芸人・浪曲師などが集まって20分ずつ公演する企画です。
14:00開始で終了は20:30過ぎ。とにかく疲れました。でも、どこも楽しませてくれました。
と、この文章、ほとんど毎年同じ内容。コピペしました。
だって、感想同じなんだもの。
ただ、今年はMCが新しいアナウンサーの方、落語家さんの枠が無くなっている、テレビでもずいぶんと活躍されている芸人さんが登場される、ABC初の浪曲が披露されるなど、若干変わっているところがあります。
と同時に、もう4年目。2周年目から通っていますが、もう少し改善した方がいいんじゃないのということもちらほら。
最後に記します。
オープニングは高野純一さんと熊谷奈美さん。
テレビでたまに拝見したことがある方ですね。
昨年までの手慣れた上田剛彦さんに比べれば、少々緊張感があってぎごちない感じですが、フレッシュ感が漂っています。
トップバッターはjade。
ここもご常連です。毎年、圧巻のダンスを披露されます。
動きを観ているだけでも面白いのですが、何となく感じ取れる物語性を想いながら楽しめます。
昨年はここの影響で、ダンス公演も一回は観に行こうと、N-Trans Fishさんの公演を拝見しました。今年はこちらの公演も拝見しようと思っています。
かのうとおっさん、「花の一生 ~モモコとバラ彦~」。
もう、このネタは観たの3回目かな。
どんどん、小ネタが追加されてボリュームアップしているのに、緩さ加減はむしろ高まっています。
おっさんこと有北雅彦さんの笑顔には相変わらず癒される。後述しますが、実はこの時点で少し会場内で嫌なことが。この方の笑顔が無ければ、ブチ切れていたかもしれません。
まさか、嘉納みなこさんのアイドル顔負けに歌とダンスが拝見できるとは思わなかった。前のjadeにでも対抗しようと思ったのでしょうか。
石原正一ショー、「マリオネット」。
石原正一さんらしい作品に、小演劇界で活躍される若手の女優さん方の楽しく可愛らしいお姿。本公演に匹敵するレベルで持ってこられました。
哲郎とメーテルが、おかしくなってしまった女性ロボたちを救っていく話。ドラミちゃん、ウランちゃん、ビジンダー、003、ロビンちゃん、アラレちゃん。
この豊富な往年の漫画キャラたちが会場を沸かします。哲郎の丹下真寿美さんは、絶妙の間合いであらゆるキャラと掛け合いをされて笑いを起こす。さすがの貫録。
チョップリン。
凄いですね。チョップリンですものね。生で観れるとは。
コントを2本。
チャックで音を奏でる男の話と、不思議な世界観の中で繰り広げられる兄弟の話。それと、少しの暗転の時間も無駄にせず、ムーミンの無茶苦茶な替え歌。
サービス精神旺盛で、かつおもしろいプロ芸人の演目でした。
劇団鹿殺し RJP
普段、拝見する本公演とは別に活動される路上パフォーマンススタイルのライブ。
この劇団が大阪から東京に拠点を移された時は、このようなライブで地道にあらゆる客層を掴んでいったらしいです。ご存じのとおり、いまや多くの芸能人も注目するぐらいの公演をされる劇団。その原点を拝見できて感動。
かわいらしい菜月チョビさんに、いかつい体のでかい男たちがキビキビと動いて叫ぶ。迫力ある舞台でした。
いいむろなおきさん。
毎年楽しみな方の一人。
最高のパントマイムを見せてもらえます。
演目がエンジェル、そして手。
エンジェルなんていうから、美しい天使の姿をマイムするのかと思ったら、しっかりした物語になっていました。沈没船だかに潜入して、お宝を発見して、海上に戻れず死んでしまう憐れな男が天使となって天に召されるまでを描いています。面白いし、凄いしで最高。
手はクラゲや魚のように別の生き物のごとく動く手を楽しみます。生命誕生を思わせる不思議で美しい作品です。
裏ワザ、漏れて100年。
仙人に連れられて山へと向かう子供。住んでいた街にはもう人はいないようです。
そこで出会う兄や弟たちとともに過ごす生活が描かれます。
この作品は、ちょうど裏で公演されている。その合間を縫って、冒頭部分だけを披露されにやって来られました。
月曜日までされているので、少し観に行きたいと思います。
関西カモフラージュドパーティー。
即興劇で毎年活躍される劇団。今年は3つのゲームのような演劇。
「ネコがいる」という最初の言葉と「遊園地へ行こう」の最後の言葉で締めくくる即興芝居。無理矢理感はあるけど、無難にオチをつける。
スローモーションで洗濯の動きをして対決する二人を実況・解説する。東京から助っ人で応援に来られていた方が大活躍。
キーワードを知らない一人に「自転車に乗る」という行動をさせるべく、みんなでうまく誘導するゲーム。これは見事に誘導成功。
劇団衛星、サードハンド。
タバコ撲滅に向けて演説する男。愛煙家グループに暗殺。その弟が後を継ぎ、活動を続けるが・・・
これ、劇団衛星といっていいのか。笑の内閣、高間響総裁の独断場じゃん。それも、ご自分で勉強されて得ている法律の知識を存分に披露するという。
この劇団、何回も観に行こうと思って、全て満席だったか、日程が急遽合わなくなったところ。やっと観れると思ったけど、これでは劇団を観るという点では物足りないなあ。もちろん、好きな役者さんを拝見できて嬉しかったのだが。本公演を観に行けということか。
春野恵子。
番町皿屋敷の短縮版の浪曲。
例年の落語枠が無くなったのはちょっと残念ではあるが、代わりに浪曲が入りました。初めてです。
けっこう迫力あるんですねえ。役者さんとしても何回か拝見していますが、凛とした印象が強くて、あまり感情が高ぶるところは拝見したことなかったのですが、こちらではその感情の起伏が思いっきり楽しめます。
ビーフケーキ。
最近テレビを観ないので、お名前を存じ上げないのですが、素晴らしい。とにかく面白かった。
五十音の同窓会、不条理言語の床屋、ピアスの穴から白い糸が出る都市伝説の3ネタ。
どれも趣向が凝らされており、感心と同時に笑いが。
単独公演ライブをいつも通う劇場とかでやってくれないかな。
劇団バンタムクラスステージ、几帳面独白道化師。
猿轡姿で監禁される男。ボスの指示でその男を処刑しようとする若い男。
手にはノート。幸運を呼ぶ悪魔のノート。次々に浮き上がるノートの文字。
そして、男たちが座る悪魔の椅子、天使の椅子。
やがて、やってくる市警の女。
解き明かされるそれらの謎とは・・・
この劇団らしく、監禁、暴力、殺人・・・と暗闇要素を独特の舞台雰囲気の中で浮かべます。
少し、ファンタジー要素も組み込み、物語を20分ではもったいないくらいに深いものにしています。
Mouse Piece-ree、しのぶ魂。
元ロックバンド仲間の老人。
久しぶりに集まり、昔を回想していきます。
そして、そんな大切な思い出を共有できた後、一人の男にお迎えが・・・
あらすじを記すと泣かせる話みたいですが、泣く要素など微塵もありません。
とにかく3人の掛け合いをぞんぶんに楽しむ。その巧妙な作りは最高でした。結成10周年を迎える今年は大きな公演も控えています。必見です。
男肉 du Soleil
本公演では男肉が飛んできて、舞台に引きづり込まれるような荒々しいものだと噂を聞きます。それでも、一度は行ってみたいと思いながらも勇気が湧かず。
今回は出演されるのを見て嬉しかったですね。さすがの男肉も子供もいるこの祭りでは最大限のセーブをするだろうと身の安全を確保した上での観劇。
今回は団長が誕生日を迎えるということで、その生誕祭を若き男たちが見ごたえあるダンスパフォーマンスで祝います。
これを観て、興味を持たれた方は本公演にも行ってみましょう。絶対安全席という割増料金で身の安全が確保できる席が用意されているはずです。邪道と呼ばれますが、初心者はここをキープしようかなと。
劇団赤鬼、解散公演。
劇団員総出で本格的に乗り込まれてきました。原敏一さんだけいなかったのかな。
この劇団が解散を迎えて、最後の公演をしたらみたいな作品です。
個々の役者さんの本当なのか嘘なのか、特徴的な部分を大きくしたキャラ設定で、好き勝手な作品を創り上げる過程を描きます。
お祭りにふさわしいとても楽しい作品です。
以上、次の日に続きます。
二点。
まず一点。
隣の客が年配の女性二人組で、とにかくずっとおしゃべりしている。
まあ、お祭りだから、ある程度は許されると思います。
面白いから笑って、お友達に面白いねとちょっと話しかける、大阪でありがちな勝手に役者になって自分もしゃべってしまったり、あれはきっとああなるでみたいないらん解説をしてくれる・・・
でも、限度はありますね。家でテレビ観てるんじゃないですから。
最初の2つ目の公演までずっとおしゃべりされていて、あまりにもひどいので、3つ目の公演で初めて注意しました。3年強の観劇人生の中で、客に注意したのは初めてです。
向こうも気分が悪いでしょう。その後、楽しく観れなかったかもしれません。悪いことしたなとは思います。でも、私も気分が悪いです。
こんな楽しい祭りなのに。
でも、そうしないと6時間以上おしゃべりをきかされることになりますし、しかもセリフも聞き取れないくらいでしたから。
客も悪いと思います。
でも、やはり作り手側が最初に注意するべきだと思います。これは今回に限らず、あらゆる演劇公演に対してもそう思います。
映画であんまりおしゃべりする人は見かけません。でも、演劇はけっこうな頻度で見かけます。
この生の舞台というところが、してもいいと思わせてしまうのかもしれません。だから、最初に一言、度を超したおしゃべりは控えるように言ってくれればいいのです。
私からすると携帯電話は音を鳴らすなとしつこいぐらいに言われますが、こちらの方がまだまし。鳴っても、まあ一回目で気づいてもう鳴らないようにするでしょ。おしゃべりは歯止めがききませんよ。
せっかく友達ときているんだから、終始無言で観ると言うのもさみしいものでしょう。少しぐらいは声を掛けたりしたいかもしれません。どこまでそれが許されるのか。みんなが楽しく観れる調整点を提示することは作り手側の責任だと考えます。
二点目。
19:50終演予定で、終わったのは20:30。押し過ぎですね。
生ですから、いろいろ合って押すのはやむを得ないでしょう。盛り上っている証拠でしょうし。
でも、プログラムを見てください。
15:00スタート。5組が公演を20分する。公演後にちょっとしたコメントや舞台切り替えがありますから、まあ、120分ですね。とすると、次は16:00。でも、その前に休憩が入るのです。予定では20分。
初めから、無理なスケジュール組んでるわけです。
あくまで目安と書かれていますが、絶対に計画どおりいくわけないプログラムは意味がありません。
押して当たり前だと思っているなら、それはおかしいと思います。
もう4回目。毎年の反省を踏まえればどうすればいいのかは分かるはずです。
休憩時間が15分に短縮。外では物販もあって、それで合間に楽しむことを考えている方も多くいらっしゃるはず。
20:30ぐらいになるのは分かってるんだから、もうそういう計画進行のプログラムにするべきだし、あくまで予定どおりを目指すなら、プログラム自体を見直す必要があるはずです。
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コメント
最後の時間の推しすぎというところ。
まことに同感で、端から予定通りにいくわけがないプログラム組みは非常識です。
しかしながら…。
スタート時間と終演時間を間違えておられます。
開始は14時で、終演は20時頃だったはずです。
終わって出口に向かう出口に向かっている途中で送信したメールの送信時刻が20:06ですので。
ほぼプログラムの記載どおりの終演時刻です。
投稿: sugarworld | 2012年5月 6日 (日) 21時34分
あ、念のためにもう一回確認してみたのですが…。
やはり20:30のようです。
まことに申し訳ないっm(__)m
投稿: sugarworld | 2012年5月 6日 (日) 21時40分
>sugarworldさん
コメントありがとうございます。
・・・なんて、形式ばり過ぎかな。
あの大御所sugarさんからコメントいただくブログになるとはねえ。
まあ、お分かりいただけると思いますが、結局、時間うんぬんより、こういうプログラムの組み方、システム含めて、改善の余地があるのではないかなという指摘です。
sugarさんのブログで書かれているように少しでも多くの客に楽しんでもらいたいという気持ちはよく理解しています。
知り合いになった制作さんもたくさんいらっしゃったので、その気持ちはもちろんです。普段、真摯に対応されているあの方々がいいかげんなことをするとは全く思っていません。
ただ、それがうまく機能していないところがあるのではないかなという指摘です。
私たちのようにコアな観劇客だけでなく、多くの祭りを楽しまれる方々を満足させて、本公演でも観に行ってみるかと思わすぐらいのイベントならば、まだまだ改善すべきではないかなと。
言ってるだけなので、実際は難解極まりないことでしょうが、演劇に真摯な方々の最善の努力をもっともっと期待したいという気持ちと受け止めていただければ幸いです。
スタッフの方々の大変なご苦労は十分理解した上での、客のわがままですがね。
でも、その先に、演劇界の更なる発展が隠れているように思います。
投稿: SAISEI | 2012年5月 7日 (月) 02時16分