小野の陣【THE GO AND MO'S】120331
2012年03月31日 壱坪シアタースワン
祝、今年度100本目記念観劇。
ここでいいのかと思いましたが、こんなマニアックなところで100本を迎えるのも面白いかなと。
先日、活動を停止してしまったベトナムからの笑い声の一部の方がされているイベント公演。
奇数月の最終週に行われます。
今回は第2回目。
ベトナムからの笑い声は、3回ぐらいしか拝見していないのですが、非常に面白い劇団でとても気に入っていたところ。活動停止ということで、残念でならなかったのですが、その雰囲気をまた少しでも味わえるならと足を運んでみました。
感想は大満足。・・・とまではいかないか。でも、満足。
映像を巧みに使った演出から、どっからそんな発想が出てきたのか頭を抱えるようなシュールな話。
黒川猛さんの独特の魅力。
ベトナムからの笑い声のテイストも活かしながら、ご自分の魅力を発揮されているなかなかの公演でした。
劇場、分かりにくいですねえ。
路地裏にある喫茶店ですから。京都の五条駅からすぐのところにあります。
コモンカフェやNyanなど、大阪でもカフェ公演などと名打っての公演がありますが。これはカフェ公演ではないですね。
喫茶店の2階でやる公演です。カフェなんて言葉は当てはまりません。
ただ、18席限定なのですが、客席にしっかり段差が設けてあって、非常に見やすいです。
2列目に座りましたが、ほとんど前の方とかぶらずに舞台を観れます。
これはカフェ公演で、最前列に座らないと必ずかぶってしまう、でも、小さな公演だと客いじりでもされたら恥ずかしいからなんて悩みを解消してくれます。
基本的に黒川猛さんのワンマンショー。
最初は時間稼ぎと称して前説。
スタッフの方が他の受付など他の仕事も色々と掛け持ちされているので、音響とかの装置を準備する時間を何とかごまかすというものです。
ちなみに照明は限界があって、全部消灯しても完全に暗転しないので、映像で「暗転中」と映し出されたら、目をつぶることになっています。
コント「注文の多い風俗店」
原作は宮沢賢治の注文の多い料理店。では無いのでしょうが、まんざら嘘でもありません。
風俗店に行って、待機部屋に案内されて、そこで音声質問に沿ってリモコンで答えていくという設定です。
例えば、服装は?1番:ナース、2番:制服・・・みたいに。
もちろん、そんな普通にやっても仕方がないので、ありえない選択肢に、それにツッコミながら困る人を笑うという形です。
黒川さんの困り顔表情がなかなかの見どころです。
電話
携帯が鳴る。スクリーンに画面が映る。着信の相手です。電話を取る。一言。
それの繰り返し。
もちろん、その相手が話題の人になっています。
例えば、中島知子とか。
何人やったかは覚えていませんが、打率は5割ぐらいか。
ドキュメンタリー「丹羽丈二」
魔術師、丹羽丈二の半日に、密着したVTRを見るだけ。
こんな書き方したら、面白くなさそうですね。意外に、面白いです。
取材相手には魔術師という設定だけ、伝えておいて、あとは全部アドリブでしているのです。
そして、その相手は本当に丹羽さんじゃなくて、今回はヨーロッパ企画の本多力さんが演じます。
なりきり具合を笑う作品です。
ちなみに、第1回は劇団太陽族の森本研典さん。職業は当たり屋。
ここで休憩がはさまれます。
1階は喫茶店なのでお茶が飲めます。まあ、時間が10分ぐらいなので短過ぎますが。
アンケート「異名対決」
あらかじめ受付時に手渡される用紙。
今回は○○の△△という形で2種類、そして対決種目を記載。
それを黒川さんがランダムに選んで、その対決を中継するという設定。
アマゾンのスティーブン・セガール vs ほったて小屋のボンジョビ。つねりあいの対決。
何か、お昼の公演でも仮暮らしのボンジョビになったらしいです。
むしろ、そのこととの方が面白かった。
タイミング
アニメーションを見てアフレコ。
Takeを変えて何パターンかを行います。
コント「流出」
これも映像を見て、黒川さんがツッコミを入れるパターン。
でも、全然ツッコミ入りません。しかもコントじゃないし。
その理由は、映像があまりにもシュール過ぎるのです。
どこの美術館なのか知りませんが、花の中に子供がいる彫刻物や、水がこぼれた状態を掘り込んである机や、膝部分を叩くと動くかっけを調べる装置など、奇想天外なアートが連なる博物館を操り人形が案内するという映像。
その操り人形自体もその作品の一つで、気味の悪いものです。
見ないと分かんないでしょうが、人形がいい感じで気色悪い動きをして、しかも美術品を大丈夫なのかと心配になるくらいにめちゃくちゃ乱雑に扱うので笑えてしまいます。
創作落語「寓話」
オオカミ少年、金の斧・銀の斧など、夜眠れないと言う理屈っぽい子供に読み聞かせる父親。
母親が夜勤でいないみたい。
一人の少年に惑わされる大人がおかしいだの、もっときちんと説明してあげないから、いい斧がもらえなかったのだとか正論を言ってなかなか寝ない子供に困る父。
あれっ、最後、どんなオチだったかな。忘れちゃったよ。
確か、寝かしつけるんじゃなくて、母親がいないから不安なのだから一緒に寝るということを考えればなんていう感じのオチだったような気がするけど、何の話からそうもっていったんだっけかな。
ちょっと弱いオチだけど、何か温かくていいなあなんて思ったのだが。
宣言どおりになったな。
いや、この後、最近お知り合いになった方に飲みに連れて行ってもらって、そこで観劇の話を色々としながら、きっと、今日のネタのどれかを忘れると言っていたのですが、本当にそうなってしまった。
お恥ずかしい。
(2012.04.01追記 その飲みに連れて行ってもらった方から教えてもらいました。そう、北風と太陽のお話です。北風のように無理矢理寝かしつけるのではなく、太陽のように添い寝して温もりを与えるのが本当は一番いいんだよという話でした。大人びた子供の子供らしい甘え。さんざん、生意気な正論を吐いて、最後もまたちょっと生意気な言い方ですが、やっぱり子供だなあと思えるような可愛らしい言葉です。いいですねえ。いやあ、不思議なもので本当にぽっかり忘れるんですよねえ。よかった、よかった。)
ちなみに作品名の小野ですが、当日チラシにはどんな人物かの説明があります。
何やら守らない男。だから、小野の陣は、絶対崩れないことを例えています。
意味が分からないでしょう。でも、説明文は読むとけっこう笑えます。
小野って、最後の斧とかけてるのかなあ。
次回は5/25から、新海の虎と称して、また行われます。
まだスタートしたばかりで、正直いまひとつ感はぬぐえませんが、さらにパワーアップされていくはずです。
そのうち、会場も18席限定では収まらなくなるかもしれません。
今のうちに行っておきましょう。
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