日曜日よりの使者【NMSグレイテストヒッツ】120416
2012年04月16日 HEPホール
この回は竜崎だいちさん(ミジンコターボ)の脚本で、平林之英さん(sunday)と石原正一さん(石原正一ショー)による旧友同士の老人を描いた作品でした。
二人芝居ですが、ちょっとだけ西村朋恵さん(こまち日和)も登場されます。
このシリーズ作品は中崎町のコモンカフェで初演が行われ、そこから東京、そしてこの大阪凱旋公演ですが、この作品は初演時に東京のプロデューサーの方に目を付けられ、間にどこかで公演をされたみたいです。
それだけいい作品なんだろうなと期待していましたが、それを裏切ることなく、これまたいい話でした。
この前に元少年の歌も拝見しており、もうどれだけ懐かしい気持ちにさせるねんといった感じです。
とても心温かく優しい気持ちになれる作品です。
にしても、このシリーズずっと観続けていたら、人格も優しく変わるんじゃないかな。東京は10作品全て公演されています。そんな方もたくさんいらっしゃるんじゃないでしょうか。
舞台はある老人マスターが営む喫茶店。
そこに記憶が無くて行く場所も帰る場所も分からなくなってしまった老人がやってきます。
マスターは老人の記憶を思い出せるためにコーヒーの匂いをかがせます。
甦る記憶のかけら。
姪っ子のなつみちゃんが看板娘の喫茶店、海岸で食べようとしてカモメに襲われて取られたマックや王将。
魚が大好きで毎日図書館に通って見ていた図鑑、そこで出会った友達、二人で好きになったマドンナ、マドンナを巡る対決、あの海の向こうの島に咲くといわれる持っていれば告白してもふられない花、それを一人で取りに行った友達・・・
赤いパトライト、夜中にともる海の向こうの救助船の灯、2月の寒い明け方に海に向かって叫んだ友達の名前、そばにいたマドンナ、体を温めるために持ってきてくれたレーズンチョコとコーヒー。
そう、老人マスターは、自分の知っている男だった。
そうか、私はもう・・・
迎えに来てくれたんだな。何で老人の恰好をしているのかは知らないが。
また、向こうであの頃みたいに楽しく過ごせるのかな。
数々の回想を繰り返しながら、この二人の老人の過去や間柄が分かっていきます。
そこには悲しい出来事が待ち構えていました。
でも、やっとまた出会えた。長い人生をそれなりに幸せに生きてきた男の満足な笑顔が優しく映ります。
前半の学生時代の回想シーンは平林さん、石原さんのガキっぷりを炸裂させた楽しい時間になります。
客もカモメを持たされて、二人を突つかないといけません。そのカモメの親玉に西村さんがなられます。
突き方に遠慮があったからでしょうか。途中、西村さんにカモメ取り上げられて、こうしろと無言の圧迫を受けました。
ちなみに二人が好きになるマドンナの姿もこの方がされます。
写真はそのいただいたカモメ、作品中に出てくるレーズンチョコのお土産。
味わうというのがぴったりな感じです。
匂いから記憶を呼び起こすなど、五感を刺激する魅力的な作品でした。
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