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2012年3月24日 (土)

サクゴエラボラトリー vol.5 『越しに自由』【短冊ストライプ】120323

2012年03月23日 JK's BIRD

二人芝居セレクション。
1、3、5月と予選をして、7月に決勝戦があるらしい。
今回はその2回目の予選。

どんなものかとちょっと足を運んでみたが、けっこうどこも本格的な仕上がり。
今回のテーマである、1990年代のミリオンヒット曲をテーマにしっかりした作品を見せてもらった。

会場はビルのバー。
足を踏み外したら、大惨事になりそうな急な階段を上って、2階へ。けっこう広いスペースのバーがある。
会場はさらに、階段を上がった3階。
そこもけっこうな空間。普段は踊ったりとかするのかな。
詰め込めば100名ぐらいは入りそうなところ。

観客はなぜかうまい棒を渡される。
これが投票用紙になるらしい。
7組、それぞれに味が振り分けられ、2組に投票する。
残りの5本は持ち帰っていいというシステムみたい。

司会は若旦那家康さん(ROPEMAN(33.5))。
慣れていらっしゃるのか、少々、段取りが悪いところをうまくフォローされながらの、進行。

簡単に各組の覚書とコメント。

佐々木クラッシャー衣笠/ヤス子(神戸大学自由劇場)×衣笠梨代
「今すぐリクガメを連れきなさい私のために」
女子の妄想ネタ。好きな男子に苗字で呼ばれると刺激的だということを妄想芝居をしながら実証する。
男がやれば気色悪くなるネタも、若い女子が爽やかに演じる。
掛け合いは7組中でも1、2位を争うように思うが、ちょっとあっさりしすぎかな。

東京ガール青組/鈴木太海×斎藤智哉
「何が勝つ?」
KANのヒット曲誕生までを面白く描いた作品。
90年代のヒット曲の歌詞を会話に盛り込んで、懐かしさを感じさせながらの笑わせ。
無理なく自然の会話の中で、入り込む懐かしい歌詞、それへのツッコミはなかなか面白い。
全時間、一本調子だったのが投票しなかった理由。

劇団レトルト内閣/福田恵×一宮辰徳
「EROTICA SEVEN」
元名ハスラーと淑女のビリヤード対決。
その中で、東京ガール同様、歌詞をふんだんに盛り込んだ掛け合いを行う。
中之島文化祭だったか、同様のネタを卓球バージョンで見ており、マイナスに感じていたが、さすがは有名劇団の名役者さん。それを吹き飛ばすだけのオーラがあり、開場を笑いで包む。
投票。最終的にも1位で予選通過された。

ハキダメトレイン/新居達也(Cross Rope Life)×北橋奈実(EVENT-STATION.)
「ふたりぽすと」
そう。別にコント対決じゃないから、こんなのもあり。
ひだまりの詩に合わせて、切ない男女愛を描く。これで勝負してきたことを最大限評価したいところだったが、やはり面白い方が分がよかった。
ただ、バーなので客席がフラット。後ろの方は座り芝居はほとんど見れない。こういう作品ならば役者さんの表情を見るのは必須。それが見れないのだから厳しい評価にせざるを得ない。

日常ライン/宮崎真澄×井上誠
「ウワキの真相」
浮気を疑う夫婦の話。携帯の着メロをうまく用いて、テーマをこなしている。
少しぎごちない感じがして、掛け合いのテンポが悪く感じたのがマイナスポイント。
宮崎さんが私の持っているイメージと全く異なる、極めて普通の女性という登場だったのにも勝手な違和感を持ってしまった。
オチはとてもうまくまとまっている。7分で一つの綺麗な話にしているのはここだけであるように思い、そこを評価して投票をするつもりだったが、その後に超えるところが出てきた。

イッパイアンテナ/村松敬介×山本大樹
「Lullaby of soul man Brothers」
ケンカした彼女と仲直りするシチュエーションで、練習をする二人の男の話。
それは最後に分かる仕掛け。それまでは、村松さんが中性キャラでカップルかと思わせる。
少々、力技で押しているところがあり、投票をどうしようかとかなり迷う。
投票。決め手はオチ。村松さんの顔芸。そして、律儀な男というキーワードが最後にきちんと回収されるとは思わなかった。
さすがにコメディーをお得意とする劇団だけあり、ポイントをきちんと押さえた作品となっている。
2位で予選通過。

四月馬鹿同盟/山本翔太×がたがとぐ
「タイムスリップシンガーズ」
2012年から90年代にやってきた男と、90年代アイドルを追っかける男の掛け合い。
とてもうまく出来ている。
90年代に活躍した方々の末路を、笑うのはあの人は今と一緒みたいなものか。
90年代の忘れられない阪神大震災、そして、恐らくは2010年代の歴史として語り継がれるだろう東日本大震災を隙間に入れ込むところが巧妙。
うまい作りだと思うが、7分という時間ではどちらも尻切れトンボになっており、そこがマイナス。

多分、個人的に好きなジャンル、知っている劇団・役者さんなどを最終的には決め手にせざるを得ないぐらい、どこも甲乙付け難い出来。
投票しなかったところも、その時の気分で十分投票する可能性はあった。
敗者復活もあるみたいなので、また、決勝戦で拝見できるのを楽しみにしている。

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