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2012年3月12日 (月)

熱闘!! 飛龍小学校☆パワード【演劇グループSomething】120311

2012年03月11日 関西学院大学旧学生会館2階ホール

今年度77本目の記念観劇。
この作品にしたくて、観劇スケジュールもそれに合わせたぐらい期待して観に行きました。

いきなり、こんなこと書くのも何だけど、宣伝が足りないなあ。
危なく観逃すところだった。
毎週のように劇場に足を運んでいるのに、チラシを一度も見なかった。
私もそうだけど、最近観劇を始めた人にとって、この作品は伝説になっているようなものなはず。
演劇がすごく盛り上がっていた頃の時代の素晴らしい作品を観たい人はもっともっといたと思う。
出来が悪くて遠慮でもしているのだったら、あんまり宣伝しないのも納得いくが、観たらめちゃくちゃ素晴らしいじゃん。凄いの出来上がったってもっと言わないと。
昔のことは知らないけど、今のピースピットや昔から観劇されている方の話からすると、あんな感じだったのだと思う。観ていてずっとワクワクするような感覚はなかなか味わえない。
そんな私の知らない時代の素晴らしい作品を、あんなにパワフルに面白く公演してくれて感謝の気持ちで一杯です。
まず、ありがとうと記しておく。

あらすじは書かなくていいな。
多くの劇団が再演しており、ちょっと検索するだけでたくさん出てくる。
細かなところはともかく、大枠は私も忘れないだろうから備忘録として記しておく必要もなさそうだ。

魔境のような飛龍小学校が舞台。
一人の下級生の探偵ジョーが、上級生が取り仕切る生徒会や番長たちと秘宝エメラルドを巡って争奪戦を繰り広げる。
そのエメラルドに隠された秘密とは・・・

あんなにずっと楽しかったのに、切ない終わり方でびっくり。
少しほろりとさせながら、ビシッと決めるラストには体が震えてしまった。
なるほどなあ。この作品を何回か観た人は、まず冒頭で震えるとか言うのだけど、それがよく分かった。
百の口からあふれ出た・・・
なるほどなあ。何回も書くけど、本当にそう思いながら観ていました。
さすが、多くの方に愛されている作品だけあって、単に面白いだけじゃないんですね。

噂には聞いていたが、とにかく隙間なく小ネタや何やらを詰め込んで突き進む展開。
スピード感はあるが、決して一辺倒にはならず、ワクワクしながら観ることができる。
状況描写をセリフ、動きで役者さん自身が自己完結しながら、全てを自らの肉体で表現する。
録画した演技を巻き戻しして見せるような演出。
そんな数々の演出を見るたびにほお~、これかあと感動。
本当に声出しそうになりました。

しかし、この作品は役者さんの力がとても出ますね。
キャラに引き付ける力が無ければ、作品の魅力は相当落ちるように思います。
各役者さんがとても個性的な魅力を醸し出されていました。

卒業公演だから、卒業生に一言感想を記してあげたいのだが、誰だか分かんないなあ。
カーテンコールで最後に並んだ方々なのだろうが、誰がいたか忘れた。
仕方が無いのでHPから推測して記す。
ぐちゃぐちゃになっているので、違う人とかの場合は多分あの人のこと言ってるなと想像してください。

番町、12年のさん。HPには12枚のさんとなっているが、まあ同一人物だろう。馬乗った人ね。将軍イメージなのかな。豪快さを出しながらの悪役キャラ。歯車での対決とか難しい動きで豪快なアクションをこなされていた。支配者欲の強さが最後まで落ちることなく出ている。

生徒会長、勇崎にいなさん。登場シーンはこれから先もずっと思いだすだろう。目に焼きつく。そして、いかにも会長ですみたいなキャラ。面白い魅力のある方だった。最後、部下が転校するのを見送る表情は子供が大人を気取るかわいらしさが出てる。

ジョーのライバルだと思い込んでる男、空翔舞トンボさん。頼りないし、存在感が薄い役どころをうまく活かして目立っている。こういうやられキャラは大事だね。最後は男の友情を感じさせる演技でけっこうかっこよくしめる。

日向七さん。う~ん、何役と書けばいいのだろう。カメレオンとかで体消しちゃう人。ジョーをめちゃくちゃ守りまくります。それよりもいつの間にやら動物を手なずけるかのように男を手玉に取ってしまっている姿の方が印象的か。何か女性特有の秘めた打算的なものを感じさせる演技です。

ジョーの相棒、ぼうふら野郎さん。役としても出演されているが、演出かあ。こんな作品の演出なんて、素人では想像できないくらいの苦労がありそうだな。自分がイメージしてたとおりの、いやそれ以上の飛龍小学校を見せてくれてありがとう。

番町の参謀、米中久輝さん。白衣を纏い、科学者風。生徒会組の何たら言う頭脳コンピューターに対抗するキャラかな。あまり頭脳戦で勝負しきれてないところが逆に面白い。番長組は全員、風貌も異色キャラにしており、悪役を目立たせている。

やってきた転校生、梵ヒロシさん。最初から最後まで風来坊的キャラでかっこいいわな。最初だけ、ちょっと親父に弱い情けなさを出すのだが。最後は一人だけちょいと先に大人になったかのよう。

これだけかなあ。
う~ん、ジョー役の木昇龍一さんはHPに名前載ってない。最後に並んだ中にはいらっしゃったような気が。
もちろん主人公だからかっこいい。動きもパワフル、かつ繊細だ。
全てを自分が背負って、噂となって消えていく姿。まあ、男のあこがれる行動の一つではあるな。

この方は在校生みたいだけど、ジョーに惚れている噂屋の女の子、マリコマリオさん。
いい役だよなあ。
子供とは思えない淡々さで商売を仕切る女の子。その胸に残る好きだった男の影。もう思い出すことは出来ないけど、噂でもいいからずっとその男を待っている。
ずっと小生意気そうな表情だったから、最後の最後でそんな哀しい表情されると心にぐっときてやられる。

観劇4年目にして、ようやく一度は観ておきたかった作品の一つを見せてもらえた。
多分、オリジナルと遜色ないものであったと思っている。
非常に満足。
素敵な作品を創り上げてくれてありがとう。

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