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2012年3月29日 (木)

人質になった人たちⓇ Cast A【カンセイの法則】120329

2012粘03月29日 芸術創造館

まず、お願い。
公演はダブルキャストで4/1(日)まで続きます。
書いてある単なる言葉一つだけを掴まえて、この作品が魅力ないのかなどと思われるのが嫌なのですが、思ったまま書きます。
公演の邪魔をする気など全く無いことはご理解いただきたい。また、関西はここのところ毎週末、公演激戦週。たまたま、このブログを見てしまい、観るの辞めて違うのにするかなんてこともして欲しくない。
逆に読んでしまったからには、これもご縁ということで足をお運びいただきたい。
特に最後に書きますが、是非、観に行っていただき、あることを教えて欲しいのです。

拝見して思ったことをそのまま述べると、その面白味は理解できるけど、私には少し、いやかなり合わない作品でした。
結局、みんないい人であっさりし過ぎている話です。
奥深い心理描写があまり感じられず、表面的な印象を受けざるを得ませんでした。
面白い設定の演出など、巧みさを感じる部分は多く、その観点から捉えれば、もしかしたら秀作と言われる方もいらっしゃるような気がします。その点を踏まえてプラスしても、やはり私としては、この話自体が浅くにしか捉えられなかったといったところです。
難しいところで、創り手側の方から考えるとたまった話ではないでしょうが、観るタイミングの問題もあります。
このような安心しきって観れる作品を求めたくなる時もあれば、もっと深く重く悩まさせてくれるような作品を求めてしまう時があります。
料理とかだとあっさり和食を食べたい時に、わざわざイタリアンレストランなどには行きませんが、観劇はそういうわけにも行かず、ある程度予想は出来るものの、出たとこ勝負のところがありますから、それがうまくはまらなかったということでしょう。

舞台は大きく二つに分かれます。
作品名から想像できるように、犯人と人質が居を構える部屋、そしてそれを包囲する外に居る警察グループ。
警察グループも実は2種類おり、キャリアのエリート警視正と現場刑事のコンビ。
要は4集団いるということです。

犯人グループは会社も首になってもうすっかり自信を失っているダメ人間3人組。どこかオドオドして頼りない連中です。
人質は前科者が集まった劇団の5人組。見てくれも、いかにもヤンキー上がりですといった雰囲気を醸し出しています。
演出で、この犯人と人質のグループは最初、逆に見えるように描かれており、前半はそのあたりも楽しめるポイントです。外にいる警察は最後までそこを勘違いした状態になります。
ひょんなことから、犯人と人質の関係になった人たちですが、どう考えてもそんな事でもない限り、接触はなかったような組み合わせ。それが、この事件をきっかけに色々と時間を共に過ごしている間に何かしらの共有感が生まれてきます。

シーンは暗転で切り替わり、外の様子も描写します。
こちらでは、妙齢女性、男に飢えているきつめのキャリア警視正。この現場の責任者です。男を未だ掴めないという自虐要素でどこか憎めないキャラ設定になっています。
一方、現場の刑事コンビ。現場を任せられている男は、現場至上主義でキャリアには敬意を抱くものの、本当の事件を知らないものだと思い込んでいて、自分に何かしらのプライドを持っている。そして、そこにまでまだたどり着いていないような不安定な新米女性部下。
こちらも、互いに最初は相入れませんが、事件が進むにつれて、同様に共有感や分かり合う感覚が生まれていることを思わせます。

最後は警察グループが現場に突入。
これで、中と外のグループ同士が出会います。
ここで、警視正が活躍し、中と外の各々のグループ内での共有感をより強め、さらに、この4集団の中での微妙な中での認め合い、恐らくは程遠い価値観を持ったグループ同士の中での共有が生まれているように感じます。
感覚的に数式で表すと(1+1)+(1+1)=1。もちろん、足されて算出される1は最初の1よりももっと大きいものということです。

おかしな事件を通して、勝手に人を拒絶していた壁が少し破れて、みんなが混ざり合ったみたいな感じでしょうか。
ちょっとしたことで、そんなことは起こりえるようなことを思わせます。
個人的には好きなスタイルの作品なはずなのですが、どういうわけか、上述したように、物足りなさを感じる結果になりました。
キャラがいい人を見せ過ぎで、最初は見ていて腹が立つけど、実はいい人だったみたいなところが無い。最初から、いい人を匂わせ過ぎているので、最後、落ち着くことが容易に想像できてしまうところに、意表を突かれることを求めたい気持ちを裏切られたのか。

最後、警視正がクイズを出してラストを迎えます。
犯人は捕まえざるを得ないので捕まえますが、人質である劇団グループも犯人隠匿行為を行ってしまっており、罪の対象です。なんでそんなことをしたかというと、劇団の公演準備が間に合わなかったので、事件に巻き込まれたことを理由にしようとしたみたいです。
こんな状況で、警視正は濡れたハンカチを持っていたから、逃げる犯人を捕まえなかったと言って、無罪放免にするのです。
答えは何だろう。
濡れたハンカチ。乾かす。乾燥。乾燥するまで待つ。完走するまで猶予を与える。
ってことかなあ。
分かりません。気になるので、どなたか、観に行って、答えが分かったらコメントで教えてください。
そのためにも、観に行っていただきたいのです。

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コメント

私も観に行きますのでどう感じるか愉しみです(^^)
答えは知性派でもないので分からないかも知れませんが…(笑)

投稿: TAKU | 2012年3月30日 (金) 09時05分

>TAKUさん

私もやっぱり、B castも観に行っとこうかなあ。
クイズ頼みます。
気になって仕方が無い・・・

投稿: SAISEI | 2012年3月30日 (金) 10時53分

御来場いただきましてありがとうございました。

クイズの答えですが、『カンソウ(乾燥・完走)させたいから』でした。

次回、5月にカンセイの法則+10デシリットルの合同公演がありますので、よろしくお願いいたします。

投稿: 10デシリットル置名渓吾 | 2012年4月 3日 (火) 12時17分

>10デシリットル置名渓吾さん

すっきりヽ(´▽`)/
約束どおり、わざわざありがとうございました。

次回もまた楽しませてもらうつもりです。

ありがとうございました。

投稿: SAISEI | 2012年4月 3日 (火) 18時08分

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