大沢めぐみの国定忠治【はちきれることのないブラウスの会】120319
2012年03月19日 インディペンデントシアター1st
いつもは受付開始時刻には劇場に着くようにしているのだが、久しぶりに車で劇場まで行ったら時間が読めない。
開演10分前に着。
名前は存じ上げないが、いつもよく受付でお見かけする方がシルクハットをかぶった紳士風の変な恰好をされている。ツッコむところなのだろうが、威風堂々とされているので、これでいいのかと頭にクエスチョンを浮かべながら受付をすます。
少し距離を置いた方がいいような劇団だと判断しているので3列目あたりに座るつもりだったが、けっこう満席。
たまたま、最前列が空いていたので、そこに座ってみる。
一応、最前列推進会、トリプルヘッダーはしご観劇推進会に所属しているので、活動実績はしっかり残さないといけない。
と、こんな特に書かなくていいことをまず書いている。
なぜかと言うと、感想、書くことがないのだ。
他の方々はどう書かれているのだろう。
自分のブログを書き終えるまではなるべく見ないようにしているので、非常に興味がある。
そう。ただひたすら面白かった場合はどう書けばいいのか。
面白かった、面白かったと連発しても仕方無いし、なぜ面白いかを解析しても、あの人たちが面白いのだ。
これ以上、書きようが無い。
観劇感想ブログを書く者を泣かす作品である。
田舎町の商店街のイベントで毎年行われる芝居が急遽、中止に追い込まれる。
たまたま、その町にやって来ていた劇団で問題を起こして逃げている役者さん、それを追いかけてきた制作兼マネージャーと共に、地元の女性2人が、めちゃくちゃな国定忠治を演じるという話。
テンポよく、絶妙の間合いでの掛け合いの中でたくさんの笑いを生み出す。
60分、休む間なく、その笑いは続く。
劇団としては初見。
公演開始してから数日経っており、嫌がおうにも面白いという噂は入ってくる。
女優さん方の面白さをたっぷり味わおうと思っていたが、冒頭、いきなり4人が、赤城の山も今宵限り・・・の名セリフを語る。
ここが実に美しい。
声も綺麗だし、シンクロ具合が抜群である。
思いもかけず、ファーストインパクトは美しいということになる。
この声が透き通って綺麗なのはその後もずっと感じていた。耳に入りやすい綺麗な声は、集中して観劇しやすく、話の内容もスムーズに入り込みやすい。
残念なのは、この作品、さして内容を理解しなくてもいいというところだ。今回に限っては宝の持ち腐れみたいな感じか。
多分、今までも客演などで皆さんお見かけしているのだろうが、はっきり覚えているのは村井友美さん。昨年のショウダウンの公演でとても魅力的だった方。
目力をもってちょっとすました表情から、笑顔、かなり荒れ狂って少し引いてしまう表情まで、とても可愛らしい。
有元はるかさん。全体のまとめ役みたいなポジションなのかな。と言っても、かなり自由に振る舞われている。ポイントに応じて話の司会進行みたいな感じか。きっと何でも対応できるあらゆる作品で貴重な存在なのだろう。
長谷川千幸さん。おとなしめの雰囲気だったが、きつめのツッコミをされる。絶妙の間合いで会話に入れ込むツッコミがうまい。かなり笑える。
大沢めぐみさん。かっこいいけど、抜けてるという笑いの鉄板を貫く。無茶を平気でやってのけようとしたり、特に何もしなくてもその存在が面白味を醸し出している。
で、あと、何か中嶋久美子さんがいらっしゃったなあ。
何もしゃべらず、ちょこちょこ出てきてはご自分の舞台かのように自信満々のお姿。当然のように客席の笑いを巻き起こしては、平然と去っていく。この方ならではの役どころか。
終演後は迷わず、物販へ。
第1回公演DVDと、残念ながら今回観逃したが、火ゲキの作品DVDを購入。
売り子さんが演出の河口仁さん(シアターシンクタンク万化)。多分。
実はちょっと前から、この方にはまっている。
人の奥深いところにある卑屈な心を浮かび上がらせたような演技がとても魅力的なのだ。人間っていう奴がすごく露骨に表現されていて毎回目を引いている。
お声掛けしたかったが、卑屈な演技が好きですというのも失礼かと思い、また、何かの公演で魅力的なお姿を拝見した時にそのことを話してファンですと名乗ることにした。
容赦なく面白くて笑える作品。
コメディー作品は数多くあれど、どうこう言わず面白いという作品は意外に珍しい。
貴重な1本に出会えた。
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