そとばKitchenのバレンタイン大作戦【劇団そとばこまち】120212
2012年02月12日 十三 Black Boxx
かわいいか、面白いかしか感じない80分だった。
若い役者さんも、ベテランさんもばんばん飛ばして来るなあ。
本公演での真剣な姿とかも拝見しているので、ギャップがすごい。何でも出来るところを見せつける感じでしょうか。
バレンタインをベースにした短編コント集。
単なるコントの寄せ集めではなく、演劇らしく、一本のストーリーの下に成り立っています。
そして、最後もまた演劇的手法を用いた公演自体のオチ。
もちろん、個々の作品も面白くて笑える。
こういうのを構成も良くて、作品も良い、短編コント公演の模範像なんだと思う。
設定は何かの番組収録なのかな。
佐藤美月さん、南園みちなさん、大朋ゆりえさん扮するSTB138というアイドルユニット。そこに不慮の事故で来れなくなった人の代わりにADの田中尚樹さんが女装して入り込む。
新谷佳士さん、朝日知佳さんの若手コンビ、笑殺貴族。
望月森央さん、川端明恵さんの女性お笑い漫才、釘バット。
味のある異色ベテランコンビ、上田泰三さん(MousePiece-ree)、中山吉孝さんから成るダブルパンプキン。
こんなユニットが、番組収録を行っています。
個々のユニットがコント、漫才を披露する中で、その楽屋の様子も描きます。
STB138のリーダー、みっきーこと佐藤さんの携帯の待ち受けが、あの気味悪いダブルパンプキンの弟、中山さん。しかも、楽屋には恐らく渡すつもりであろうバレンタインチョコがあることから、2人はできているという勘違い事件が発生。
そんなドタバタを途中に挟み込みながら、ネタをどんどん見せてくるような設定です。
ネタは9作品。
STBによる、アイドル顔負けの歌・踊りや、かわいらしい漫才。
釘バットによる本当にコンビでやってるのかと思うぐらいのコテコテの漫才。
ダブルパンプキンによる気持ち悪いおふざけコントに、言葉遊びのコテコテコント。
若手らしい笑殺貴族によるシュールネタ。
複合で行われる、テーマが騙しのようなバレンタインにまつわる毒のある展開コント。
どれも、テンポ良く、かなりの面白さ。
特にダブルパンプキンのネタは最高級。上田さん、中山さんの面白さ爆発。そのとった笑いの分だけ、大汗かかれていましたが。
個人的にはこのお二方の2つの作品と、新谷さんと中山さんのコントが少しだけひいでていたかな。
バレンタインの日に女の子から呼び出しを受けるオタク男。放課後にワクワク待つ男。でも、これ、実は、同級生のイタズラ。騙されたと知ったオタク男に、それを笑う同級生。でも、実は・・・
この劇団のけっこうお得意なブラックなオチを強調しながら、オタクにいきった同級生という個性的なキャラが引き立っていました。
最後は、同時に進行する楽屋でのドタバタ事件も解決してめでたしめでたし。
と思ったら、この楽屋の事件すら実は収録。
これも、メタフィクションというのでしょうか。演劇らしい手法ですね。
唖然とする中で、STBを含む全員でバレンタインキッス。
何とも人を喰った楽しい演出です。
終演後は、STBのイベント。
観たかったけど、徳島出張でバスの時間の絡みもあるので退場。
観たかったなあ。無理して観ることも出来たのだけど、40オーバーのおじさんにはやっぱりちょっときついな。
何かこっ恥ずかしくて。
でも、さすがは魅力的な女優さん集めているだけあって、なかなかいけるユニットですね。
なぜか、田中さんも違和感なく、脚とかちょっと綺麗だったし・・・
厳しく追及する社会派作品から、温かく優しい作品。そして、こんなはちゃめちゃなお笑い作品まで。
何でもござれのこの劇団の魅力を改めて感じる公演でした。
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