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2012年2月

2012年2月28日 (火)

蒲田行進曲【激潜サブマリン】120228

2012年02月28日 シアトリカル應典院

つかこうへいさんは本当に凄い方だったんだな。
昨年の一心寺シアター倶楽で行われた追悼企画でしか観ていないのだが、亡くなられた後も色々な脚色で私たちを楽しませてくれる。
この作品だけではない。先日、拝見した熱海殺人事件とかもそうだ。
そんな幅を持った作品だということだろう。
長年の演劇ファンからすれば、オリジナルを観ずして何をといったところかもしれないが、その素晴らしさだけは確実に私も受け取っている。

この作品は蒲田行進曲であって、蒲田行進曲でない。
つかさんの他の作品を組み入れることによって、その独特の時代背景の中での切ない想いが描かれている。
昨年、幾つかのつかさん作品を拝見して、どれも共通した感覚があるなあと思っていたのだが、それをうまく融合して捉えることができますよといった感じで見せてもらった作品だった。

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ビリィ・ザ・キッド【伊藤えん魔プロデュース】120227

2012年02月27日 ABCホール

これ再演なんですね。
最後に書くけど、初演の頃からこの作品は知っておきたかった。

典型的な西部劇。
流れ着いたアウトローのガンマンがその村のどこかの家の厄介になる。
その家では揉め事に巻き込まれている。
その手助けをガンマンはして、やがて去っていく。
まあ、私が知ってる中ではシェーンですわ。最後もそれを思わせるエンドでした。

これが好きなんですね。
孤独を気取りながら、人の情をおろそかにしない、アウトローの姿が。
かっこいいからね。
単純にガンマンとかにもあこがれるし。
好きな役者さんがそんな姿で現れるとテンションあがりますね。
銃さばきとかも、いかしてましたし。

で、作品はそんな西部劇を普通にされても何も面白くないので、伊藤えん魔さんの味付けがされます。
その味付け具合は、もちろん大馬鹿風。
どうして、ここまで面白くなっちゃったんだろうと思います。

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2012年2月27日 (月)

変調・夏祭浪花鑑【カン劇cockpit】120227

2012年02月27日 アトリエS-pace

歌舞伎で同作品があるみたいですね。
ネットで調べて、軽くあらすじを読んで行ったのですが、不要だったな。
あらすじは非常に分かりやすい作品です。
いわゆるやくざ者の世話物、義理人情劇ってやつです。

この作品の魅力は、変調ってところ。
そうは言っても、元を知らないから、どこがどうなっているのかは分かりません。
それでも、ずいぶんと劇団のエッセンスを振りかけたんだろうなということが感じられます。
時代劇なのに時代劇にならない、時代背景をぼかす演出。
かっこよくどっしり構えた登場人物がそろってるのに、ドタバタして地に足が着いていない雰囲気を醸し出す(悪いような書き方ですが、そこがいいという意味ね)。
悲劇的な涙ものなのに、むしろ笑える(これも同じく)。
もうやめとくか。何かいい言葉が見つからず、ダメ出しみたいになっているから。
とにかく、奇妙な感覚で楽しめる作品でした。

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Kenpou Seventeen【2VS2】120226

2012年02月26日 インディペンデントシアター1st

いやあ、パーフェクト。
4回目の観劇ですが、私は今回が一番いいですねえ。
一つ一つの作品の切れ味がいい。
全体的にも中弛みが全く無く、ずっと前のめりで観れました。もちろん、笑いながら。

前回が自分の中ではいまひとつに感じて感想もやや否定的に書いたのですが、それがウィングカップ最優秀賞を受賞したりしており、何か観方がおかしいのかなあと不安に思っておりましたが、そんなものが全部吹き飛びました。
感じ方は人それぞれなのでしょうが、ここはベースが面白いというのは間違いないことが分かりました。

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2012年2月26日 (日)

友達図鑑のかたくなにゆでる【友達図鑑】120226

2012年02月26日 人間座スタジオ

ちょっと感動するぐらいに面白かったのだが。
話や役者さんが面白いだけでなく、話を展開していく手法もまた面白かった。
こんな作品を創り出す作・演の丸山交通公園さんは普段、何を考えてるんでしょうね。
奇抜で天才的な空想力をお持ちなようで、その魅力をふんだんに味わえる作品でした。
そして、その世界を当たり前のように淡々と形にしてしまう、個性的な役者さん方に感服です。

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いつまでも続くなら続け -ぼくたちのユートピアに神様はいない-【第一次反抗期】120225

2012年02月25日 ウィングフィールド

大竹野春生さん作・演の作品。
この方のお父様がくじら企画の大竹野正典さんなんですよね。
私は存じ上げないのですが、とにかくこのくじら企画が凄いらしい。まだ、一度も拝見したことがありません。
昨年も山の声とかいう作品は、私が拝見した数人のブログではベスト10に必ず入れている作品です。
一度は観ておかないといけないなあということで、その息子さんの作品をとりあえず観てみることに。

私のイメージでは、多分苦手な作品形態だろうと。
難しい戯曲とやらを、一般客を散々に悩ませるような演出で創り上げる。だから、世の劇評家方は、そのオリジナル性に高い評価を下す。
だいたい、こんな感じに思っておりました。

今回は3人芝居。
基本的に会話中心になるはずで、理解はかなり難しいぞ。しかも、この日はほぼ徹夜明けの3本はしご観劇のラスト。頭はもうかなりいっぱいいっぱいになっている。75分だ。とにかくあきらめずに頑張ろうなんて考えながら開演を待っていました。
で、実際、観たら、まあ・・・
面白いなら、面白いから大丈夫だよってチラシに書いておいてくれないと。構えて損したよ。
こんなんなのか。大竹野さんはこんな方なのか。
くじら企画もこんな感じなの。DVD買うか。

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ほとり荘101号室~冬の幽霊~【劇団PingPongDASH!】120224

2012年02月24日 ロクソドンタブラック

よくあるボロアパートで巻き起こるハートフルコメディーといったところかな。
ハートフルにしてはちょっと泣かせたり温かい気持ちになるところが弱いし、コメディーにしてももう少しおかしさが欲しかったりする。
悪く言うと、ちょっと中途半端なところがある話だなあと感じました。

一部のキャラを濃くし過ぎなのと、大きく4グループに分かれているのですが、その互いの絡み具合が不十分な印象を受ける。いきなり突拍子もない展開になったりするところが、そんな違和感を覚えたところかもしれません。
最後の終わり方なんて、けっこう好きなんですがね。

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スケッチブックボイジャー【関西大学劇団万絵巻】120225

2012年02月25日 茨木市立男女共生センターローズWAM

新人公演。
去年も観に行ってますねえ。
ブログを見直してみると50点ぐらいだとか書いていますね。ずいぶん、生意気ですなあ。
多分、卒業公演と比較したんでしょうね。ここの卒業公演は非常にレベルが高いですから。

で、今回ですが、私の中ではかなり高評価です。
というか、本当に新人さんなのかなと思うぐらい。
ちょうど、昨日、龍谷大学の方でも新人公演を拝見しましたが、こちらも負けていない。
素人の私感覚ではとても演技がうまいです。
劇団色で龍谷大学よりかは、少しくだけた感じがあるかな。
まあ、ほとんどの笑いは今回はスルーされていましたが・・・

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バッグギャモン・プレイヤード【カムヰヤッセン】120224

2012年02月24日 京都芸術センター

すごく面白い作品でした。
話は簡単な内容なのですが、その出口は色々な方向に持っていくことができる。。
単なる村での出来事を描いているのですが、国や文化が生まれていく様、社会構造が出来上がる様にまで発展して考えることが出来るような作品です。

語り手とともに、ある村の発展、衰退、破綻、再生の流れを観てみましょうといった感じで舞台を見せます。
典型的なメタフィクションですね。色んなメタフィクションがありますが、私にとっては分かりやすいタイプです。
(2002年02月27日訂正 こういうのはメタファー作品という位置づけみたいです。コメント欄を参照ください)
何か教材ビデオで勉強しているかのような感じで、途中止めて、ここは村人達はどうするべきだったかなどを議論できそうなぐらいです。
この不思議な演出に惹かれるともに、変わりゆく村の中で、屈折していく人間関係、そこに生まれる心情変化などを巧みに表現される役者さん方を堪能させていただきました。

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赤鬼【劇団未踏座】120224

2012年02月24日 龍谷大学深草キャンパス 学友会館3F大ホール

最近、よく観る野田秀樹作品ですね。
空想と現実を行き来するような独特の世界観がなかなか難しい印象なのですが、この作品はちょっと風変わりでした。
ずいぶんと話の展開が分かりやすく、人の愚かさを露骨に浮き上がらせるような話でした。

新人公演ということで、大学1回生が中心となって創り上げたようですが、ずいぶんとしっかりしている。
素人が演技云々を言うのは、無粋なところがあるでしょうが、とても貫禄があり、綺麗な表現をされていたように感じます。まあ、一言で言うとうまいということです。

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2012年2月24日 (金)

日本三文オペラ【兵庫県立ピッコロ劇団】120223

2012年02月23日 兵庫県立芸術文化センター

いやあ、びっくりしましたね。
この舞台の迫力の凄さに。
ここのところほとんどブログで凄い、凄いと書いているので、何か言葉の重みが無くなりそうですが、やっぱり書くとなると凄いんですよ。
毎回、凄さを更新してきよるんですね。演劇の作品たちが。

終戦直前に壊滅して廃墟となった兵器工場の鉄屑を、終戦後に盗んで売りさばくアパッチ族という強くたくましく生きている集団の話を描いた作品です。
その力強さの描写は目を見張るものがありました。
もう荒々しさ満開。殴り合うわどつくわ蹴るわ、口は悪いわ
、節操はないわ。
ドン底だろうが何だろうがわしら生きとるんだわいって感じです。
時代背景、社会背景に深いところはあるのでしょうが、そんなことは飛び越えてしまった生々しい生き様が感じられます。
後ろ振り向くな、どつくぞ、前だけ見て生きていかんかいと言われているような気がして、何か、ごちゃごちゃ言っとらんで、何かやったろうかいなというような気持ちになりました。

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2012年2月22日 (水)

The End Of Signals【Players Unit MUSE】120222

2012年02月22日 一心寺シアター倶楽

話としては面白いけど、ちょっと作品としては物足りなさがあるかな。
若くて明るく元気な女の子達が、楽しく創り上げた作品であるというのは伝わってくるのだが、それが逆に味気なさになっているような気がする。
新鮮な材料を使い過ぎて、スマートに出来上がった料理みたい。おいしくは頂くが、後から語るほどではない。
学生演劇祭ということもあって、少々腐っていてもガツガツ食べれるような料理を期待する。そんな料理の方が後からもずっと思い出せるものだ。
まずくても構わない。何かむちゃくちゃ創ってやったよというぐらいでもいいと思うのだが。

当日チラシには、繊細さは求めてもらっても困る、悪ガキ、不格好な姿を楽しんでというようなことを書かれているが、私には全く逆に感じる。
とてもお上品で繊細に思った。
書かれているとおりを目指しているなら、役者さんももっともっと弾けてもらって大丈夫だ。旗揚げということで遠慮してたのかな。

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2012年2月21日 (火)

空飛ぶ本屋さん クリスマスパーティ編【激団しろっとそん】120220

2012年02月20日 MOVE FACTORY

うん、うん。やっぱり、ここは話がしっかりしているというのは絶対だな。
正直、実は初日にもう一つのバージョンを拝見した時に真っ先に感じたことは浅いなあということでした。
(初日のカウントダウンパーティ編感想:http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2012/02/120217-4b17.html

サクサクし過ぎているというのか、例えばユメリアのような重厚な世界観がいまひとつ感じられない。
時間も短く、やや短編に近い形にしているからかなと思っていたのですが、今回拝見したバージョンを観てから結論をだそうと言葉にして書くのは控えていました。
よかったなあ。また、おみそれしましたと謝りのコメントをここで書かないといけないことになっていた。

このバージョンでは、戦争が蔓延している世界をより深く感じさせる。それに応じた登場人物の心情ももう一つのバージョンよりかは、より強めに表現されているような気がする。
感覚的には、このバージョンでのラストを基に、さらに時が進んで、初日に拝見したバージョンがあり、全てにおいてハッピーエンドを迎えているという感じだろうか。だから新たな年へと向かうカウントダウンだったのかな。
クリスマスに平和への希望をプレゼントして、カウントダウンで平和の実現とともに新たな年を迎えているように捉えている。
本を降らせて戦争がそんなすぐに止まるかよという初日に思った斜に構えた観方に対する答えがあったのでかなり驚いている。
そんなことは分かっている、空飛ぶ本屋さんはそんな簡単に戦争を止めていない。
みんなが好きな本を読める平和な世界にしたい。そんな真摯な気持ちをずっと持ち続け、願い続けた上に生み出された平和だったようだ。
それを実現したのが、戦争の恐怖を誰よりも知るブルー、戦争の犠牲になっている二人のアメリ。そんな子を守りたい、変えてあげたい気持ちを各々の立場で強く持つ、スカイ、二人のビッグフィッシュだったのかなと思う。

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2012年2月20日 (月)

僕たちのシンデレラ&絆【劇団空組】120219

2012年02月19日 インディペンデントシアター1st

作品名にもあるようにテーマは絆。
出会いはもちろんだが、別れにおいても、絆は決して壊れるものではなく、その形を思い出として残す。
そして、そこからの新しい踏み出しがまた、新たな絆を生み出していく。
そんなことを思わすような素敵な2つの作品でした。

前回公演はたしか、多くの方が劇団を後にして新生空組に生まれ変わるためのラストの公演でした。
その時も劇団員との出会いと別れをイメージさせるようになっており、恐らくは作・演の空山知永さんが、そういうものを大切にしているのでしょう。
大切にしているだけあって、それを絵本やポエムのように優しく描いた話になっています。

新たな出発もイメージさせる作品。
この劇団空組の新生を思わせる素敵な公演だったように感じます。

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チャンソ【May】120219

2012年02月19日 一心寺シアター倶楽

熱くて、甘酸っぱい青春活劇。
甘酸っぱいという言葉は、恐らくTwitterでどなたかの感想つぶやきを拝見して頭に残っていたので、Twitterでもこのブログでも言葉を借りて書かせてもらった。
その後、いくらかの感想を拝読すると、見事にこの言葉が多用されている。
この作品を表現するのにぴったりな言葉なわけだ。
何とも熱くて思春期真っ只中の、格好良くもあり、格好悪くもある、どこかもどかしい姿がこの言葉を発せさせる。

この劇団らしい分かりやすい脚本に、役者さんの個性を活かしたユーモアある演出。
大いに笑い、泣ける面白い作品。
在日というテーマが重いながらも、独特の演出でいつも笑顔いっぱいで観れる。
このあたりが、観る者の立場を選ばないうまさなのだと思う。
私のように青春物として楽しんだ人もいるだろう。少年が自分を見つめ直して社会へ巣立っていく成長物として楽しむこともできるだろう。
そして、在日朝鮮人問題への深いテーマにまでそれを掘り下げて観て考えることが出来る人もいたと思う。

私は色々なことを知らな過ぎる。
在日朝鮮人の歴史、今、昔におかれていた社会的な立場。大きくは日本と朝鮮の間について。
普段、そんなことは一切考えない。民族の問題など、特に考えなくても不利無く普通に生きていける環境で育ってきたから。そして、それがずっと続くことを疑ったことがないから。
この作品をはじめ、この劇団の作品を幾つか拝見して知りたいなと思った。
別にだから何か行動を起こすつもりはない。せいぜい、本やネットをちょっとかじる程度だろう。
でも、このような演劇作品を通じて、事実を知識として吸収し、その想いを感じ取り続けたいと考えている。
だから、この劇団はずっと観続けようと思う。

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2012年2月19日 (日)

ハネモノ/ブルー・ヘブン -真冬の青のキセキの日-【Micro To Macro】120218

2012年02月18日 芸術創造館

(初演の感想:http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2011/08/micro-to-macro1.html
<あらすじが書かれていますので、ネタバレしますので、ご注意ください>

初演の自分の感想を見直してみたけど、まあ今回も変わらないな。
いい形容詞表現してるところの全てに「凄く」を付ければいいんじゃないかな。
凄く楽しめる、凄く魅惑される、凄く感動する・・・

初演に改訂を加えているようですが、正直、どこがどうなったとかは私には分かりません。
同時に観ないと比較できない。
ただ、よりテンポよく観れて、迫力はさらに高まっているのは確かだと思う。
登場人物の心情が何かより理解できたような気がするのは、単純に2回目だからか、何か理解しやすくしているのかは分からない。

まあ、何にせよ素晴らしい作品だ。
自分を見失った青年の長きに渡る喪失からの解放。
そこに、周囲のあらゆる人の優しい思いがある。
人の心は、やはり人の真摯な優しい心によって動かされる。
新しく一歩を踏み出すようになった主人公はじめ、全ての登場人物の先に希望を強く感じる。
臭すぎるが、そんな素敵な話を創り出す作・演の石井テル子さんが大好きだ。
そして、それを完全燃焼で描き出した役者さん方を素晴らしいと思う。
思うことは、それだけ。

(以下、ネタバレ注意。大丈夫だと思うのですが、キーワードがチラシにも書かれていないので、公演終了まで白字にしておきます。公演は日曜日まで。何とか観てもらえないでしょうかね。これが再演だから、もう多分機会無いですよ)

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うしおととら 第十九章「婢妖追跡~伝承者 関守日輪編」【シアターOM「うしとらプロジェクト」】120218

2012年02月18日 シアターOM

こりゃあ、いかんな。
何がいかんって、これで多分はまったな。

前回、原作も読まずに観た割には面白く、それで漫画を全巻大人買いしました。
この伝承者候補編というところまで、読んだのですが、これがまたけっこう面白い。
そうやって知識を少し入れて観ると、これは凄いなと思ってしまったわけです。

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2回言うのはもどかしい【劇団ぎぶあっぷ】120218

2012年02月18日 シアトリカル應典院

どうしたんだ、この作品。
何でこんな作品、出来ちゃったの。
シュール、シリアス、ミステリー、コメディー・・・と色々な要素が混ぜ合わさっている上に、話自体が重なり絡み合いが豊富。

まともに筋道なんか立てようがない、頭がおかしくなるくらいの展開の中でドタバタが好きなように繰り広げられる。
よく90分で収束させたものだ。
で、結論を言うと面白かった。

(以下、ネタバレするのでご注意ください。公演終了後まで白字にします。公演は日曜日に2回)

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2012年2月18日 (土)

空飛ぶ本屋 カウントダウンパーティ編【激団しろっとそん】120217

2012年02月17日 MOVE FACTORY

ファンタジー好きにはたまらんね。
ファンタジーの形容詞にふさわしいのかどうかは分からないが、コテコテだった。
幸せの塊。
よくぞ、たった4人の若い子たちで、この素敵なファンタジーワールドを創り上げたものだ。
もちろん、舞台でその世界観を醸し出したのはこの役者さん4人であるが、その多くがスタッフの方々はじめ、協力された方々の賜物であるのは間違いないだろう。
そうじゃないと、あまりにもこの4人が凄すぎることになる。

悲しい世界に平和と幸せを、本を媒体としてお届けする作品名の空飛ぶ本屋さん。
悲しい世界を私たちの満たされない心、本を演劇とするならば、この劇団こそ、この作品名にふさわしい存在だ。
そんな幸せをもらった個々の人の想いは、この作品のように必ず幸せな世界につながると思う。

(問題ないレベルとは思いますが、一応、以下ネタバレ注意。公演は月曜日まで。いつものように、2バージョンあります。私の勘ですが、2つ観て始めて見えてくるようなものがあるような気がします。今回、カウントダウン編だけ観た段階では、まだところどころにこの世界の空白があるように思います)

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2012年2月16日 (木)

京都学生演劇祭 120216

2012年02月16日 ART COMPLEX1928

とりあえず行ける時に行っておかないと、ということで仕事は後輩に任せていざ京都。
学生演劇は若い人の熱いものに触れれるのでなるべく個別にも観に行くようにしていますし、今、一心寺でも学生演劇のフェスティバルをしていますからね。
学生演劇は未熟、荒さが目立つとかはよく聞く意見ですが、だいたい観る側の一般素人に必ずしもそんなに観る能力がそなわっっているわけではないですから、そんな気難しい劇評家の意見など関係ありません。
面白ければいい。そんな単純なことに対してがむしゃらに真摯に取り組む姿はある意味、名の通った劇団よりかはよっぽど熱くて興奮する作品を観れる時があります。

A~Dのグループ分けで各4劇団。
全部は観れるわけもなく、今回はAだけ。
劇団テフノロG、劇団S.F.P.、劇団ヘルベチカスタンダード、劇団未踏座。

各劇団の感想は下述するとして、総じて思ったのが、何かバカばっかりなんですよね。こんなんで日本の将来は大丈夫なのかと思うぐらい。
もちろん、これは最高の褒め言葉として受け取って欲しい。
色んなしがらみでバカをしにくくなる社会人ならいざ知らず、まだまだ何とでもなる若者がバカをしないでどうする。今だからこそ出来ることを思う存分してくれ。これは、そんな生き方をせずに今を生きる私が若い人たちに、演劇に関わらず、ちょっと妬みも含んだ心からのエールです。
そんな姿から、自分自身のエールにも変えていきたいのです。
そういう意味では、4劇団だけだったけど、すごく良かったなあ。
比較する必要は無いけど、普段拝見する大阪の学生劇団の方がスマートでちょっと物足りない感じがする。
もちろん、バカ騒ぎしていればいいわけではないけどね。
自分の好きなことを思いっきり好きなようにしていた。
それでいいよね。客は審査員みたいになるから、点数をつけるんだけど、優劣はもちろんつけたけど、どれも本当に良かった。

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半神【ブラック★タイツ】120215

2012年02月15日 世界館

休憩はさんで2時間半の大作。
う~ん、疲れたというのがまず最初の感想。

この作品、昨年の10月に関西大学万絵巻の公演で拝見していたのが功を奏していますね。
最初、観た時はあまりにも自分が思い描いていた半神と違い過ぎて、舞台作品にするとこんなになっちゃうんだという印象が強く、また野田秀樹さん特有の言葉遊びの面白さがあるものの、何か難しく仕上がる話にちょっとやられましたから。
今回は、そんな経験が活きて、とても楽しく拝見できました。失礼ながら、万絵巻さんを踏み台にしての観劇。深いところは相変わらず掴めていないものの、かなり感覚的に色々なものを感じれて観れたんじゃないでしょうか。万絵巻さん、ありがとう。

劇中劇のスタイルをとるメタフィクション構造が、逆に話を分かりやすくしているような気がします。これは、いつもこのメタフィクション構造の複雑さに頭を混乱させられて痛い目に合うことが多い私にとっては新しい発見です。
わざと難しく創って、私のように感性低き者が困り果てる姿をあざ笑っているのではと悪意的に感じることもありましたからね。そんなことはなく、やっぱり、作品の本質をより感じてもらえるようにするための手段としているのでしょう。少し観劇レベルが上がったのではないでしょうかね。非常に自分にとって嬉しいことです。

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2012年2月15日 (水)

<映画>ALWAYS 三丁目の夕日’64

三丁目の人たちの温かい心に触れて優しい気持ちになって、一からやり直しで先がどうなるか分からなくて大変だけど大きな希望もどこかに確実に感じられるようになった時代の中、懸命ながらもあらゆることに一喜一憂するとぼけた人たちに微笑み、・・・
素直に泣けて、感動した作品であることは間違いないな。
正直、泣きまくったからね。家で観てたら、間違いなく号泣ですよ。

こんなうまいこといくかよ、こんないい人ばかりじゃないよ、古き良き時代なんて、実際生きてきた人がどんだけ大変だったか、ちょっとわざとらし過ぎるんじゃないの・・・
いくらでも斜に構えて観れば文句はつけれる。非常につけやすい作品だ。
ディベートの題材とかに最適じゃないかな。
素直じゃないから、途中そんな風に観たりもしたけど、結局ダメだったな。私もけっこういい子だな。少し安心したよ。
不器用な想い、それをやっぱり不器用に受け取り、そこにありがとうの言葉を生み出す人たち。
そんな人の本来持つ善意の精神が嫌味で露骨過ぎるぐらいに描かれている。でも、これでいい。私には心地いい。
東京オリンピックが始まり、終わっていく時間の中で、そんな人の絆を思わせる話を展開している。
これまでの頑張りが一つの形となったオリンピック、それが終わることで、また新たな道へと再出発する。そこに見える達成感、同時に感じる寂しさ。でも新たに感じられる未来への自信、期待や希望。
これが、描かれるエピソードとオーバーラップしているところが、うまい演出だなあと感じる。

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2012年2月12日 (日)

そとばKitchenのバレンタイン大作戦【劇団そとばこまち】120212

2012年02月12日 十三 Black Boxx

かわいいか、面白いかしか感じない80分だった。
若い役者さんも、ベテランさんもばんばん飛ばして来るなあ。
本公演での真剣な姿とかも拝見しているので、ギャップがすごい。何でも出来るところを見せつける感じでしょうか。

バレンタインをベースにした短編コント集。
単なるコントの寄せ集めではなく、演劇らしく、一本のストーリーの下に成り立っています。
そして、最後もまた演劇的手法を用いた公演自体のオチ。
もちろん、個々の作品も面白くて笑える。
こういうのを構成も良くて、作品も良い、短編コント公演の模範像なんだと思う。

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ツキノウタ【満月動物園】120212

2012年02月12日 シアトリカル應典院

死神シリーズ第3弾。
第1弾のツキカゲノモリは観劇始めたばかりで見逃していますが、第2弾のツキノオトは拝見している。
このブログにも感想を書いている。
この作品を観劇する前に復習で読み返してみたが、さっぱりストーリーが思い出せない。
元々、自分の覚書のために始めたブログじゃなかったのか。機能してないじゃないかとちょっと自分にイラ立つ。
同時にネタバレが申し訳ないなあなんて思いながら書く時があるけど、さほど気にしなくてよさそうだ。だいぶ自惚れていた。これからは気にせず思う存分書こう。

ただ、読み返して思うが、ちょっと前作は相関図、複雑だったんじゃないだろうか。
それに比べて今回は単純明快。
走馬灯ファンタジーと名打った、一人の男の人生振り返りだ。
と言っても、単に振り返るだけではない。
その最期に、生まれてきたこと、大切な周囲の人との絆の中で生きてきたこと、その生きた証が残された者に伝わっていることを感じた上での死。
悲しい死が尊いものに思われ、それが生きるということを同時に大切に感じさせられる。

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2012年2月11日 (土)

青春漂流記【劇団鹿殺し】120211

2012年02月11日 ABCホール

もう書くことないや。
(東京で観たときの感想:http://ksaisei.cocolog-nifty.com/blog/2012/01/120123-5b2e.html

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新しい生活の提案【劇団壱劇屋】120211

2012年02月11日 ロクソドンタブラック

やはり贔屓にしている劇団がいい作品を見せるてくれると嬉しいもので、今の気持ちはどうだ凄いだろ、まあ、俺はけっこう前からここいいなあと思ってたんだけどね、あ~、前の作品は観てないんだあ、あれもなかなか趣向を凝らした作品でねえといった感じでしょうか。
ちょっと優越感に浸らせてもらっています。
その割に劇団員の方とは一切の面識が無いという状態ではあるのですが・・・

もう前々々回公演になってしまいますね。何かの賞をとられたブラックスペースという作品あたりから、これまでと一風変わった作品を創り上げてこられています。
その以前から、あまり見かけない演出が面白いなあと思ったのと、住んでいるお隣の枚方出身の劇団ということで勝手な親近感を覚えて好きになったのですが、ブラックスペースぐらいからそれが際立っています。
毎回、目新しいパフォーマンスに斬新なアイディア溢れる設定の中で、笑いをふんだんに盛り込んで展開する作品が面白くてしょうがないのです。

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チョゴリの地 虚の墓【劇団タルオルム ノリペハルラサン】120210

2012年02月10日 ドーンセンター

日韓演劇フェスティバル参加作品です。
Mayさんの客演とかで劇団名だけ知っている劇団タルオルム、そして、何とわざわざ済州島からやって来られたノリペハルラサン。

いいですねえ。
世の人が、韓流って騒ぐのも理解できます。
単にかっこいい人がいるからとかもあるのでしょうが、作品が素晴らしいです。
作品はチョゴリにまつわること、済州島における4・3事件。
先日のトンマッコルへようこそという作品もそうでしたが、悲しい歴史には必ず、そんな思いをさせた相手がいます。
怨み、憎しみからその相手を単に糾弾するのではなく、ご自分方の歴史を見つめ直し、そこから未来への希望を見出すような形でしか描かれていません。
ケンカをふっかけられるような形で来られたら、こちらも構えて反抗体制に入りますが、こういう描き方をされると、自分も少し見つめ直してみよう、そしてそこから相手のことをその立場に立って考えてみようという気になります。
観ている者にとって、希望と勇気を与えてくれます。
歴史を勉強しに観劇しているわけではなく、何か心に響くものが欲しいわけで、そこにぴたりと焦点を当てた作品を創り上げています。

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お伽草紙/戯曲【劇団うりんこ】120210

2012年02月12日 芸術創造館

お伽話という子供向けの簡単なイメージ、うりんこというかわいらしい劇団の名前。
そんな先入観が、この作品は気楽に簡単に見れるという何の根拠もない考えに至らせたようです。
舞台を見て、だいたい気づきます。
何とも幻想的な雰囲気に、端の椅子に座って自由に語られている老人。
手にはつっかえ棒に結びついたひもを持っている。昔、鳥を捕まえたりする時の罠が舞台全体を覆っているような状態です。舞台を捕まえることがこの老人にはいつでも出来るという状態。
苦手な複雑な構造をしている作品だなと気構えます。
このまま観たら、間違いなくやられます。
慌てて、喫煙所でスマホを使って、ネットで検索。
どうやら、この太宰治原作の戯曲はメタフィクションのスタイルをとった作品になっているようです。
ただ、出てくる個々のお伽話はユーモアに溢れており楽しく見れるとか。

で、結局、途中力尽きました。
最前列で気合い満々に控えていながら、思いっきりウトウトするという大失態です。
本当に申し訳ない。
いい訳させてもらうと、厳しいスケジュールで徹夜明けでしかこの公演は観れなかったので、何とか観に行こうとしたことがまず一つ。
もう一つは、この戯曲は防空壕で泣く子供に父親が自分で作ったお伽話を読み聞かせる設定なのです。だから泣きやまさないといけない。子供を泣きやますには寝さすしかありませんね。だから、心地よくなってしまったのは、この作品の本質は突いていると思うんですよね。
だからといって、寝ていいわけありませんが・・・  すいません。

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<DVD>不思議の国の二人のアリス【激団しろっとそん】

昨年の火ゲキで行われた作品。
諸事情あって、この公演が行われたバージョンとオリジナルキャスト版というDVDが存在します。
まだ観ていないオリジナルキャスト版だけ観るつもりだったのですが、色々と考えるところがあって、ついでに公演バージョンも観てみました。

来週に本公演がある劇団です。
わざわざ、そんな時期に何でDVDをといったところですが、ファンならば、何となくこの作品を観ておこうかという気になるのは理解いただけると思います。そう、この作品じゃないといけないのです。
本公演終わってから、懐かしんで観るのが筋ですが、あえてその前に観ておくというのも通かなと思って。

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2012年2月10日 (金)

楽園【工藤俊作プロデュース プロジェクトKUTO-10】120209

2012年02月09日 インディペンデントシアター2nd

なかなか真面目に考えると難しいお話です。
今の生活から解放されて楽園を目指す、ちょっと病んだ人たちの話ではありますが、楽園って何、幸せって何みたいなことを考えさせられます。

人に依存して、自分で物事を考えることなく、与えられるままに生きていく。単に楽して生きていれば、それはそれで幸せ。楽園を言葉で説明すれば、この作品の登場人物たちは、十分それに当てはまり楽園に生きているような気もする。
でも、そこから解放されたいという欲求。今の生活から脱却するために旅に出る。本当の楽園を求めて。
そこで、色々なことにぶつかる。つらいことに出会って、心騒ぐこともあるし、今までしてこなかった覚悟もいっぱいしなくてはいけない。
行き着いた先は本当に楽園なのか、そこに幸せがあるのか。
それでも、人は楽園を求めるのか。
聖書のアダムとイブのような話もイメージできる不思議な話でした。

(以下、ネタバレ注意。大阪は今週日曜日まで、東京でも来週公演があります。大したことはないのと、元に戻すのを忘れるので白字にはしませんのでご注意ください。味のある男優陣、魅力的な色気を振りまく女優陣がそろったこの作品はなかなか見どころいっぱいです。ネタバレよりも、見逃さないように注意してください)

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2012年2月 9日 (木)

トンマッコルへようこそ【劇団桟敷童子】120208

2012年02月08日 ドーンセンター

韓国では有名な映画みたいですね。
事前にどんな作品なのかを少しだけ調べていったのですが、朝鮮戦争を題材にした話のようです。
実は個人的にあまり海外の戦争映画が好きじゃありません。
南京大虐殺、パールハーバー、ベトナム戦争・・・、数多くの戦争を題材にした作品があると思います。
どの作品もそこに反戦、平和への願いを込めているのでしょうが、それよりもこんなひどいことをあいつらにされたんだ、それを忘れるなみたいなメッセージの方が強く伝わる時があって嫌な気分になる時があるのです。
もちろん、負の歴史を無かったものにするかのように忘れちゃえばいいなんて思っていませんが、今となってはもう憎しみ、恨み、悲しみを主張するより、そこから得た未来への祈りを追求して欲しいのです。
現実ですらなかなかそうならないので、せめて作品ではそうあって欲しいというのが私の考えです。
虚構であるからこそ、成しえることだと思うのです。

その点で、この作品は本当に素晴らしい作品でした
その構成に感動しました。
朝鮮戦争における敵対する人民軍、韓国軍、連合軍の兵士がある村の人達と普通に笑いあって撮影されたありえない写真。
その写真が出来上がるまでの過程を、その村に住んでいた亡き父から聞いた話として、作家が描いていく形で話を展開します。
その写真こそ、平和の象徴、未来への祈りであり、それがどう出来上がったのかを追求する話は、どうしたら、世界がこんな写真のようになるのだろうかを追求することそのもののように感じるのです。
しかも、後半は、亡き父から最後まで聞き取ることが出来なかったので、作家が想像する話になります。
これこそ、作家、私たちがこの写真の世界、戦争の無い平和な世界を一緒になって作り上げることになっています。

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2012年2月 8日 (水)

<DVD>朝まで生ゴヅラ【笑の内閣】

体調がずっと悪いので、少し観劇をお休み。代わりにDVDを鑑賞します。
薬が全然効かないので、ちょっと毒っぽい物を味わっておこうかなとこの作品を選択。

第2次内閣作品。2005年(2012年2月9日訂正:初演は2005年ですが、DVDは2008年再演バージョンでした)ですね。
今の笑の内閣のイメージからすれば、どうしたんだ、ずいぶんおとなしいじゃないかという雰囲気は否めませんが、それは、作品の設定もあって全体的にキャラがおとなしめなのが理由。
それと、珍しくラストをちょっと感動的に収束させようとしている。最終的にブラックさは残っているが。これは意外な展開でした。
ただ、時事ネタを盛り込んだ、痛快な社会風刺はこの頃から健在なのがよく分かる作品です。

あんなことあったなと懐かしむ話もある中、今でも十分通じる昔と変わらない問題も描かれている。
そして、今の社会を既に予測していたのかと思わすようなネタも。
さすがだなと感心しつつも、やっぱりおバカな展開に大いに笑う。
でも、体調は治らない・・・

(以下、ネタバレしますので、これから買って観るつもりの人はご注意ください。せっかくなので、次回公演の時にでも買って、10年ほど昔を振り返って、今の日本を考えてみましょう。ついでにコント集がお薦めです)

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2012年2月 7日 (火)

骨付鳥(HTD)48選挙

ブログを訪ねてくださった方、ありがとうございます。

今、香川県丸亀市の名産品、骨付鳥のキャラクター選挙が開かれています。

そこに私の後輩の作品が756作品中の48作品にエントリーされています。

どうか、下記にアクセスいただき、マルガメ君に清き一票を。

かわいらしいでしょ。

http://www.zenryokudori.com/charasenkyo.html
(↑ここにアクセスして、マルガメ君のキャラをクリック。投票ボタンをポチっと押すだけ)

2/15まで。

1日に1回投票できます。

どうか応援を!

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2012年2月 6日 (月)

<DVD>渡り鳥の信号待ち【世田谷シルク】

いやあ、観て唖然・・・

昨日、生で観たばかりの作品。
しかし、残念なことに正直、全貌を掴むには至らず。
でも、とてもいい作品だったので、せめて、2010年の初演DVDでもう少し理解を深めて、この作品の観劇を終わらせようと早速鑑賞しましたが、全然話が違う。
改訂とかのレベルではない。
さすがに昨日、観たばかり。寝た覚えもないし、いくらなんでもある程度は覚えている。
それがほとんど当てはまらない。
本当にここまで違うのか。昨日、実はボケ~っと観て全然把握してないのではないか。
まさか、ここまで私は頭悪いのかと不安になっています。

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おやすみなさいの前に【劇団大阪新撰組】120205

2012年02月05日 ウィングフィールド

好み中の好みの作品でした。
この週も公演激戦週で、元々劇団名だけでは、観劇候補には入れていませんでした。
体調がここのところずっと悪いのと、連日のはしご観劇の疲れで今回はスルーするつもりだったのですが、作品名とチラシから漂う自分の好みの雰囲気が捨て切れずにやっぱり観劇。
それと、作・演の南陽子さん。
以前、ロクソドンタで公演されたある作品で、ちょっと受付対応にTwitterでクレームをつけた際、ご丁寧にこのブログを探し出されて謝罪コメントをいただいているのです。
謝罪うんぬんは、こちらも大人げないことを言うことがあるので、別に構わないのですが、そういう行動が公演、そして作品を一つ一つ大切にしていることがよく伝わるのです。
よく、演劇は生舞台なので一期一会と言いますが、本当にそのとおりで、その日、その時の状態で観劇した後に得た気持ちは二度と味わえません。
そんな大切な思いを作品に込めているのであろう方が創り上げた舞台は、きちんと観ておきたかったのです。

色々なタイプの作品を観てきましたが、このタイプの作品は私の中では鉄板です。
家族愛や友情。こんなちょっと照れ臭くて、まともに目を向けるのを避けてしまいたくなるような話。
そんな、現実では考えることから逃げてしまっていることを、作品として観て、自分がそのことをどう考えているのかにちょっとだけ気付きたいのかもしれません。
そこに、自分にも残っている人への優しい思いを垣間見ることが嬉しくてならないのかなあ。

観終えた後、涙と鼻水が溢れ出てきて困りました。
私は、自分ルールで作品に感動して客席で泣くのはダメということにしています。
だから、きっと元々ひいていた風邪が悪化したのだと思います。
劇場の空調が悪かったに違いありません。けしからんことです。
それに、ちょっと熱っぽくもなりました。悪化した証拠です。
何か、心がポカポカと温かくなっているのです・・・

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渡り鳥の信号待ち【世田谷シルク】120205

2012年02月05日 ART COMPLEX1928

祝700本観劇。
記念観劇にこういう作品を観れたことは非常に興味深い。
今まで感じたことのない新しい演劇の形を見つけた気がする。

どう表現すればいいのだろう。
エレガント、スマート、洗練された、センスがいい、スタイリッシュ、無機質、モノクロ・・・
イメージする言葉を挙げてみたが、いい言葉が見つからない。
とにかく、これまで観たものとはどこか違う表現法を感じた。
映像との融合、ダンス、緩急つけた動き、椅子を使ったパフォーマンス・・・
これも単純に言葉にしてしまえば、どこかで見た演出ではあるのだが、何か今までのものとは違う。

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2012年2月 5日 (日)

銀の扉【Emotion Factory】120204

2012年02月04日 シアトリカル應典院

臓器移植をベースに作られた作品である。
12年前の再演ということであるから、当時は今でも続けられているが臓器移植に関する問題の議論が盛んだった頃かもしれない。
仕事がら、再生医療に関する治療現場に携わっているので、臓器移植というキーワードは無縁ではない。
人の死を待つ医療、他人の犠牲の下で成り立つ医療、不公平性、宗教的な問題など、様々な反論の中から、人工臓器や再生医療という研究の必要性が大いに認められ進められてきたわけだが、現実的に今でもそれで全てがカバーされている訳ではない。むしろ、実際の治療現場にはまだまだ普及していないのが現実だ。
臓器移植によって生への可能性があるのならば、様々な問題がありながらも生かしたいという欲求をそれに求めることは否めないところである。

まあ、ここでそんな臓器移植の是非を議論しても仕方が無い。作品のテーマとして用いられたというだけだ。
作品自体はその是非を問うている話にはなっていない。
ただ、このテーマは非常に繊細でシビアだ。
万人受けするテーマではない。
各人による考えの幅は大きく、設定自体に善意的な感情も、悪意的な感情も入り込む。
そんな難しいテーマをわざわざ用いて、伝えたいことは何なのかということになる。

単純に話を追っているだけでは、死者との決別、生きる者の再出発を感じさせるが、そこに至るまでに嫉妬、理不尽、エゴなどの負の要素が強く出過ぎてしまっている感がある。逆に言うと、そのあたりの役者さんの演技が真に迫っていたとも言えるのだが。
話を重苦しくするだけになるのを避けたのか、問題の渦中にいる人たちの周囲の人が特徴的なキャラを持ち過ぎているところも焦点がぼけた気がする。
死んだ者、残された者、生きていく者、その人たちと関わる者、当事者とは距離がある者など、震災をテーマにした作品などでは、同じ位置づけの設定があるが、テーマを変えるとこうも違和感があるのかに少し驚いた。
少なくとも、震災をテーマにした作品でよく感じられる最後に希望を持つような捉え方は出来なかった。話は終始、問題の中に巻き込まれ、最後もその問題は残ったままでいるという印象である。それでも、当の本人たちは生きていく。う~ん、こう書くと震災とかと同じ感じか。
何か違うんだよな。うまく書けない・・・

(以下、ネタバレしますのでご注意ください。ただ、どう考えても観始めてすぐに下記に記載した事実は分かると思うので白字にはしません。公演は、本日、日曜日に2回あります)

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2012年2月 4日 (土)

小町風伝【日韓共同制作】120204

2012年02月04日 一心寺シアター倶楽

いやあ、大盛況で、超満員。
あんな一心寺は始めて見た。
当日券で何とかもぐりこみ、通路に座らせてもらう。

ご年配の客が多かったが、それもそのはず。
この作品は太田省吾作の古典演劇の名作と位置づけられているものらしい。
作品名の小町はもちろん、女流歌人、小野小町で数々の能作品や戯曲の中で描かれている。これも、らしい。私はよく知らない・・・
好きな人はそれはもう好きなはずで、是が非でも観なくてはいけなかったのだろう。
かなり足とかが不自由なご年配の方々もたくさん来られて、狭い席の中で観劇されていた。
今回は、この作品を太田氏が生前に上演を要請していた李潤澤が演出をして創り上げられた作品。
ここに日本と韓国の演劇性を出会わせ、新たな世界を創り上げるという企画のようだ。

感想は、これがまあ面白くて。
面白いというか、演劇としての魅力がたっぷり。
日本の演劇性とか韓国の演劇性とか、正直よく分からないが、舞台作品として素晴らしい形になっていることぐらいは感じられる。

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男子【baghdad cafe】120203

2012年02月03日 インディペンデントシアター1st

劇団の本公演としては5回目の観劇。
それだけに、多分こうなるだろうなと思っていた。
圧倒されるのだ。そのボリュームに。
だから、毎回観終えてぐったりする。
実はこれを知ってるから予約しなかった。体調がすぐれなかったので、大丈夫そうだったら観に行こうというぐらいにしていた。
でも、やっぱりみんなが観に行くとか言っているとね。Twitterの弊害だ。

結果は、もちろん思っていた以上のものを見せてもらった感がある。
迫力だけなら、過去拝見した作品の中でも群を抜いている。
ただ、相変わらず、この手の作品において、私は作品の本質をしっかり理解できないなあというのも正直な感想だ。残念なことである。
多分、作り手の意図するところのほんの一部分しかきちんと感じ取れていないと思う。
観念的なところがあって、難しいのだ。
まあ、それでよかったと思っているのだから、現時点では仕方が無いだろう。これから、もっとこの劇団の本当の魅力をしっかり見極めれるようになっていけばいいのだから。
こうして感想記事を書いている今、TwitterのTLに流れる数々の絶賛感想ツイートを見て、うらやましい、自分も一度観ただけでそんなことを感じ取りたかったなんて思っている。
私は凄かったですの言葉しか出てこなかったので、つぶやけなかった。

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2012年2月 3日 (金)

回想戯曲【私見感】120203

2012年02月03日 大阪大学豊中キャンパス 学生会館2F大集会室

20年ぶりのキャンパス。
懐かしいなあ。
もう何もかも変わってしまっていた。ずいぶんと綺麗になって。
博物館とか出来てるじゃん。散策路とかもあるぞ。
明道館の裏のBOXと呼ばれていた部室も撤去されてるのね・・・
図書館下の食堂は健在か。毎日のようにエビフライ定食食べたなあ。さぼってたから、毎日は行ってないか。
イ号館とかいう呼び方はもうしないのね。
でっかい池はまだあるんだなあ。ここで、確か付き合い始めて数か月後、「初めから好きじゃなかった」とかいう無茶苦茶な理由でふられたんだよな。突き落とそうかと思ったなあ(笑)
なんて、ちょっと開演前にブラリとキャンパスを散策してから観劇。

そんな懐かし話はどうでもいいから感想をといったところですが、実はこの作品、そんな昔を回想しながら、忘れていた思いを引き起こすような話です。
普通に何気なく生きている今、ふと心のどこかに引っかかっていることがあることに気付く。
5人の役者さんがリズミカルな言葉を紡ぎながら、その思い出を浮き上がらせていきます。
言葉の紡ぎ方は言葉遊びを多用しながらの独特な表現です。
そんな表現にうまいこと作るなあと感心しながらのラスト。
今、生きている自分を見つめ直した中で得られた感謝の気持ちがとても優しく感じれました。

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