京都学生演劇祭 120216
2012年02月16日 ART COMPLEX1928
とりあえず行ける時に行っておかないと、ということで仕事は後輩に任せていざ京都。
学生演劇は若い人の熱いものに触れれるのでなるべく個別にも観に行くようにしていますし、今、一心寺でも学生演劇のフェスティバルをしていますからね。
学生演劇は未熟、荒さが目立つとかはよく聞く意見ですが、だいたい観る側の一般素人に必ずしもそんなに観る能力がそなわっっているわけではないですから、そんな気難しい劇評家の意見など関係ありません。
面白ければいい。そんな単純なことに対してがむしゃらに真摯に取り組む姿はある意味、名の通った劇団よりかはよっぽど熱くて興奮する作品を観れる時があります。
A~Dのグループ分けで各4劇団。
全部は観れるわけもなく、今回はAだけ。
劇団テフノロG、劇団S.F.P.、劇団ヘルベチカスタンダード、劇団未踏座。
各劇団の感想は下述するとして、総じて思ったのが、何かバカばっかりなんですよね。こんなんで日本の将来は大丈夫なのかと思うぐらい。
もちろん、これは最高の褒め言葉として受け取って欲しい。
色んなしがらみでバカをしにくくなる社会人ならいざ知らず、まだまだ何とでもなる若者がバカをしないでどうする。今だからこそ出来ることを思う存分してくれ。これは、そんな生き方をせずに今を生きる私が若い人たちに、演劇に関わらず、ちょっと妬みも含んだ心からのエールです。
そんな姿から、自分自身のエールにも変えていきたいのです。
そういう意味では、4劇団だけだったけど、すごく良かったなあ。
比較する必要は無いけど、普段拝見する大阪の学生劇団の方がスマートでちょっと物足りない感じがする。
もちろん、バカ騒ぎしていればいいわけではないけどね。
自分の好きなことを思いっきり好きなようにしていた。
それでいいよね。客は審査員みたいになるから、点数をつけるんだけど、優劣はもちろんつけたけど、どれも本当に良かった。
劇団テフロノG:心配症女
何から何まで心配してしまう女の子とそれに振り回される男。
そこに、第三者的なかしこそうな男を入れ込む。
ボケにツッコミ、そして橋渡しの役割。
単純な杞憂ネタで、これなら漫才などでは鉄板であり、45分それでいかれても厳しいなと思っていたら、親の愛を受けずに非行に走る女の子が登場して、一瞬で作品の世界が変わった。
さんざん面白いネタを放り込むのだが、この少女の登場で愛する=心配するの形が出来上がり、心配しまくる女の子の男への愛が見え始める。そして、最後は非行に走る女の子を心配しているであろう親を匂わす。
男女、親子の愛をありえないほどのコメディーで結び付けているところに、脚本の魅力を感じる。
7点。最初などで基準点として投票。
ただ、心配しまくる少女の大木綾さんのインパクトが強過ぎ、だいぶそこに頼った感じがあることを減点理由にした。
劇団S.F.G.:秘密結社クロネズミ
典型的なズッコケ3人組スタイル。そんな3人の悪循環を楽しむコメディー。
悪の結社を、名乗りながら、どこかすっとぼけた3人組。そんな3人組が意を決して大して悪くもない空き巣を実行。
ところがその家の娘に見つかる。それが災い。
いつの間にやら、娘誘拐にまで話が大きくなる。
同時に悪の親玉もこの事件に絡んできて事態はさらに悪化する。
前半はその何から何まで空回りする展開にドキドキしながら観れるが、後半が少し尻すぼみ気味になり、退屈感が出てくる。
前半のテンポがずっと持続すれば最高だったけどね。
この作品も、3人組の1人、平山みらいさん、誘拐される女の子、岩崎美生さんのキャラが飛びぬけ過ぎでバランスが崩れる。
8点。ストーリー性がより高いことを評価して、1点だけ加点した。
劇団ヘルベチカススタンダード:あっぱれ!ばかしあい 三千世界の果てはまほろば
これは完全に私が悪い。
世界観を紐解けなかった。感性不足だった。あまりにもシュール過ぎる。
大きく3組の不思議な世界が融合しているようだが、その関連性が見い出せなかった。
唯一、化石の双子は何となく掴めそうな感じがしたが、それでも厳しかった。
本来は2時間ぐらいで、じっくり設定も感じ取りさせながら、この登場人物たちがたどり着く先を思い描かせた方がいいのでは。
私はともかく、独特の世界観を理解するにはやはり時間が必要。
化石の双子の小泉智裕さん、柳沢友里亜さんの駆け回りながらの表現、特に表情は印象的。
7点。自分の能力不足なので平均点にせざるを得なかった。6点にしなかったことで、何らかの魅力は感じたと考えてもらいたい。
劇団未踏座:未開・踏襲・座敷童子
5作品短編コント集。
ピストルを持つ犯人と5人の人質のとぼけた掛け合い。
フリスビーを投げ合う意どこか焦点のずれた親子の掛け合い。
ゾンビがはびこる設定でのプロポーズで起こるシュールな展開。
もてない男の悩みを聞く、ジャージマンとスーツマン。
女性ファミレス店員をめぐる争奪戦にブラックなオチ。
書いても意味分からないでしょう。
観た者だけが思い出して笑えばいいのです。
気になるなら、まだ21日までやってるから観に行けばいい。
個性的すぎる5人の男優に、自虐的な設定をあっけらかんとこなす紅一点女優が織りなす名作コント集は見物。一言で面白過ぎる。
9点。8点だけど、最近、はまっている作・演の髭だるマンさんに1点追加。
コント集とはいえ、何か一貫したテーマが見えにくいところで満点にはしなかった。
残りも観たかったが、他公演もあるからね。
特にこの週は、私は14劇団の中から何とか選択しないといけない。
もう日程調整しようもないというのが現実。
残りは他の方のブログやTwitterで味あわせていただく。
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