これもお借りしたDVD。
東京へ遠征観劇をよくされる方なので、そちらの劇団の雰囲気を少し掴んでおくのにちょうどいい。
なかなか観る機会はないですからね。
DVD裏面に書かれたイントロが非常に興味深い。
簡単にまとめて書くと、
「自分は一味違う、誰かより優れた人間のはずだ」と思い込んでいるから生きていられる。それが平凡。
世界平和みたいな大それたことは考えない。自分は普通だから。目の前に見える世界、せいぜい数十年後の未来ぐらいしかない。
でも分かってる。誰かさんよりかはいい生活してる、優れていると思い込みたいことを。それが平凡であることも。
共感が何か湧きますね。
きっと面白いのではないかと期待して観ましたが、率直な感想はすごく嫌。
作品の否定ではありません。この感想も恐らく創り手が想像している範疇だと思います。
少なくとも、もう二度と観返したくありません。逃げてると言われても、仕方がありません。
とにかく、もう観たくない。
覗き見しているかのような設定の舞台の中に、本当に平凡な人がいる。いや、決して平凡では無い。非凡でも無い。
自分を肯定化して、何かズレれば他人や社会が原因であることにしてその考えを守る。
登場人物はそんな人達。それに気付いているのか、気付かない振りをしているのか、押し殺しているのか。
どちらにしても、第三者として傍観すると、それがよく見える。
舞台上の登場人物を見て、自分が見えてないなあと思って他人事のように観るその姿が自分自身でもあり、同時に舞台上の登場人物も誰かから見られた自分の姿であろう。
そう思うと、滑稽に感じれば、それは自分にも降りかかる。憤りを感じれば、それは自分に対する憤りでもある。
また、平凡でいいと描かれているようには感じない。
平凡に対する悪意が見え隠れする。いや、悪意的には決して描かれていない。見え隠れするので、ひょっこりそれが出てきた時に、見透かされた気がして逃げ出したくなるのだ。
震災直後の作品だったようだが、平凡、普通を大義名分にする人達への警鐘にも感じる。
津波でやられたあの人達よりはいい生活してる、まだましだ。
どうでもいいとは決して思っていない。でも、復興という大きなイメージのために何をする。せいぜい募金。ちょっと踏み込んでボランティアか。だって自分は普通の人だから。非凡な芸能人とかが復興にために何かすればいい。
こんなことを皮肉っているようにも感じる。
これを客の立場で見て、自分はあんな考えはしないな、もっと違う行動をとってるなんて思うことが既に平凡。
あの舞台上の平凡な登場人物達よりかは、どこか自分は違うんだという思い込み。
DVDなので、画面に写り込むそんな観客の姿を私は同時に見る。
観客の姿も平凡な人の群れであり、それがこの舞台を歪んで見えさせる。