DOLLsEDEN【JIGGYsLABORATORY】120115
2012年01月15日 アトリエ S-pace
大阪工業大学演劇部の劇団かんき船から派生したプロデュース劇団のようです。
最近、学生劇団を観る機会が多く、今回が旗揚げということで、ちょっと様子を観に行ってみました。
開始20分ぐらいは正直、これはあかんと思っていました。
このあかんという気持ちは申し訳ないですが、今でもあまり変わっていません。
ただ、あかんけどまあ面白く観れたのではないかというぐらいまでは最後になったというのが正直なところ。
言葉が悪くなりますが雑です。
セリフの感情の込め方が照れがあるのか何なのかは知りませんが、ただ言葉を発しただけのようになる時があります。そのため、掛け合いがびっくりするぐらいに下手だなあと思わせるところがあると思えば、熱のこもった感情むき出しの思いっきりのいい芝居をしたりする。
入れ込む笑いも中途半端にされる時もあれば、受ける受けないは別にして自信満々にばっちり決めてこられたりする。
これが誰か特定な下手な役者さんがいるからではなくて、全員がそんな波を持っている。
いい時もあれば悪い時もある。
誰かが悪いので、それに引きずられるようにまとまりの無さが浮き出ている感じです。
もちろん、たまにぴったりはまってなかなかではないかと思わすシーンを創られたりもするのですが。だから、最後はまあ面白かったかなとなった訳です。
そんな繰り返しでシーンが流れていくので、どの役者さんを信頼して観ていいのか分からなくなります。
誰一人安定して観ることができないような感じです。
お知り合いの客は加点式で観るでしょうから、いいところを摘まんで高い評価をするかもしれません。
ただ、私のような赤の他人からすれば、あかんなあと思ったところをどんどん減点してしまいますから、非常に評価は悪く印象に残ってしまいます。
話としては帝国軍と共和国軍の対立を描いています。
帝国軍の開発した戦闘型アンドロイドが不要になったため廃棄処分されることになりますが、開発した博士の身を呈した尽力により共和国軍に亡命します。
帝国軍はこんなアンドロイドよりもっと強力な戦力を古代遺跡から手に入れようとしているようです。
亡命したアンドロイドと共和国軍は帝国軍の横暴をいさめるべく、戦いを起こします。
古代遺跡に眠る兵器の謎、軍人間の人間関係を明らかにしながら話は進みます。
戦いの後に残るものは・・・
ちょっと無理矢理感はあるのですが、話としては分かりやすい設定です。
生き別れた互いの軍で生きる姉と弟、古代兵器の謎である純粋無垢な少女を守る人たち、国の制圧のためには人を人と思わない狂気的な帝国軍の戦略など、見どころは幾つも用意されており、展開がスムーズならばかなりテンポよく楽しめたのではないかと思います。
展開がスムーズに感じないところは、脚本の話の流れが悪いところもあるように思いますが、それ以上にやはり全体的なまとまりの無さ、雑な感じが大きく影響しているように思います。
皇帝、博士、軍人、少女・・・など、かなり個性的に演じられそうなキャラです。
実際、特徴づけてそう演じられているのはよく理解できるのですが、何かわざとらしさを感じる。
これはあくまで個人的な意見です。そんなことないと言われる方も多数いらっしゃるでしょう。でも、冷静に捉えて欲しいのですが、赤の他人がそう感じるというのは、役を演じ切れていないことの証拠だと思います。
知り合いの客は普段の姿をよく見られているだろうから、あんな役してるわ、普段と全然違うとかわざとらしさを感じてしまうこともあると思いますが、私のように見ず知らずの人がそう感じるのは、舞台上で素を見せてるからなのではないでしょうか。
それを見せられれば、そりゃああんな現実にはいないようなキャラの役は違和感を感じてしまうのはいたしかたありません。
旗揚げで様子見とかもあるのかな。
歌って踊って戦って・・・みたいなことをチラシに書かれていますが、踊りは映像だったし、何かこちらが期待し求めている物に対して不十分。
狭い舞台でも、元気に踊りながら、それを映像とも融合させるようなこともして欲しかったですね。
温かく見守ってとも書かれていますが、温かく見守りますから、もっと思いっきりやってもらってもいいんですけどね。そういう意味では勝負をし切れてない感じかな。1回観て面白くないからと言って、その劇団がダメなんて判断はしません。だから、いちかばちかぐらいの勢いを感じたかったです。
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