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2012年1月31日 (火)

ロスト○ボール ~DEAD LINE. おっとでもここはまだ天国の端っこ~【劇団舞台処女】120129

2012年01月29日 クレオ大阪南

何と立派なホール。
こんなところがあるんだなあ。
前回はロクソだったと思うが、あまりにも違い過ぎるだろうに。
当然、作品も変わった感じになるんだろうなあと思いながら観劇。

ここは前回、色々あってきちんと観劇できなかったんだよなあ。
今回は立派なホールに、キャストも多い大々的な公演みたいです。
で、・・・
ちょっと集中が切れてしまった。
単なるゴルフをベースにしたやくざのおかしな対決として観ればいいのか、ニートや車椅子の女性が一歩踏み出す勇気を得るまでの話として観ればいいのか。
もちろん共に絡んでいるのだが、どうもうまく融合して捉えることができず、退屈感が出てきてしまい、作品の面白さをきちんと味わえなかった。

やくざの父親、プロゴルファーの姉、車椅子に縛られて立ち上がれない妹。
そんな組は昔ながらに任侠に生きる集団。今どきはやらず、組は衰退している模様。
馴染みの刑事にも解散を薦められている。
そんな組になぜか入ることになったニートの男。

対立する組。
今どきのビジネス中心の新鋭やくざ。
雇った殺し屋を使って、全権力を手中に治めようとしており、手段は選ばない。

何かよく分からない普通の女性3人組。

大きく分ければそんな3つのグループがゴルフコンペをすることになり、そこでのドタバタ対決が展開される。
その中で、外の世界にとりあえず飛び立ってみたニートの男と、いまだ飛び立てずにいる車椅子の女の心の変化が描かれている感じ。

よく分からないが、そんな感じだ。
キャラがかなりふざけており、それが効きすぎて、コメディーとして楽しむのか、人の成長を描いたメッセージを感じ取るべきなのかが混乱する。
ハートフルコメディーといった感じでも無い。
なぜにゴルフというシュールな設定も、作品名であるロストボールや、地面から振り切る速度で飛んでいくという意味合いは何となく分かるのだが、作品の本質を理解するまでには及ばなかった。
しっかり感じ取れなかったことは、こちら側の感性にまあ非があるような気もする。
ただ、少々退屈させる演出もあるような気がする。
ゴルフというあまり見ていて興奮しないような題材での対決シーンが延々と続くのはかなり厳しい。
会場全体を使ったりする演出も見受けられたが、それだけでは・・・
そんなところこそ、おかしなキャラを活かした笑いでも入れてくれるといいのだが、あまりそれをする気はなかったみたいだ。

やくざがゴルフで対決という奇想天外な組み合わせに理由を求める必要は無いと思うが、やはり分かりにくさは感じざるを得ない。
ラストも終始感じた違和感によって、あまり感動するものではなくなってしまった。何か温かいものは感じたが、本当はもっと感動できる展開だったのだと思う。

作品中に出てくる重力というキーワード。
これを振り切ることによって、飛び立てる。その時に各々の飛び立つ段階に応じて決められたスピードが必要とされる。
最初はそれが必要だが、軌道に乗れば惰性で進める。
いや、先日、同じように重力がキーワードになっている不条理劇を拝見したのだが、その惰性で進むことへの意義やらをほのめかしたところがあったのかなんて思いまして。
そんな違う作品の捉え方のヒントを得ました。

まあ、後2、3回観ないと、ここがどういう劇団なのかよく分かりません。
少なくとも、社会問題を童話で風刺したような前作とは随分違う印象です。

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