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2011年11月29日 (火)

<DVD>ナナシ【30-DELUX Action Club MIX】

最近、知り合った観劇中毒客の方からお借りしたDVD。
何でも、観劇するようになったきっかけの作品らしいです。

劇団名は全く知らない。
役者さんも多分、有名な方がいらっしゃるんでしょうが、水野裕子さん以外は名前も聞いたことが無い。
こんな状態でしたが、とりあえず薦められるままに鑑賞。

殺陣をふんだんに盛り込んだアクションエンターテイメント。
男前な役者さんの印象も相まって、相当かっこいい作品に仕上がっています。
このレベルまでの迫力を出してくるのは、私がこれまで観て知る限りでは、関西では激富さんぐらいかな。

ストーリーは天下泰平を目指す者達の悲哀を描いたもの。
所々にコメディッタッチなシーンを散発させて、笑って、泣けて感動させるような形です。
話として面白いとか、役者さんかっこいいとか、殺陣凄いとか色々な感想はありますが、観終えて、いや観ている途中から既に思っていたのは、これはDVDでは魅力が半減以上になる。
生舞台で拝見したかった。
2009年だったらもう観劇し始めてる頃なんだけどなあ。

話の始まりはナナシと名乗る男が徳川家康に謁見するシーンから。
家康の暗殺をたくらむ四神無双のリーダー格、玄武の仮面を持ち、その討伐に成功したとのこと。
家康はこの討伐を服部半蔵に申し渡したはず。なぜ、この男がこの場に今いるのか。
ナナシはその説明を家康に語り始めます。

こんな感じで回想に入っていき、話が展開されていく構成です。

家康に討伐を命じられた服部半蔵は、その重臣、重臣の息子、息子の家来を連れて、4人の刺客、四神無双討伐に向かう。
討伐に失敗すれば伊賀の者たちが全員滅ぼされる。
1人目の刺客、青龍。さすがに強く、苦戦を強いられている時に1人の男が現れる。
半蔵の兄。家康の命により、この世の者では亡くなっているはずなのだが、一命を取り留めたらしい。
今はナナシと名乗っているようだ。
兄弟の複雑な再会ではあるが、強大な戦力になるので、討伐に加わってもらう。

次なる刺客、白虎と朱雀。この2人の情報を良く知るナナシ。
半蔵の重臣は怪しむ。
この男は玄武なのではないか。

複雑に絡み合う各人の戦う目的。守るべきもの。
明らかになる真相。
数多くの犠牲を生み出したこの戦いの果てに、見出されたことは何なのか・・・

だいぶはしょりましたが、こんな感じのあらすじ。
要は誰もが天下泰平を目指すのですが、その手段が異なることから生まれる悲哀が描かれます。
悲しくても、その気持ちを律して戦う者、それを理解できずに違う手段で戦おうとする者、それを理解して自らが犠牲になり後を託す者・・・
ハッピーエンドにはしていませんが、この戦いの中で生まれた新しい命や新しい絆に希望を託したようにしているところがあり、私はとても好きなエンドでした。

HEROだったかな。ラストエンペラーを描いた映画。
これも同じような天下泰平を唄った作品で、ラストはその泰平のために、始皇帝に全てを託し、自らが礎になるような終わり方をします。
これと同じだなと思っていましたが、この作品は根本的には同じですが少しだけ違えています。
この違いが非常に素晴らしいところだと感じました。
犠牲によって礎を作ったことを単に示すだけでなく、その託すということも明確に感じ取れるような設定にしているのです。
とてもよく考えられたいい作品だと思います。

役者さんは全く知らないからなあ。
お借りした方からお薦めされている役者さんは、渡辺大輔さん。重臣の息子役。
ふ~む。イケメンってわけだな。
半蔵を兄貴のように慕い、まだまだ実力は足りないけど、父と同じように半蔵を守りたい気持ちでいっぱいの役どころ。
もう一人お薦めされた森大さんがこの息子の家来の1人。
しゃべれない設定で、ジェスチャーなどでコミカルに演じて場を和まします。作品中ではおどけていたので分かりませんでしたが、特典映像を見るとこの方もイケメン。
と言うか、何でこの作品、こんなかっこいい人達ばかり集めてるんだ。これでは、みんな不幸になればいいと思ってしまうじゃないか。まあ、それはともかく、この方も、重臣の息子を守りたい気持ちでいっぱいの人。
半蔵を先頭に、重臣の息子、その家来としっかりした絆があるわけです。
この絆がとても純粋で、私利私欲など何も無い、この人が好きだから、あこがれてるから守るんだみたいな気持ちでつながっています。
前半はそんなところが気持ちよく、微笑ましいのですが、後半、厳しい戦いでも維持される絆が切なくなってきます。そこまでピュアに生きなくてもいいじゃないか。自分のこと考えればいいじゃないかと。
そんな雰囲気をこの渡辺さんと森さん、あと1人の家来、タイソン大屋さんの3人組で作られていたのが印象に残ります。

一番、殺陣で目を引いたのは白虎役の川原正嗣さん。よく分かりませんが、体のキレとか動きがすごくダイナミックで、かつ美しかった。

紅一点の水野裕子さん。朱雀役。
色んなしがらみの中で女を捨てて生きなくてはいけなくなった切ない人生。
それを捨てる前の普通の女性の時、女を捨てて戦いに身を置く時、そして全てが終わり女、母になる時。
この方だけはテレビで普通に見るのですが、演技している姿は初でしたが、やっぱり女優さんなんですねえ。
表情変化は見応えがあります。さすがに殺陣は、男達に比べると劣るところがあったように感じますが。

2009年の作品。
今はどうなっているんだろうとHPを覗いてみたら、来年GWにミュージカルをされるみたい。
なかなかの迫力なんでしょうね。大阪には来られるのかなあ。
来られるなら、一度、生でチェックしておきたい劇団です。

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