6人の悩める観客【劇団壱劇屋】111002
2011年10月02日 芸術創造館
2回目の観劇。
かなり奇をてらった演出を楽しむような作品なので、ネタバレしてる状態で観るとどうなるかなと思っていましたが、意外に新鮮。
終始飽きないワクワク感と名パフォーマンスへの驚愕は全く初回観劇と変わらず。
変わらぬ楽しい公演を満喫しました。
今回はロックオン観劇。
何て書いても私が自分で作った言葉だから分からないですね。
一人芝居でも無いのに、ある役者さんだけを終始ずっと見続けて観劇する方法です。
舞台のどこかでメインの話が進行して最高に盛り上がっているとしても、そこには目をふれず、ひたすらターゲットの役者を見続けないといけません。
ある意味、作品に対しては失礼な話で、役者さんも気持ち悪いだろうとは思うのですが、やってみると作品の違う魅力に気づいたり、何より舞台に立っている間は役者はずっと役者で居続けているということが分かり、これはこれで面白いのです。
基本的に2回目以上の観劇の際に、お気に入りで、表情豊かで、メインで進行していないところでもきちんとそのシーンに対応した演技をされる力を持たれている役者さんの時にやってみると面白いです。
知らず知らずに引き付けられて、結局ずっと見てたなあということは何回もありますが、最初からわざと決めてやったのは、これで4回目かな。
病的船団(ステージタイガー)の今村こころさん、定点風景(彗星マジック)の立花裕介さん、BLACK COMEDY(Dreamユニット・アンサンブル)の田辺学さん(10デシリットル)。
今回は中野裕貴さん。
作品上では役者さんでありながら演劇を見に来た観客。もちろん、現実でも役者さん。
笑顔の表情や動きなどが、いち客として本当にふるまってしまっているんじゃないのか、役者としての客の演技なのかがよく分からなくなるようなところがたくさんありました。
この境目がよく分からなくなるようなところが、この作品の大きな魅力の一つで、客と舞台の垣根を取り外して共感を得るような演出がこういうところで効いているんだなと思いました。
こんな手法は、若い方が多く、客との距離がまだ短いところにいてくれているこの劇団だからこそ出来たものなのかもしれません。
で、やっぱりかわいらしく魅力的だった。
毎回、出演されるたびに書くのでうっとおしいでしょうが、ファンというものはそういうものです。
私が観劇をするきっかけになった役者さんなので、今、こうして観劇を続け、すっかりはまっている中で、また舞台で拝見出来ることがとても感慨深く嬉しいのです。
あなたのおかげで、こんなになってしまったけどすごく楽しく過ごしてます、観劇してなかったら出会えないような方ともたくさん出会えました、役者さんで私のことを覚えてくれるような方もできました、たくさんいい経験が出来ています、ありがとうといったような気持ちです。
すっかりはまってしまった観劇ですが、この作品中に山田という男(坪坂和則さん)が出てきます。
週に最低2本は観る、多ければ5本以上。
あまりにも劇場に足を運ぶので、関係者に知らない間に顔を覚えられてしまっている。
自分のことはまあ棚の上に置いておいて、観劇マナーとかには非常にうるさくなっている。
誰に見せるわけでもない感想ブログを書き、役者さんなど関係者の方が実際に見てくれていたりするのを知ると妙にこっ恥ずかしい思いをする。
星の数ほどある劇団名の会話にも平気で付いていけてしまい、たいがい共通の観た作品がある。
・・・
これは私ですね。どうして自分があんなところにいるんだ。
同じように思った方も多いはずです。
過去、これほど感情移入した役はありません。
強烈なパフォーマンスを用いたエンターテイメント作品、コントなどに加え、こんな新しい手法を駆使して楽しませる作品を創り上げる。
この劇団は益々注目しないといけないところになりました。
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