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2011年10月 1日 (土)

6人の悩める観客【劇団壱劇屋】110930

2011年09月30日 芸術創造館

(多分、何も知らない状態で観た方が面白いと思いますので、以下、公演終了まで白字にします。公演は日曜日まで。
どちらにしても、私の文章力ではどう頑張ってもこの作品の魅力は伝わりません。とにかく観に行ってみることをお薦めします。普段よく観劇される方なら特に。

噂どおり、普段の舞台が私たちが座る客席に、そして、普段の客席は客席という舞台に。
開演前から、客席にぞくぞくお客さんが、そして舞台の客席にもポツポツと役者さんが座っていきます。
おかしなにらめっこ状態で、妙なぎごちない空気で開演を待ちます。

いつもどおりの開演前の諸注意を制作役の役者さんがされる。5分押しでスタートなので、それまでぼ~っと待ちます。手持無沙汰なので、アンケート書いたり、チラシを見たり、携帯を確認したりしながら。客も役者も。
普段、小劇場ではよくあることです。その客席の風景を見ている自分の状況が変に恥ずかしい。

開演。
と言ってもなかなか始まらない。どちらにとっても。
そのうちに客同士での交流が始まり、小劇場あるあるネタみたいなものを盛り込みながら、いつの間にか話に入り込まされます。
普段、観劇していたら、分かる分かるとうなずけるような話、よく思うようなことを客に扮する役者さんが掛け合う。
それは役者さんにとって自虐的でありますが、実は普段観劇する私たち客にとってもそう思えるようなことです。
このあたりが妙に面白く、自分の姿を見ているかのような気分で舞台を見ることになります。

話が進むにつれて、舞台となっている客席で起こっていることが明確になっていきます。
実は仕組まれた台本の基で踊らされている客という役者さん達。
この台本に書かれた作品を完結させることが、この作品自体の終わりとなります。
何を書いているか分からないですよね。
だから、最初に観に行ってと書いたのです。

お得意のパフォーマンスは相変わらず見事。
この不思議な構成の中でのシーン切り替え時には必ず入り込み、不思議さをより一層醸し出していました。

チラシや当日配布されたパンフレットなども全てこの巧妙に仕組まれた作品の材料となっており、相当凝って作られたんだろうというのがうかがえます。
あらゆることが計算された大変頭のいい作品です。
奇想天外なことをしてくる劇団は多いといえ、なかなかここまで巧妙さがうかがえる作品、それを面白く仕上げてしまう劇団は少ないのではないでしょうか。

日曜日にもう一度、観に行くつもりなので、役者さんの感想などはその時に。
大ファンの役者さんがいるから、その人だけを中心に観るという観劇をします。向こうが不思議なことを仕掛けてくるので、こちらもなかなか普通の人がしない観劇の仕方で対抗してやろうかと思っています。

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