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2011年10月11日 (火)

ハイヤーズ・ハイ【劇団ガバメンツ】111010

2011年10月10日 インディペンデントシアター1st

ここはずっと観続けている劇団。
この作品の初演は2年前に拝見しています。
この時、75本目の観劇。どんどん観劇にはまりつつあった頃で、この作品の面白さはかなり印象に残っています。
せっかくの再演、あの当時の感動をもう一度ということで劇場へ。

色々と変わっているところもあるのでしょうが、作品の魅力は変わらず。いや、あの頃よりももっとすごい、面白いと感じたような気がします。

数年前に事故で亡くなった、ある俳優を偲ぶ会。
その帰り道にタクシーに乗る友達の男性脚本家。
色々と食いついてくる運転手とバタバタしているところに車に飛び込んでくる女性が。死のうとしているのか。

女性は脚本家。男性脚本家とも友達みたい。同じく偲ぶ会に参加した帰り道のようだ。
亡くなった俳優への色々な思いがあるのだろう。

そんな中、男性脚本家の提案で、亡くなった俳優を主役にした代表作を作ろうという話になる。
ペンを片手に互いにアイディアを出し合い、話を作り始める二人の脚本家。そこに、素人さながら横から口出しをして、作品創りに一緒に参加し始めるタクシー運転手。

こういうのもメタフィクションって言うのかなあ。
現実世界のタクシーの中で巻き起こる作品創りの様子と並行して出来あがっていく作品を観ることになる。

素人客としてはタクシー運転手の立場かな。
脚本家が何も無いところから、登場人物を生み出し、それに関連性を付けていく。
その行為に感動しながら、キャラの行動一つ一つに一喜一憂。どんどん、生み出されたキャラに思い入れを深めていく。
脚本家と一緒になって作品を創り上げているような錯覚に陥る。

この作品の魅力的なところは、単に話を創っていくのではなく、そこに脚本家の亡き俳優への思いを見え隠れさせているところ。
恐らくは男女関係の仲にあったのだろう、女性脚本家の彼への未だ残る思いとともに恨みなどの感情が交錯した話へと進行しがちになる。
そこに、後先考えずに思いつきでポンっと筆を進めてしまう女性脚本家、全てのキャラに意味づけを求め、計算された理論的な話の進行を目指すクソ真面目な男性脚本家、こんなんでいいんじゃないのと無責任に適当に話を作り上げる運転手のスタイルがぶつかり合っている。
最終的に出来あがった作品は、亡き俳優のことを友達、男としての思いを込めたものに仕上がっている。
このあたりが、単なるコメディーではなく、どこか情緒的な切ない思いを抱かせる。

目を引いた役者さんは、完全にこの方かな。片山誠子さん(ソラ豆)。
天才だな。動きとか表情とか間とか・・・、全てが素晴らしい。
何かの神様が降りてきてるんだろうな。

女性脚本家は初演の本多真理さん(昆虫PEG.)の印象が強いから違和感があるかなあと思っていたのですが、今回の西岡裕子さん(en:en)、全く違和感無し。雰囲気がすごく似てる。
この作品での女性脚本家のスタイルにぴったりはまっていました。

再演、観れてよかった。
当時の感動に加えて、あれからだいぶ知った役者さんの個性的な味のある魅力も存分に楽しみました。

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