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2011年10月 8日 (土)

悩殺ハムレット【柿喰う客】111007

2011年10月07日 ABCホール

噂以上の迫力だったのでびっくりした。
あまり凄過ぎると、面白いと書くことがなぜか憚れますね。
私だけでしょうか、観ていても何か恐怖を感じてしまうのは。

あのシェイクスピアの名作(と言っても原作読んだこと無いけど)を女優さんだけでやるという知識だけで観に行ったので宝塚のイメージでした。
しかしながら、女性が男性を演じるというところはこの作品の魅力の一つではありますが、実際はそれ以上にもっともっと趣向を凝らした作品でした。
堅苦しさが全く無く、ここまで手軽に楽しめる作品にしてしまっているのは見事なものです。

ハムレットの舞台を観たことが無いので比較のしようが無いのですが、想像では恐らく格式高く重苦しい雰囲気なのではないでしょうか。
この公演では、セリフが超○○、~系、~っすとかのようなチャラい若者言葉になっており、ごく普通にそのあたりにいる人がハムレットのキャラになって出てきます。
それが観る側の敷居の高さを取り除いているようです。
アフタートークで演出の中屋敷法仁さんが言われていましたが、この言葉はリズムの良さから採用されたそうです。
元々、英語で書かれているハムレット作品はそのリズム感が一つの醍醐味らしく、それを活かした形にしたかったそうで。
確かに、先日観た歌舞伎のようなテンポの良さと、音楽に合わせて語られるセリフのリズム感は観劇中ずっと感じていたところです。
長セリフの時に、おかしな文節区切りでしゃべられることが多いように思いましたが、このあたりもリズム感優先の賜物なのでしょうか。

公演時間が90分。これも想像ですが、実際の舞台はもっと長いのでしょう。
どこかを省いた、はしょったというよりかは、削れるところを思いっきり削ってしまったような印象を受けます。
じわじわ沸き上がる怒りとかを一言で怒ったみたいなセリフで簡潔にすませて話を進行させてしまう。
死ぬのもあっさり寝転がるだけとか。
妙な潔さがあり、心地よさを感じます。

原作を読んだこともなく、話の内容もちょっと耳に入っていることを知っている程度だったので、役名とかが分からなくなって混乱するかなとも思っていたのですが、これが不思議とすんなり入ってきました。
うまい具合に構えて観ないようにして、話に入りやすいように設定されているのでしょう。
役者さんの個性的な魅力も大きな要因かもしれません。

目を引いた役者さんを何人か挙げておきます。
かなりご活躍されている女優さん方なんでしょうが、実はお顔と名前が一致している方は数人しかいません。
コロさん、七味まゆ味さん、新良えつ子さんだけ。
知っている方だと安心しますね。いつもながらの貫禄あるオーラで舞台を盛り上げられていました。
新良さんは別の意味で目を引くというか、釘付けでした。ガン見ってやつですね。
もう少し露出控えてもらわないと、そっちばっか見てしまい、観劇に集中できません。歌はとても綺麗な声でした。

あとは、オフィーリアのお兄さんレアーティーズだから、葛西幸菜さんか。今、チラシ写真と当日配役表を照らし合わせながら確認しています。
何か、写真と舞台でイメージ違うなあ。でも、多分、この方だろう。
最近止まる演技にちょっとはまっています。面白い動きやキレのある動きはもちろん、舞台は盛り上がるし、観ている側も楽しいのですが、ピタッと止まるのもこれまた魅力だなあと思っているのです。
特にこの作品、動きを周囲が止めて、クローズアップされた役者だけが語り合うシーンとかが頻発します。この時のピタッと止まり具合がこの方が一番すごかったと思います。

対決の審判をした方は渡邊安里さん。んっ、この方も写真とイメージが違うなあ。当ってるよな。
漫画から出てきてしまったような感じで演技されます。
この方だけでなく、全般的に生身の人というより、アニメキャラが実体化してしまったような感じなのですが、特に個性的でした。

荻野友里さん。ハムレットの親友。この方は間違いない。
この個性あふれる人達がうごめく中で、唯一安心感を得るような雰囲気でした。清涼感のある感じですかね。

葉丸あすかさん。だと思うのですが、この日にアフタートークで出られた方。
失礼ながら、作品中ではあまり目を引かなかったのですが、アフタートークでとても素敵な笑顔をされていたので。まだ学生さんらしく、卒論で忙しい中、こんな厳しい作品の稽古もやって、とんでもなく忙しい日々だろうに、何であんなに楽しそうに笑えるんだろう。やりたいことをやっている幸せ、現状を斜に構えて見ずに今を感謝する。そんなことを教えられたような気がします。

たくさんいらっしゃるのでこれぐらいにしますが、皆さん非常に魅力的な役者さんでした。
元々身体能力の高い人を集めているのか、動きのキレは抜群だし、絶妙な間をもったセリフの言い回し、掛け合いもとても楽しく観れます。

次回はマクベスをされるようです。
こちらは内野聖陽さんのメタルマクベスDVDやカメハウスがされた作品を観ているので、少し比較しながら楽しむことが出来ます。
どんな形に仕上げられるのか、非常に楽しみです。

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