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2011年9月17日 (土)

オーバースマイル【企画演劇集団ボクラ団議】110916

2011年09月16日 インディペンデントシアター2nd

都内を中心に活躍されている劇団みたい。
この春に大阪にも進出されて、今回が大阪では2回目の公演。
私は今回が初見。

観る前のイメージは、いわゆるタレントさんが出演されているような感じだったので、いつもの小劇場での雰囲気と違うかなと。
過去の経験から、こういう場合は、何かテレビ色みたいな感覚があって、悪く書くと薄っぺらい感じがしてしまう。だから、少々私は敬遠してしまいがちです。
それでも、観に行ってみようと思ったのは、単純な理由。
チラシに載っている女の子の笑顔がかわいかったからです。

観終えて、持っていたイメージと全く異なることが分かりました。
ダンス・殺陣あり、笑いありのエンターテイメント作品。
メッセージを込めた深い話がファンタジーワールドで繰り広げられる。
非常に私の好みの作品で見逃さないでよかった。
ちなみにチラシの子は生でもかわいい笑顔でした。作品上、少し悲しみを秘めていますが。

怪しい外国人の老人に手話を学ぶカップルがいきなり話しかけられて、なぜだか、老人の話を聞く羽目になったところからスタート。

老人の話は赤・青・緑をシンボルカラーとして、各々の国が戦争で傷つけあう世界。
どの国にも所属せずに、戦いを嫌い、分け隔てなく傷ついた兵士たちを救う白い少女。
彼女は耳が聞こえず、手話でしか人と交流が出来ない。だから、いつも不自然なくらいにオーバーな笑顔をで人と接する。
彼女が兵士たちを救えるのは不思議な能力を持っているから。
それは自らを犠牲にする悲しい力。
そんな少女の優しい気持ちに、戦うことに対して気持ちの変化を見せる者もいるが、その能力を利用しようとさらに争いの種が芽生えたりする。

老人の話を聞くことによってそんな世界に入り込んでしまったカップルは、白い少女、各々の国の兵士たちと接する中で自分たちが出来ることを探し始める。

観たことある方もいらっしゃるかもしれませんが、2年前ぐらいに今は無き森の宮プラネットホールで公演された白みそ企画の廻天という作品に個性的な3国が争うという設定は似ている。あの時は歌・祈り・力だったかな。
この作品が今でも印象に残っているので、今回の作品も非常に興味深く観れた。
特にパラレルワールドのような形にしているので、単なるファンタジーワールドではなく、現実の世界とのリンクがより感じられる。
だから、色が違うだけで争うことの愚かさ、それぞれの色の良さを認め合えば戦争なんて起こらないのにというようなリアルなメッセージが強く伝わる話になっている。

2時間20分の少々長めの公演時間であったが、この作品の世界の魅力、意表を突いた話の展開、意外なラスト、笑いを散りばめたテンポのいい流れ、3つの国の個性を特徴づけたキャラクターなどが、長さを全く感じさせない。ちょっと物足りなかったぐらいだ。
もちろん、チラシに記載されている、ダンス・殺陣アクションによるエンターテイメント作品であることも偽りなし。

当日チラシの中に作・演の久保田唱さんがこの作品を創るにあたり、聴覚障害者の取材をした時の話が載っていました。
「聞こえていたことがないから、不便に感じたことはない」という言葉に衝撃を受けられたようです。
ちょっと違いますが、私も昔、視覚障害者と接することがありまして。点訳で視覚障害者用の教科書、小説、楽譜なんかをボランティアで作ったりしていたのです。
その時、生まれつき視覚障害者の人には色の概念が無いことに驚いたことがあります。
輝く青色の海、綺麗な夕焼けはもちろん、真っ赤になって怒るなんてことも伝わらないのです。色なんて初めから存在せずに生きてきたのですから。
そんな人たちは何を感じ、どう生きているのかが今でも不思議で仕方がありません。
そんな私たちの考える不自由・不便が一切通じない世界。
そういう世界で生きている人にとって、こんな争いを続ける私たちこそ不自由であり不便であるのではないか。
多分、そんなことすら鼻から思ってないのかもしれません。不自由、不便など不が付く言葉の大半は比べることによって産まれてくる言葉。
初めから無いものは比べることも無いから。
そんな生き方が、優しさにつながり、この作品の聴覚障害者の笑顔になるのかな。
オーバースマイル。オーバーは比べることをしてしまう私たちの観念であり、本当は単なるスマイル。そんな素敵な笑顔に出会っていないから、オーバーだなんて言っているのだとすれば、それは悲しいと思わないといけないことかもしれません。

話がそれましたが、エンターテイメント性はトップレベルだと思います。
深いテーマを重苦しくすること無く、楽しく見せて、色々なことを考えさせる。
とてもいい作品でした。
次回公演は、今回の大阪公演が好評なら、また大阪でもされるとのこと。
是非やってもらいたいところです。
観さえすれば、皆さん納得する素晴らしさだと思うのですが、ここのところ公演日程が過密だからなあ。

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