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2011年8月 9日 (火)

彼女に鎌を下ろすとき 友情編【激団しろっとそん】110808

2011年08月08日 シアトリカル應典院

第3回公演。ホップ・ステップ・ジャンプの最後の距離が一番出るジャンプってところか。
それにしても飛び過ぎだ。ある程度、こちらが予測できる距離じゃないと、付いていけない。
あまりにも凄くなっていたので、びっくりしてしまった。

う~ん、今、絶賛よりも上の褒め言葉をネットで探しながら書き始めたところ。
いい言葉ないなあ。
べた褒めする。無条件で褒めること。人に対して使うこともできる。これではないな。無条件で褒める気は無い。
激賞。これは受け身で使うのが一般的みたい。激賞するはおかしな使い方なわけか。劇団側が使う言葉ということですね。
絶賛する。行為の成果をこの上なく高く評価して褒め称えること。通常、人に対しては使わない。やっぱ、これしかないのか。

ということで、まとめるとこうなります。
この公演、作品を絶賛します。役者さんをべた褒めします。劇団は激賞を受けて然るべきだと思います。

(以下、多分、大丈夫だと思うんだけど一応ネタバレ注意)

非常にお気に入り劇団の感想は書きにくい。
何を観ても面白いというのが前提になってしまうから。
このあたりは、けっこう冷静に見ているつもりで、今ひとつだった時はそう書くようにしているのだが、お気に入りだからこそ逆に厳しく見すぎているのではないかと後から反省することもしばしば。
それに、このブログをたまに見てくれていたりすると、褒めちぎるのも意識しているようで、正直なんぞらしい感じがする。むしろ、ダメだったことをたくさん書けるような時の方が気が楽だったりする。

そんな色々なことがあるが、そんなものを全部抜きにして、ぶちあけた感想が上述したとおり。
思ったままの正直な感想です。

あらすじはまだ公演中でもあるので控え目にしておく。
舞台はとある高校。
セーラー服を着た幽霊少女と死神。
大切な人と一緒に卒業を迎え、これから益々幸せな日々をという時に少女に不幸が訪れる。
3年もの間、その時の大切な人が会いに来てくれるのを幽霊になった今でもずっと待っている。
その少女の魂を担当する死神。少女の魂を無理矢理に昇天してしまうこともできるが、なぜか一緒に付きあっている。死神自身に記憶はないが、生前のある行いから死神となっている。

そんな幽霊を退治するため、女生徒会長が立ち上がる。
生徒会長に恋する副会長と幼馴染の同級生とともに。

幽霊、死神、幼馴染の切ない過去を明らかにしながら、各々の気持ちが通じ合っていくような話が展開される。
そして、さらには厳しくも悲しい現実を突きつけられながらも、相手の思いやりを理解し、深く感謝できる仲間となっていく。

毎回、思うが話がとてもうまく出来ており、人の優しさをくすぐる柔らかなエンドにされる。
ここは役者さんも気に入っているが、何よりも脚本がとても好みだ。
今回は友情編ということで、友情を強く押していたが、まだ作品中では解決されていない部分や、これから登場人物たちが進んでいくであろう道を考えると、何か温かい気持ちになり、もう一つの未来編という未来という言葉を使ってもいいような気がする。
こうなると、じゃあ未来編はどうなるんだよということになって、それを観に行きたくなる。
踊らされているのか。まあ、今回はそちらも観に行く予定だから別に構わないが。

スピード感があって、話の展開がスムーズ。
音響がシーンととてもマッチしている。
楽しくほんわかしたムードで進む中、突然入り込む緊迫して息を飲む過去のシーン。メリハリが抜群で飽きさせない。この飽きさせないということを公演時間中ずっとそうさせるのはなかなか私にとっては難しい。盛り上がる後半まで退屈だったり、中だるみしたり、エンドが見えそうになってからがやたら長く引き伸ばされて集中が切れることがよくあるから。今回はそれが一切なし。
それだけでも話がうまく出来ており、役者さんが小ネタをはさんで笑いをうまくとったりして持ち味を発揮されていることが分かる。

過去のブログでこの劇団だけ、必ず各役者さんに一言コメントを残しているので、今回も一応。

幽霊少女:しろさん
ヤンキーみたいな幽霊。
一途に大切な人を信じて待つ役なので、公演中はまだ楽しかった頃の回想シーンぐらいでしか笑顔を見せない。奥に秘めた感情を押し殺しながらでないと3年という月日は待てないだろう。そんな雰囲気をしっかり出されていた。ギャップ萌えってやつですね。そんな感じでずっと、ぶすっとされているので、最後の挨拶の時の笑顔の方が強烈に印象に残っている。とても素敵な笑顔でした。

幼馴染:大牧ぽるんさん
ふにゃふにゃした女の子。おどおどしているし、何かたどたどしい。無理して頑張っている感じがする。よくこんな感じの役をされるけど、妙に浮いた感じがする。何のキャラ設定かと始め思っていましたが、話が進む中で過去が明らかになるとこれが分かります。なるほどって感じです。設定を知らずに最初からそう感じたということは、見事な演技できちんと前振りしてたんだと少し感動。

生徒会長:宵河くろさん
ツンデレってわけでもないか。びしっとして凛とした女の子。やっぱりこんな感じの役がすごく似合うな。中心にいて引っ張っているような雰囲気が自然と出ている。突っ込みのうまさは相変わらず。今回はボディーアクション付きだから、より一層パワーアップされていた。ぼそっとしゃべられた一言が妙に面白かったりする。副会長が走って登場した時の一言はちょっと声出して笑ってしまった。

副会長:秋月・ピエール・準
この方は初見。ちょっと情けない、でもびしっと決めるところは決めるような男。
すごいオーラですね。ものすごく力があるなあと感動したことがあります。
上述しましたが、基本的には本当にコメディータッチで話は進んでいき、ところどころで笑いが入って楽しく観れるのですが、過去のシーンはけっこう凄惨だったりします。この迫力あるシーンがうまく出来過ぎているというところが逆に災いして、元に戻った時に今までのような感覚で観れなくなります。さっきまであんなに楽しかったのに、あんなの見せられたらもう笑えないみたいな。実際、この公演でも、戻った後、しばらく幾つかの小ネタが不発でちょっと不安定な空気になったような気がします。少なくとも会場から観ていた私はそう感じた。それをこの方は一瞬で消し去りました。空気を変えるなんてなかなか出来るもんじゃありません。
次回公演はもちろん、どっかで客演で出られないのかなあ。違うところでも観てみたい。
ちなみに受付時にメッセージカードがもらえるのですが、この方のサイン入りの物をもらいました。公演終わるまでは、え~、女の子の奴が欲しかったのに~と思っていましたが、今となっては大変光栄です。

死神:ぼんてんべすさん
初めて拝見した時も死神だったかな。前回のユメリアですごくかわいらしい役をされており、すっかり魅入ってしまっていましたが、今回の演技を観て思い出しました。
この方、POST☆MENですごく嫌な表情されて印象残ってたんだった。今、過去ブログを見直したけど、そう書いてある。こういう時、やっぱりきちんと書いておくと便利だな。
今回もいじわるな表情をたくさんされます。憎らしくもかわいらしい感じで。ひどいことをするんだけど、それが思いやりから生まれていたり、消えた過去の悲しい記憶を心のどこかで背負っていたり。それに合った微妙な表情だったように思います。死神なのに純粋。このあたりが作品を優しく仕上げている要素の一つかもしれません。たくさん、一人芝居風小ネタをされますが、どれも当たり。幾つか笑い声出てしまった。

長くなったからこんなもんでいいか。
明日も観るし。
いいねえ。楽しい劇団はやっぱり。

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コメント

早速記事を書いていただいてありがとうございます!!

もう、嬉しくて嬉しくて涙が…w

ご来場頂き、本当にありがとうございます!
次回公演、今のところは「しろっとそん」で出演が決定しております!
また機会があれば是非とも、ご来場下さいますようよろしくお願いします!!

本当にありがとうございました!!

投稿: 秋月ピエール・準 | 2011年8月 9日 (火) 01時07分

>秋月ピエール・準さん

公演でお忙しい中、コメントありがとうございます。

すっかりファンになってしまいました。
同じような方も多いみたいで、一晩で有名になられているみたいですね。
私のTwitter TLでもお名前がたくさん出てきています(゚ー゚)

今後も益々ご活躍ください。

ありがとうございます。

投稿: SAISEI | 2011年8月10日 (水) 00時41分

早くからブログに書いていただけて光栄です。
毎回毎回ありがとうございました!

本当に嬉しいお言葉です。
SAISEIさんをはじめ、たくさんの方に様々な意見をいただきました。今回とても勉強になりました。

しろっとそんはやっぱりまだまだ未熟ですが、精一杯やらせていただきました。
その思いが伝わっていたことが一番の喜びです。

投稿: 大牧ぽるん | 2011年8月11日 (木) 11時59分

>大牧ぽるんさん

いつもコメントありがとうございます。
公演終わってお疲れのところ、読んでいただくだけでありがたいのに、コメントまでいただけて大変光栄です。

とりあえず、微力ながら宣伝になるかなと思って、最優先で書かせていただきました。

頑張りが形になって本当に良かった。
自信が付いて、今後も益々ご活躍されることでしょう。

かわいらしく元気なお姿とともに、懸命に頑張り、謙虚に向上しようとされているお姿を、いつも見習わないかんなと思って拝見しております。

次回公演、その前にマクベスか。
楽しみにしております。

投稿: SAISEI | 2011年8月11日 (木) 23時09分

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