JUMPIN JUCK TOYS!【劇団赤鬼 岡本拓朗プロデュース公演】110702
2011年07月02日 神戸電子専門学校 ソニックホール
まず、作品の感想の前に、公演自体の感想。
いやらしい書き方かもしれませんが、お金が発生している以上、やっぱり気持ちよく観劇したい。
別にしがらみがあって、観に行かないといけないから足を運んでいるわけではなく、楽しみたいから時間も体力もお金も削って足を運んでいる。
これはいい作品を観させてくれれば、それで満足というわけにはいきません。
受付の対応や客入れのスムーズさ、何よりも楽しんで観て欲しいという気持ちを持っている人たちが出すオーラみたいなもの。
何度か足を運んでいますが、学生劇団さんなどはこれが非常に出ていて、気持ちがいいことが多い。自分たちが頑張ってきたものを是非観て欲しいという気持ちの表れでしょう。
今回の公演、スタッフに専門学校の生徒さんもいらっしゃったのかな。
丁寧にきちんと頑張られている姿が非常に印象的でした。舞台でも、多くの方が少し出演されていらっしゃいましたが、これも同様の印象。
作品、公演を一生懸命作り上げてきたんだなということが伝わります。
チームっていうのかな。いいチームが出来たんだなといった感じ。
恐らくは、みんなをそういう気持ちにさせたプロデューサーの岡本拓朗さんやスタッフを統制する方々のご尽力でしょう。
と、こういう気持ちを持たせて観劇に臨ませただけで、もう感想は決まったような物。
とても気持ちよく楽しく観劇できました。
ちなみに作品自体は初めから何の心配もしていません。
劇団赤鬼が面白くないものを作るわけなく、そしてこの揃った名役者さん達が楽しませることなく客を帰らせるわけがありませんから。
一言で書いてしまうと、大熊隆太郎さん(劇団壱劇屋)の魅力が溢れた素晴らしい作品でした。
元々、好きな役者さんの一人なので贔屓目がありますが、今回は素晴らしいの一言です。
舞台はあるおもちゃメーカー。
そこで働くちょっと変わった社員たち。
かつて、一世風靡したメタル侍というキャラクターを超えるおもちゃを日々開発しています。
でも、メタル侍の開発者でもある社長が引退してから、会社の元気も無くなって、みんな少し立ち止まってしまっているみたい。
主人公の男もメタル侍にあこがれ入社したものの、どうも会社に元気が無くなっているので悩んでいます。そして、自分に何が出来るのかを模索する日々を過ごしています。
そんな中、アメリカのトップ企業との共同開発の話が会社に舞い込みます。
ライバル社よりも優れたプレゼンをして、何とかこのチャンスを掴まないといけません。
アメリカの企業から査察に女性社員がやってきます。
プレゼンの日までこの会社の開発状況を見届けたいので、しばらく一緒に働くというのです。
この女性社員、何と主人公の男が学生時代に好きだった女性。
劇的な再会です。
根暗で後ろ向きだった自分にメタル侍の人形をプレゼントしてくれて、自分もあのヒーローのように強くなろうとこの会社に入社した経緯があるみたい。
と言っても、向こうは何も覚えていないみたいですが。
プレゼンを成功させるため、みんな精力的に働きます。
プレゼンの日が近づいたある日、とんでもない事件が起こります。
これまでの苦労を全て水の泡にしてしまうような出来事。
そして、その犯人は・・・
裏切りが交差する中、事件の真相、そして、メタル侍に込められた優しい願いが明らかになっていきます。
DVDは出るのかな。
とても好きな話だったので、出して欲しいですね。
エリートでもなく、ダメ社員というわけでもなく、でもそんな簡単に前に進んでいけない。心に持つ大きな信念がなかなか形になってくれない。
そんなもどかしい男を上述した大熊さんが熱演されています。
周囲には関西演劇界では名の通った名役者さん、湯浅崇さん(テノヒラサイズ)、大塚宣幸さん(大阪バンガー帝国)、丹下真寿美さんが個性的なキャラで話を面白く盛り上げる。
もちろん、赤鬼の役者さん方も味のある演技を見せてくれます。
楽しい作品でした。
カーテンコールでは初日なのに、岡本拓朗さん、感極まられていました。
これまで拝見した舞台や、時折見かける客席での雰囲気から、少年のような純粋さがあるイメージを勝手にもっていますが、多分だいたい当たってるのかな。
喜んでもらえて、残りの公演のさらなる活躍の励みになるのなら、拍手したかいがあるってものです。
大変なんでしょうが、こんな素敵な公演・作品が観れるなら、これからも幾らでも企画して欲しいですね。
一つだけ後悔。
面白かったなあ、いい公演っていうのはこういうのを言うんだよな、ブログでこのことをうまく書かないとなんて色々考えて劇場出てから、アクトレスのDVDを買い忘れたのに気付きました。
買うつもりだったのに。
この作品、私のブログで一番最初に観劇感想を書いた記念作品なんです。
劇団ホームページの通販でも販売されてないし、失敗したよ。
| 固定リンク
「演劇」カテゴリの記事
- 【決定】2016年 観劇作品ベスト10 その3(2016.12.31)
- 2016年度 観劇作品ベスト10 その2(2016.12.30)
- 2016年度 観劇作品ベスト10 その1(2016.12.30)
- メビウス【劇団ショウダウン】161209(2016.12.09)
- イヤホンマン【ピンク地底人】161130(2016.12.01)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント